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お祭り騒ぎのその果ての、そのまた後の出来事。~街歩きをしました~6.
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まだ、混乱している。
現状と認識が一致しない。
右を見上げると、私の荷物を持っていたずらっぽく片目をつぶるシグルド様。
左に目をやれば、私の腰にそっと手を回してこちらの様子をうかがうユリアス。
レオン様はくじに勝ったから街歩きに出ているのではないか?
なぜ、この二人までいる?
「──くじの勝者はレオンだ」
顔中に疑問符を貼り付けていただろう、私の頭の中を正確に読み取ってシグルド様は言った。
「だから、あなたと二人で出かけてるんだ」
「はあ」
「‘二人で出かける’権利のくじ引きだった」
ユリアスが後を引き取った。
「だから二人で行かせた。でも俺たちが留守番をしなきゃならん法はない」
「いや、あるでしょ」
そこ、激しくツッコミたい。
思わず足を止めてしまった。
シグルド様もユリアスも、それは穏やかな顔で私を見下ろしているけれど、私の方が心配になる。
グラディウス三公爵。
それぞれが上手く業務を分担して統治をしている。外交、軍事、内政。三人のうち誰かは城にいる。グラディウス城を三公爵全員が不在にするなど前代未聞のはずだ。
本来は筆頭公爵がいるのが不文律だったわけだけれど、以前、出征した私の帰還を出迎えるためにレオン様が出城して以来、解釈は緩くなったと聞いた。
歴史好きの私は暇さえあればグラディウス一族のことが書かれた歴史書を読み漁っているけれど、三人とも城を空けた記述は今のところ発見していない。
まずいのでは、と言いかけたところで、ちょっと強めに腰を引かれた。
「ユリア、じゃなくて、ユーリ?」
「奥方様。ここで立ち止まるのはまずい、行こう」
彼は囁くように言ってまた歩き出した。
私たちは長身なので、人混みの中で立ち止まるのはよろしくない。
人の流れをせき止めてしまって、たびたびぶつかられ、謝られたり睨まれたりしている。
けれど、「邪魔だ、どけよ」とか「こんなところで立ち止まらないで」と盛大に文句を言った人たちも、その一瞬あとには何とも言えない表情になるのだ。
濃紺、濃緑。
どんなに地味にあつらえた外衣でも、長身で姿勢のよい二人が着ればそこだけ違う空気を纏ったかのようだ。
帽子をいくら深く被っていても、顔全部を覆っているわけではないから、よくみれば驚くほど美麗な顔立ちだと知れてしまう。
実際、今も。
すれ違いざまに肘がぶつかった女性が、「ちょっと、あなた方邪魔……って、うわ!綺麗な人」
と歓声を上げ、仲良しらしい連れの女性に、「ねえねえこの人たちすっごくきれい!!」などと袖を引いているものだから、私もあわてて少し歩くスピードを上げた。
「……ねえユーリ、ルード」
混雑の中、左右の夫たちが上手に前を空けてくれるからそんなに歩きづらくはない。
はぐれないように三人でぴったりと体を寄せ合って進むのだけれど、しっかりと指を絡めて繋いだシグルド様の大きな手、長い指。私の腰に回されたままのユリアスの手の重み、その温かさ。
幸せだなあと唐突に実感しつつ、私はちょっと伸びあがるようにして彼らの耳元に口を寄せながら言った。
なんだ?と言いながらそれぞれがちょぴりこちらに首を傾げるようにしてくれるのが、また何とも言えずくすぐったい気持ちになる。
「お城、空っぽ。まずくない?」
「城を出てアルバの街にいるだけだ。問題ない」
「何かあれば三人とも街にいるのだから、ココが司令部となるだけだ」
「なるほど」
ご都合主義というか柔軟な発想というか。
二人の公爵様方は即答した。
確かに言われてみればそうだ。
でも。
「あのね、もう一人は?」
私の大切な四人目の夫、オルギール。
‘万能のひと’と名高い彼の名前をあえて口にはせずに、聞いてみた。
「もちろん、留守番など面白くないと言ってはいたが」
シグルド様がくすりと小さく笑った。
ひきしまった口元が少し緩んで、うっすらと笑いじわができるのが男らしくて美しくて。
きゅん!とする。うっとりする。
