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楽園を輪読する流浪の黎明は牢獄に囚われた
しおりを挟む我らが生きた空はもう何処にもない
よく似た世界が幾重にも寄り添い
魂の花を延々と咲かす
円の歌を厳かに少女は歌った
蒼の旅人は終わりなき旅路を往く
辿り着いてはその肩書きを失うから
始まりの人は世の柱
向こう側の人間が縋る柱
【楽園を描いた者の末路】
忘却を喪失させる記憶
鳴り響くのは贖いの叫び
朽ちた腕には折られた絵筆
世界は何処にでも創られる
描き手の花を咲かせながら
【輪読の騎士団】
異国の経典を抱いて眠る
逃亡兵の棺は帰国した
生きた道を標した一書と照らす
放浪の民は夢幻を彷徨い
時機に我らと敵対す
【流浪の翼を失った後】
彼の旅路に終わりがないのならば
幾度となく裂け目を目指し
飛び降りて尚も蘇り
流れに従い罪重ね
贖罪の旅を積み重ね
【黎明を知らぬ里】
黎明を望む勇士の里に
独り吟ずる詩人が寄りて
真の果実を口にする
切り分けるための短刀を
胸に沈めて歩を止めた
【牢獄の鏡】
凍土に縋る鉄鎖の闇は
囚人を逃がす蠍を捕らえ
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透明な檻は万華鏡
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