別に珍しいわけではない。見慣れた夫の笑顔なのだけれど、それでもこんなにどきどきするのだから、通りがかりでもなんでも、初めて目にしたひとたちが「うっわ!キレイ!」と騒ぐのは当然なのかもしれない。
知らず、顔が赤くなったのがすぐにバレたのだろう。
シグルド様は美麗な笑みに流し目のダブルパンチで私にゆさぶりをかけた。
つないだ手を口元に持って行って、唇を押しあてる。
「──彼は、近いうちに自分が一人であなたを街へ連れ出すと言い張っていた。‘これは貸しですよ’と覚えているだけで三回か四回言っていたな」
「うぷぷ」
シグルド様にさりげなく手を舐められながら、私は吹き出した。
彼の仏頂面が目に浮かぶようだ。
そして同時に、「オルギールと二人きりでデート!」というのも楽しそうだと、想像だけでわくわくする。
それにしても。
レオン様が当たりくじをひいたのに。
このひとたちはその結果に敬意を払わないというか。
それを口にすると、今度はユリアスが、
「街に出たかったんだ、俺も。いや、俺たちも」
ちょっと真面目な声でしみじみと言う。
腰に回された手の力が少し強くなった。
「ユリ、……ユーリ?」
「俺はリヴェアに酷いことをした」
黒褐色の濃くて長い睫毛を軽く伏せて。けれど潔く、と言うべきか、はっきりとした口調でユリアスは言った。
「黙って出て行ったのはそちらが悪い。だが、リヴェアは生き生きしてそれは楽しそうで。……よほど、行きたかったのだろうと思ったんだ。なのに、あのロシュとかいう男の存在と、俺たちの心配をよそに楽しそうな姿を見て、俺は頭に血が上って、馬車の中で、あんな」
「ユーリ、もういいから」
私はあわててストップをかけた。
口調は真面目そのもの。初めは伏し目がちだったのに、今はしっかりと、その綺麗な緑色の瞳を私に向けたユリアスは、私に謝罪をするつもりなのだろうけれど、とにかく話の流れが恥ずかしい感じだ。
馬車の中で、失神するまで激しく抱かれたのだった。
声が漏れないように剥ぎとられた下着を噛まされて。
前から、後ろから、何度も何度も……
恥ずかしかったし、あまりの激しさに確かに痛みすらあった。
でも、さんざん夫たちに色々なことを仕込まれた私は、間違いなく快感も拾っていた。
お仕置きだから、と我慢するべきだと思っていたし。
ユリアスが謝る必要はない。
なのに、このひとは──
「ユーリ。謝らないで」
私はからだごとユリアスにすり寄せながら言った。
「私が悪かったの。アレは、少しからだがきつかっただけで、でも。……あんなことであなたを嫌いになったりしないから」
「リヴェア、なんでわかる?」
ユリアスは驚いたように目を瞬かせた。
「嫌われたかもしれない思ったんだ。あんなひどいことをして」
「いいの!もう!」
私はユリアスのすべすべの頬にちゅっとした。
とたんにユリアスの口元が柔らかくほころんだ。「ありがとうリヴェア。好きだ」とストレートな言葉とともに、私の頬に口づけを返してくれる。
横からシグルド様が「俺にも口づけを、姫」とかがんで顔を寄せてねだるのがほほえましい。
紅い、長い後れ毛を払いながら、乞われるままにシグルド様へもちゅ、とした。
楽しいお祭りの夜。
反省会なんか必要ない。
「……で?二人とも街に出たくなったのね?」
私は話を元に戻した。公園はもうすぐだ。
しかし、さっきの話。くじで当たったのはレオン様なのに、このひとたちずっとついてくるつもりだろうか。
「お祭りに出てくるの、初めてなの?」
「まさか」
「そんなことはない」
二人は揃って頭を振る。
「……じゃあ、女性と来てたのね?」
微妙に自分の声が低くなる。
欲張りな私は、今こんなに大切にされていても、夫たちの過去に女性の影を感じるともやっとする。
「ヤキモチなら嬉しいが。……公爵家を継ぐ前、子供の頃に、な」
シグルド様は、つないでいるのと反対側の手を伸ばして、頭を撫でてくれた。
「俺もだ。子供の頃には毎年行ったものだが。俺たちは公爵となったら祭りの夜は接待ばっかりだ。だから」
「くじは外したが街に出て予習しておこうと思ったのさ」
「予習?」
変わったことを言うものだ、と思わず聞き返すと。
「これから、毎年。交代で俺たちが祭りにあなたを連れ出そうと思って」
「俺たちが連れ出す約束をしておけば、黙って出て行ったりしないだろうし」
ユリアスは頷きつつ言う。
嫌味などではなく、本気でそう思っているようだ。
「だからリヴェア。今年はレオンに譲ったが、来年からは順番に俺たちと祭りに行かないか?ちゃんとそれまでに、どこの何が評判で、どうしたらあなたを楽しませられるか覚えておくから……」
「来年からはリヴェアにも接待に付き合ってもらうことになりそうだが、それでも必ず、一日は祭りに連れて行くようにする。約束する」
はにかんだように笑みを浮かべ、またもつないだままの私の手に口づけの雨を降らせるシグルド様。
反省会はもう終わったのに。神妙な面持ちで頷き、くすぐったくなるほどまっすぐに私を見つめるユリアス。
──胸が、心臓が。
歓喜と、幸福という名の見えない手で鷲掴みにされたよう。
苦しい。息ができないくらいに幸せ。嬉しい。まともな言葉も出ない。
涙が出そうだ。いや、ちょっと出てきた。目の奥がツンとする。視界がぼやける。
多忙で、責任重大。──当然だ。広大なグラディウスの版図を治める人たち。その頂点に立つ夫たち。
月照祭、といったら民衆は休日なのに、夫たちは休み返上だ。各国各地から賓客が押し寄せるから、普段よりも忙しいくらい。だから、彼らの目を盗んで、私が暴挙に出る隙があったのだ。
私だって、彼らの妻。グラディウス公爵夫人。姫将軍。情報室長。その自覚と責任を持たなくてはならないのに、この人たちは、なんて。
……なんて、私に甘いのだろう。甘々なのだろう。なんて、なんて……
「リヴェア?」
「どうした?」
とたんに心配そうに左右から私の顔を覗きこむ二人に。
私は言葉もなくしがみついた。
といっても、左右それぞれの、腕に巻き付く感じだけれど。
「ありがとう。……ありがとう、だいしゅき……」
舌足らずになったのは許してほしい。
えぐえぐ泣きそうになるのをこらえているのだから。人、人、人、というすごい混雑の中とはいえ、それでも本気で涙腺決壊したら目立ちすぎる。
レオン様が「俺たちなりに反省したんだ」と言ってくれていたけれど、来年以降のことまで考えていてくれたなんて。
「ルード、ユーリ。……だいすきぃ……」
「俺もだ」
「俺も。……ああ、言葉というのはもどかしいな」
「ふ、ん!?」
ユリアスは素早く私の唇に自分のそれを重ねた。
柔らかい、しっとりとしたユリアスの唇。
あまりの早業に、私は目を白黒させる。
「……ちょ、っと!もう、油断も隙もない」
「そのとおり」
ユリアスはニヤリとした。
皮肉っぽい、いつもの彼の笑みだ。
お前、手が早いぞという声がするなり、反対側から顎を取られて今度はシグルド様に唇を食まれる。
はむ、はむ、と甘噛みを数度。
「んん、んんん!!」
「俺も忘れてもらっては困る」
シグルド様は舌なめずりしながら言った。
全く二人とも、すぐに張り合うのには困ったものだ。
舌を突っ込むほどの激しい口づけではなかったから、幸いにして周りから囃し立てられるようなこともないけれど。
「もう、二人とも。……って、あ、ここよ」
二人とばったり出会って、そのまま少しルートを外れたのでさっきとは別の方向から公園に到着した。
少し遠回りになってしまったので、レオン様の座っているところは対角線上、かなり向こう側だ。
公園の周囲を取り囲むようにして、丈の低いもの高いもの、計算し尽くしたアンバランスさで沢山の花々、常緑樹の植え込みがしつらえてある。
あの感じのよい初老のご夫婦に譲って頂いたのは……
「あそこよ、あの、ちょっと丈の高い緑の植え込みと赤い花が見えるところ。あの前の長椅子にレオン、いや、レオが席取りしてくれてて」
「席取り?」
二人は揃って首を傾げた。
品のよろしいお二人はこういったことには縁がなかったのだろう。
「席取りよ!このあたりで買ったものを食べるための椅子。みんながそうしたがるから争奪戦なの」
「そういうものか」
シグルド様が頷く。
大真面目だ。それこそ、来年の参考にしようと考えて下さっているのかもしれない。
「そぞろ歩いて食べるのもいいものではあるが。……まあ、ゆっくりできるな、座ったほうが」
ユリアスも同意する。
そして。
「?……レオ、は、席取りなのだろう?」
不意に、怪訝そうな声で問う。
ええそうよと言いながら、ひとの合間からちらちらと見えるようになってきた、目標に向かって私も目を凝らした。
「……あれ?隣」
「女が座ってるな」
あいつ何考えてる、とシグルド様も目を細めて。
「あの女……」
つぶやいて、表情を硬くした。
同様に、ユリアスも。
レオン様の隣。
本来、私が座るはずのスペースに、女性が座っている。そのかたわらに、もうひとり誰かが立っている。
女性のおつきのひとみたいだ。
公爵様方の目の良さにはびっくりだけれど、私も同じく、もしかしたら彼らよりもさらに視力はいいはずだ。自他ともに認める、弓の名手だし。
その私の視力が、不愉快な光景を私に認識させた。
私の大切なレオン様にできればくっつこうとする女性。全身で媚を売っているかのように、両手を、その全身をくねらせる女性。服装は品のよいもので、いかにも良家の子女、と言った感じだ。
白金の髪。青い瞳。お人形みたいな。
──覚えが、ある。
貴族、名士の肖像画、その家族、特に女性の顔、名前。
公爵夫人となる身には不可欠だろうと、四人全員と関係を持ってからというもの、徹底的に勉強し、頭に叩き込んだ。
あれは。あの女性は。
「あの女。軟禁状態のはずだったが。……って、おい、リ、いや、姫!」
「ルード、ユリアス。私、行ってくる」
「行って、ってちょっと、待っ……」
二人の腕を振りほどき、私は走り出した。
いったん公園の外に出て、外周を通って二人のいるベンチの後ろの植え込みへと向かう。
そこなら二人の話を聞ける。
私の知らない、レオン様の話を。
こどもの背丈くらいはある常緑木と綺麗な花々をかきわけ、しゃがんで進んで、ベンチの真裏へ回り込む。
からだ中に葉っぱや花びらがついたけれど、かまうものか。
ほどなくして、無言のまま二人が追いついた。
黙って目混ぜして、ベンチの会話に意識を集中させる。
近づきすぎたのとベンチの背もたれのせいで姿は見えなくなったけれど、祭りの喧騒があるとはいえ会話は聞き取れる。
──ほとんど、女性が一方的に喋っていた。
会話にはなっていない。
(会話とは呼べんな)
シグルド様はたいへん正直な感想を小声で述べた。
ユリアスも私もうんうんと頷く。
「レオン様のお隣にわたくしが」
「レオン様はわたくしを見て微笑んで下さって」
「レオン様が選んで下さった」
「レオン様が」
妄想狂かもしれない、と思ったくらいだ。
ひたすら一方的に、思い出話と自分の見解をうっとりと述べていた。
レオン様の沈黙が痛い。きっと普通の人なら震えが止まらないほどの不機嫌な顔をしているのだろう。
けれど。
私の心もなんとなく痛む。しくしくする。
こんな女、と思う。
アサド議長の娘。レオン様に執着するあまり、確か問題を起こして罪に問われたはずだ。
そんな女なんて歯牙にもかけなければいいのに。
私はこんなにも愛されて、大切にされて。なんの憂いもないはずなのに。幸せで苦しいくらいの愛情を夫たちから注がれているというのに。
なのに、心が波立つ。
この女は、私の知らないレオン様を知っている。
そして、言っていることは妄想っぽいけれど、それでもたぶん妄想のきっかけになるような出来事はあったのだろう。事実があって、その肉付けが妄想に彩られているだけで。
それに何より。
私のレオン様の名前を軽々しく連呼しているのも腹立たしい。
(リヴェア、だいじょうぶか)
ユリアスが心配そうに囁いて、私の頬を撫でてくれる。
ショックを受けることなど何もない。
ただ、腹立たしく、もどかしいだけ。
レオン様、って呼ぶのを止めさせたい。飛び出していこうか。どうしよう。でもきっかけがつかめない。何も考えずに植え込みに飛び込んでしまったけれど、酷い恰好だ。
ぐるぐると思い悩んでいる間に。
「──リヴェアを侮辱するか」
押し殺したような、けれどこうして顔が見えないままでも、身震いするほど危険な迫力に満ちた、レオン様の声がした。
「許さん。リヴェアを侮辱するなど、たとえあいつが許しても俺が許さん。何ならこの場で切り捨ててやる。俺にはそれくらいの権力はあるからな」
「レオン様、わたくしは……」
「気安く俺の名を呼ぶな、愚か者が」
レオン様!
嬉しい。私もおんなじだ。
そうなの。そのとおり、私のレオン様の名を気安く呼ぶなんて。
……私も許さない!
「待って、そこまで!!」
(おい、ちょっと)
(姫!)
シグルド様とユリアスが小声で押しとどめようとするのはすっぱりと無視して、私は植え込みから転がり出ると、二人の前に仁王立ちになった。
現状と認識が一致しない。
右を見上げると、私の荷物を持っていたずらっぽく片目をつぶるシグルド様。
左に目をやれば、私の腰にそっと手を回してこちらの様子をうかがうユリアス。
レオン様はくじに勝ったから街歩きに出ているのではないか?
なぜ、この二人までいる?
「──くじの勝者はレオンだ」
顔中に疑問符を貼り付けていただろう、私の頭の中を正確に読み取ってシグルド様は言った。
「だから、あなたと二人で出かけてるんだ」
「はあ」
「‘二人で出かける’権利のくじ引きだった」
ユリアスが後を引き取った。
「だから二人で行かせた。でも俺たちが留守番をしなきゃならん法はない」
「いや、あるでしょ」
そこ、激しくツッコミたい。
思わず足を止めてしまった。
シグルド様もユリアスも、それは穏やかな顔で私を見下ろしているけれど、私の方が心配になる。
グラディウス三公爵。
それぞれが上手く業務を分担して統治をしている。外交、軍事、内政。三人のうち誰かは城にいる。グラディウス城を三公爵全員が不在にするなど前代未聞のはずだ。
本来は筆頭公爵がいるのが不文律だったわけだけれど、以前、出征した私の帰還を出迎えるためにレオン様が出城して以来、解釈は緩くなったと聞いた。
歴史好きの私は暇さえあればグラディウス一族のことが書かれた歴史書を読み漁っているけれど、三人とも城を空けた記述は今のところ発見していない。
まずいのでは、と言いかけたところで、ちょっと強めに腰を引かれた。
「ユリア、じゃなくて、ユーリ?」
「奥方様。ここで立ち止まるのはまずい、行こう」
彼は囁くように言ってまた歩き出した。
私たちは長身なので、人混みの中で立ち止まるのはよろしくない。
人の流れをせき止めてしまって、たびたびぶつかられ、謝られたり睨まれたりしている。
けれど、「邪魔だ、どけよ」とか「こんなところで立ち止まらないで」と盛大に文句を言った人たちも、その一瞬あとには何とも言えない表情になるのだ。
濃紺、濃緑。
どんなに地味にあつらえた外衣でも、長身で姿勢のよい二人が着ればそこだけ違う空気を纏ったかのようだ。
帽子をいくら深く被っていても、顔全部を覆っているわけではないから、よくみれば驚くほど美麗な顔立ちだと知れてしまう。
実際、今も。
すれ違いざまに肘がぶつかった女性が、「ちょっと、あなた方邪魔……って、うわ!綺麗な人」
と歓声を上げ、仲良しらしい連れの女性に、「ねえねえこの人たちすっごくきれい!!」などと袖を引いているものだから、私もあわてて少し歩くスピードを上げた。
「……ねえユーリ、ルード」
混雑の中、左右の夫たちが上手に前を空けてくれるからそんなに歩きづらくはない。
はぐれないように三人でぴったりと体を寄せ合って進むのだけれど、しっかりと指を絡めて繋いだシグルド様の大きな手、長い指。私の腰に回されたままのユリアスの手の重み、その温かさ。
幸せだなあと唐突に実感しつつ、私はちょっと伸びあがるようにして彼らの耳元に口を寄せながら言った。
なんだ?と言いながらそれぞれがちょぴりこちらに首を傾げるようにしてくれるのが、また何とも言えずくすぐったい気持ちになる。
「お城、空っぽ。まずくない?」
「城を出てアルバの街にいるだけだ。問題ない」
「何かあれば三人とも街にいるのだから、ココが司令部となるだけだ」
「なるほど」
ご都合主義というか柔軟な発想というか。
二人の公爵様方は即答した。
確かに言われてみればそうだ。
でも。
「あのね、もう一人は?」
私の大切な四人目の夫、オルギール。
‘万能のひと’と名高い彼の名前をあえて口にはせずに、聞いてみた。
「もちろん、留守番など面白くないと言ってはいたが」
シグルド様がくすりと小さく笑った。
ひきしまった口元が少し緩んで、うっすらと笑いじわができるのが男らしくて美しくて。
きゅん!とする。うっとりする。
別に珍しいわけではない。見慣れた夫の笑顔なのだけれど、それでもこんなにどきどきするのだから、通りがかりでもなんでも、初めて目にしたひとたちが「うっわ!キレイ!」と騒ぐのは当然なのかもしれない。
知らず、顔が赤くなったのがすぐにバレたのだろう。
シグルド様は美麗な笑みに流し目のダブルパンチで私にゆさぶりをかけた。
つないだ手を口元に持って行って、唇を押しあてる。
「──彼は、近いうちに自分が一人であなたを街へ連れ出すと言い張っていた。‘これは貸しですよ’と覚えているだけで三回か四回言っていたな」
「うぷぷ」
シグルド様にさりげなく手を舐められながら、私は吹き出した。
彼の仏頂面が目に浮かぶようだ。
そして同時に、「オルギールと二人きりでデート!」というのも楽しそうだと、想像だけでわくわくする。
それにしても。
レオン様が当たりくじをひいたのに。
このひとたちはその結果に敬意を払わないというか。
それを口にすると、今度はユリアスが、
「街に出たかったんだ、俺も。いや、俺たちも」
ちょっと真面目な声でしみじみと言う。
腰に回された手の力が少し強くなった。
「ユリ、……ユーリ?」
「俺はリヴェアに酷いことをした」
黒褐色の濃くて長い睫毛を軽く伏せて。けれど潔く、と言うべきか、はっきりとした口調でユリアスは言った。
「黙って出て行ったのはそちらが悪い。だが、リヴェアは生き生きしてそれは楽しそうで。……よほど、行きたかったのだろうと思ったんだ。なのに、あのロシュとかいう男の存在と、俺たちの心配をよそに楽しそうな姿を見て、俺は頭に血が上って、馬車の中で、あんな」
「ユーリ、もういいから」
私はあわててストップをかけた。
口調は真面目そのもの。初めは伏し目がちだったのに、今はしっかりと、その綺麗な緑色の瞳を私に向けたユリアスは、私に謝罪をするつもりなのだろうけれど、とにかく話の流れが恥ずかしい感じだ。
馬車の中で、失神するまで激しく抱かれたのだった。
声が漏れないように剥ぎとられた下着を噛まされて。
前から、後ろから、何度も何度も……
恥ずかしかったし、あまりの激しさに確かに痛みすらあった。
でも、さんざん夫たちに色々なことを仕込まれた私は、間違いなく快感も拾っていた。
お仕置きだから、と我慢するべきだと思っていたし。
ユリアスが謝る必要はない。
なのに、このひとは──
「ユーリ。謝らないで」
私はからだごとユリアスにすり寄せながら言った。
「私が悪かったの。アレは、少しからだがきつかっただけで、でも。……あんなことであなたを嫌いになったりしないから」
「リヴェア、なんでわかる?」
ユリアスは驚いたように目を瞬かせた。
「嫌われたかもしれない思ったんだ。あんなひどいことをして」
「いいの!もう!」
私はユリアスのすべすべの頬にちゅっとした。
とたんにユリアスの口元が柔らかくほころんだ。「ありがとうリヴェア。好きだ」とストレートな言葉とともに、私の頬に口づけを返してくれる。
横からシグルド様が「俺にも口づけを、姫」とかがんで顔を寄せてねだるのがほほえましい。
紅い、長い後れ毛を払いながら、乞われるままにシグルド様へもちゅ、とした。
楽しいお祭りの夜。
反省会なんか必要ない。
「……で?二人とも街に出たくなったのね?」
私は話を元に戻した。公園はもうすぐだ。
しかし、さっきの話。くじで当たったのはレオン様なのに、このひとたちずっとついてくるつもりだろうか。
「お祭りに出てくるの、初めてなの?」
「まさか」
「そんなことはない」
二人は揃って頭を振る。
「……じゃあ、女性と来てたのね?」
微妙に自分の声が低くなる。
欲張りな私は、今こんなに大切にされていても、夫たちの過去に女性の影を感じるともやっとする。
「ヤキモチなら嬉しいが。……公爵家を継ぐ前、子供の頃に、な」
シグルド様は、つないでいるのと反対側の手を伸ばして、頭を撫でてくれた。
「俺もだ。子供の頃には毎年行ったものだが。俺たちは公爵となったら祭りの夜は接待ばっかりだ。だから」
「くじは外したが街に出て予習しておこうと思ったのさ」
「予習?」
変わったことを言うものだ、と思わず聞き返すと。
「これから、毎年。交代で俺たちが祭りにあなたを連れ出そうと思って」
「俺たちが連れ出す約束をしておけば、黙って出て行ったりしないだろうし」
ユリアスは頷きつつ言う。
嫌味などではなく、本気でそう思っているようだ。
「だからリヴェア。今年はレオンに譲ったが、来年からは順番に俺たちと祭りに行かないか?ちゃんとそれまでに、どこの何が評判で、どうしたらあなたを楽しませられるか覚えておくから……」
「来年からはリヴェアにも接待に付き合ってもらうことになりそうだが、それでも必ず、一日は祭りに連れて行くようにする。約束する」
はにかんだように笑みを浮かべ、またもつないだままの私の手に口づけの雨を降らせるシグルド様。
反省会はもう終わったのに。神妙な面持ちで頷き、くすぐったくなるほどまっすぐに私を見つめるユリアス。
──胸が、心臓が。
歓喜と、幸福という名の見えない手で鷲掴みにされたよう。
苦しい。息ができないくらいに幸せ。嬉しい。まともな言葉も出ない。
涙が出そうだ。いや、ちょっと出てきた。目の奥がツンとする。視界がぼやける。
多忙で、責任重大。──当然だ。広大なグラディウスの版図を治める人たち。その頂点に立つ夫たち。
月照祭、といったら民衆は休日なのに、夫たちは休み返上だ。各国各地から賓客が押し寄せるから、普段よりも忙しいくらい。だから、彼らの目を盗んで、私が暴挙に出る隙があったのだ。
私だって、彼らの妻。グラディウス公爵夫人。姫将軍。情報室長。その自覚と責任を持たなくてはならないのに、この人たちは、なんて。
……なんて、私に甘いのだろう。甘々なのだろう。なんて、なんて……
「リヴェア?」
「どうした?」
とたんに心配そうに左右から私の顔を覗きこむ二人に。
私は言葉もなくしがみついた。
といっても、左右それぞれの、腕に巻き付く感じだけれど。
「ありがとう。……ありがとう、だいしゅき……」
舌足らずになったのは許してほしい。
えぐえぐ泣きそうになるのをこらえているのだから。人、人、人、というすごい混雑の中とはいえ、それでも本気で涙腺決壊したら目立ちすぎる。
レオン様が「俺たちなりに反省したんだ」と言ってくれていたけれど、来年以降のことまで考えていてくれたなんて。
「ルード、ユーリ。……だいすきぃ……」
「俺もだ」
「俺も。……ああ、言葉というのはもどかしいな」
「ふ、ん!?」
ユリアスは素早く私の唇に自分のそれを重ねた。
柔らかい、しっとりとしたユリアスの唇。
あまりの早業に、私は目を白黒させる。
「……ちょ、っと!もう、油断も隙もない」
「そのとおり」
ユリアスはニヤリとした。
皮肉っぽい、いつもの彼の笑みだ。
お前、手が早いぞという声がするなり、反対側から顎を取られて今度はシグルド様に唇を食まれる。
はむ、はむ、と甘噛みを数度。
「んん、んんん!!」
「俺も忘れてもらっては困る」
シグルド様は舌なめずりしながら言った。
全く二人とも、すぐに張り合うのには困ったものだ。
舌を突っ込むほどの激しい口づけではなかったから、幸いにして周りから囃し立てられるようなこともないけれど。
「もう、二人とも。……って、あ、ここよ」
二人とばったり出会って、そのまま少しルートを外れたのでさっきとは別の方向から公園に到着した。
少し遠回りになってしまったので、レオン様の座っているところは対角線上、かなり向こう側だ。
公園の周囲を取り囲むようにして、丈の低いもの高いもの、計算し尽くしたアンバランスさで沢山の花々、常緑樹の植え込みがしつらえてある。
あの感じのよい初老のご夫婦に譲って頂いたのは……
「あそこよ、あの、ちょっと丈の高い緑の植え込みと赤い花が見えるところ。あの前の長椅子にレオン、いや、レオが席取りしてくれてて」
「席取り?」
二人は揃って首を傾げた。
品のよろしいお二人はこういったことには縁がなかったのだろう。
「席取りよ!このあたりで買ったものを食べるための椅子。みんながそうしたがるから争奪戦なの」
「そういうものか」
シグルド様が頷く。
大真面目だ。それこそ、来年の参考にしようと考えて下さっているのかもしれない。
「そぞろ歩いて食べるのもいいものではあるが。……まあ、ゆっくりできるな、座ったほうが」
ユリアスも同意する。
そして。
「?……レオ、は、席取りなのだろう?」
不意に、怪訝そうな声で問う。
ええそうよと言いながら、ひとの合間からちらちらと見えるようになってきた、目標に向かって私も目を凝らした。
「……あれ?隣」
「女が座ってるな」
あいつ何考えてる、とシグルド様も目を細めて。
「あの女……」
つぶやいて、表情を硬くした。
同様に、ユリアスも。
レオン様の隣。
本来、私が座るはずのスペースに、女性が座っている。そのかたわらに、もうひとり誰かが立っている。
女性のおつきのひとみたいだ。
公爵様方の目の良さにはびっくりだけれど、私も同じく、もしかしたら彼らよりもさらに視力はいいはずだ。自他ともに認める、弓の名手だし。
その私の視力が、不愉快な光景を私に認識させた。
私の大切なレオン様にできればくっつこうとする女性。全身で媚を売っているかのように、両手を、その全身をくねらせる女性。服装は品のよいもので、いかにも良家の子女、と言った感じだ。
白金の髪。青い瞳。お人形みたいな。
──覚えが、ある。
貴族、名士の肖像画、その家族、特に女性の顔、名前。
公爵夫人となる身には不可欠だろうと、四人全員と関係を持ってからというもの、徹底的に勉強し、頭に叩き込んだ。
あれは。あの女性は。
「あの女。軟禁状態のはずだったが。……って、おい、リ、いや、姫!」
「ルード、ユリアス。私、行ってくる」
「行って、ってちょっと、待っ……」
二人の腕を振りほどき、私は走り出した。
いったん公園の外に出て、外周を通って二人のいるベンチの後ろの植え込みへと向かう。
そこなら二人の話を聞ける。
私の知らない、レオン様の話を。
こどもの背丈くらいはある常緑木と綺麗な花々をかきわけ、しゃがんで進んで、ベンチの真裏へ回り込む。
からだ中に葉っぱや花びらがついたけれど、かまうものか。
ほどなくして、無言のまま二人が追いついた。
黙って目混ぜして、ベンチの会話に意識を集中させる。
近づきすぎたのとベンチの背もたれのせいで姿は見えなくなったけれど、祭りの喧騒があるとはいえ会話は聞き取れる。
──ほとんど、女性が一方的に喋っていた。
会話にはなっていない。
(会話とは呼べんな)
シグルド様はたいへん正直な感想を小声で述べた。
ユリアスも私もうんうんと頷く。
「レオン様のお隣にわたくしが」
「レオン様はわたくしを見て微笑んで下さって」
「レオン様が選んで下さった」
「レオン様が」
妄想狂かもしれない、と思ったくらいだ。
ひたすら一方的に、思い出話と自分の見解をうっとりと述べていた。
レオン様の沈黙が痛い。きっと普通の人なら震えが止まらないほどの不機嫌な顔をしているのだろう。
けれど。
私の心もなんとなく痛む。しくしくする。
こんな女、と思う。
アサド議長の娘。レオン様に執着するあまり、確か問題を起こして罪に問われたはずだ。
そんな女なんて歯牙にもかけなければいいのに。
私はこんなにも愛されて、大切にされて。なんの憂いもないはずなのに。幸せで苦しいくらいの愛情を夫たちから注がれているというのに。
なのに、心が波立つ。
この女は、私の知らないレオン様を知っている。
そして、言っていることは妄想っぽいけれど、それでもたぶん妄想のきっかけになるような出来事はあったのだろう。事実があって、その肉付けが妄想に彩られているだけで。
それに何より。
私のレオン様の名前を軽々しく連呼しているのも腹立たしい。
(リヴェア、だいじょうぶか)
ユリアスが心配そうに囁いて、私の頬を撫でてくれる。
ショックを受けることなど何もない。
ただ、腹立たしく、もどかしいだけ。
レオン様、って呼ぶのを止めさせたい。飛び出していこうか。どうしよう。でもきっかけがつかめない。何も考えずに植え込みに飛び込んでしまったけれど、酷い恰好だ。
ぐるぐると思い悩んでいる間に。
「──リヴェアを侮辱するか」
押し殺したような、けれどこうして顔が見えないままでも、身震いするほど危険な迫力に満ちた、レオン様の声がした。
「許さん。リヴェアを侮辱するなど、たとえあいつが許しても俺が許さん。何ならこの場で切り捨ててやる。俺にはそれくらいの権力はあるからな」
「レオン様、わたくしは……」
「気安く俺の名を呼ぶな、愚か者が」
レオン様!
嬉しい。私もおんなじだ。
そうなの。そのとおり、私のレオン様の名を気安く呼ぶなんて。
……私も許さない!
「待って、そこまで!!」
(おい、ちょっと)
(姫!)
シグルド様とユリアスが小声で押しとどめようとするのはすっぱりと無視して、私は植え込みから転がり出ると、二人の前に仁王立ちになった。
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