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▼▼重症患者が通ります。
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ミッチェルが大精霊であることは、アリシアとアレクシス以外エイベル・ディオンの母親であるリオしか知らない。
アリシアとミッチェルの間に契約が成立した時にリオの元へミッチェルが説明に行き、話は済ませているらしいが、婚約者のエイベル・ディオンの様子からして何かあるような気がしてならない。
兎にも角にも、アリシアは姫のご学友として一緒に登校する時間があるため、その時間より前にミカと1度登校し、その後姫と2度目の登校をすることにした。
ミカは終始恐縮しきっていたが、姫のことはこちらの都合であるし、ミカと一緒にいると言ったのはアリシアであるのだから問題ないと言い切った。
「ところで、ミカさんは何で一芸入試されたの?」
「服飾です。この国では、服飾を学ぶには学園に入るしかないから…」
学園では選択授業が盛んに行われていて、同じクラスでも全く違う授業を受けることが出来る。
この国ではファッションというものがまだまだ上流階級の物で、庶民が手を出す、というか庶民が作り出す文化はまだ生まれていなかった。
「まぁ!じゃあ今度のお休みに一緒にアクセサリーを見に行きません?私光り物が大好きなんですけれど、似合っているか自信がなくて…」
「めちゃくちゃ似合ってます!自信をお持ちください!」
「アリシアちゃんに似合わなきゃ全人類似合わないよ!自信もって!あと勝手に休みに予定を入れないで!」
聖徳太子ですら架空の存在なのに、2人の重なった声は届かなくて、笑って誤魔化した。悪役令嬢の謙遜良くないですね。
さて、ではそろそろと声をかけて学校に向けて出発した。
道中、ミカはキラキラと瞳を輝かせて手入れの行き届いたアリシアの美を褒めたたえたので、帰ったら侍女を褒めてあげなければね。と微笑んだ。歪んでなければ幸いです。
校門に差し掛かったところで思わぬ人物と行きあってしまった。エイベル・ディオンだ。まさか、婚約者に挨拶をしない訳にもいかないが、ミカの件でモヤモヤしていた事が更にモヤる。何故こんなにも早い時間に登校しているのだろうか。
だが、彼はこちらに気づいた瞬間、顔をサッと青くして走り去ってしまった。挨拶をする間もなかったのだから、こちらの無礼にはならないだろう。
「ミカさん、いじめられたとき、彼を見ましたか?」
「いいえ、あの様に美しい人であれば覚えていると思いますが、そんな人はいませんでした。」
「そうですか。」
なぜかホッと息をつく。
エイベルは、いじめを見過ごした訳ではなく、昨日もこの時間に登校していたため時間が被らなかったのだろう。
挨拶をしてもらえないのは多少残念だが、彼がアリシアが眠っている間に性根を違えてしまっていた訳ではなさそうで良かったと素直に思う。
教室に着くと、エイベルはいなかった。アリシアの席に着いてミカとお喋りでもしておくようにアレクシスにいいそえて、姫をお迎えしに学校を出る。
待ち合わせ場所にはまだ誰も来ていなかった。
数分待つと、姫とその取り巻き、ご学友が3人と、護衛が見えるところにひとり現れたので挨拶をしてその輪に加わる。
「アリシア、何かいいことがあったのか?」
花の匂いがする、花に愛され加護を持った姫は、同じように精霊からの加護を賜ったアリシアに興味津々なようで、よく話しかけてくださる。
「私、初めて女の子の友達ができるかもしれませんの!」
「それは良かったなぁ。アリシア!」
「姫にもいつか紹介させてくださいましね?」
「楽しみにしているよ。」
そういえば、と会話は次のことへ流れていく。気付けばクラスに辿り着いており、アレクシスに一旦外に出るよう言おうとしたが、既にスカイによってピックアップ済みだった。
「お昼に、庭園で待つ。との事です。」
果たし状かな?という伝言を受けて、アレクシスの機嫌を図る。はてさて、彼のめがねに今日の「なにか」は叶うといいのだけれど。
アリシアとミッチェルの間に契約が成立した時にリオの元へミッチェルが説明に行き、話は済ませているらしいが、婚約者のエイベル・ディオンの様子からして何かあるような気がしてならない。
兎にも角にも、アリシアは姫のご学友として一緒に登校する時間があるため、その時間より前にミカと1度登校し、その後姫と2度目の登校をすることにした。
ミカは終始恐縮しきっていたが、姫のことはこちらの都合であるし、ミカと一緒にいると言ったのはアリシアであるのだから問題ないと言い切った。
「ところで、ミカさんは何で一芸入試されたの?」
「服飾です。この国では、服飾を学ぶには学園に入るしかないから…」
学園では選択授業が盛んに行われていて、同じクラスでも全く違う授業を受けることが出来る。
この国ではファッションというものがまだまだ上流階級の物で、庶民が手を出す、というか庶民が作り出す文化はまだ生まれていなかった。
「まぁ!じゃあ今度のお休みに一緒にアクセサリーを見に行きません?私光り物が大好きなんですけれど、似合っているか自信がなくて…」
「めちゃくちゃ似合ってます!自信をお持ちください!」
「アリシアちゃんに似合わなきゃ全人類似合わないよ!自信もって!あと勝手に休みに予定を入れないで!」
聖徳太子ですら架空の存在なのに、2人の重なった声は届かなくて、笑って誤魔化した。悪役令嬢の謙遜良くないですね。
さて、ではそろそろと声をかけて学校に向けて出発した。
道中、ミカはキラキラと瞳を輝かせて手入れの行き届いたアリシアの美を褒めたたえたので、帰ったら侍女を褒めてあげなければね。と微笑んだ。歪んでなければ幸いです。
校門に差し掛かったところで思わぬ人物と行きあってしまった。エイベル・ディオンだ。まさか、婚約者に挨拶をしない訳にもいかないが、ミカの件でモヤモヤしていた事が更にモヤる。何故こんなにも早い時間に登校しているのだろうか。
だが、彼はこちらに気づいた瞬間、顔をサッと青くして走り去ってしまった。挨拶をする間もなかったのだから、こちらの無礼にはならないだろう。
「ミカさん、いじめられたとき、彼を見ましたか?」
「いいえ、あの様に美しい人であれば覚えていると思いますが、そんな人はいませんでした。」
「そうですか。」
なぜかホッと息をつく。
エイベルは、いじめを見過ごした訳ではなく、昨日もこの時間に登校していたため時間が被らなかったのだろう。
挨拶をしてもらえないのは多少残念だが、彼がアリシアが眠っている間に性根を違えてしまっていた訳ではなさそうで良かったと素直に思う。
教室に着くと、エイベルはいなかった。アリシアの席に着いてミカとお喋りでもしておくようにアレクシスにいいそえて、姫をお迎えしに学校を出る。
待ち合わせ場所にはまだ誰も来ていなかった。
数分待つと、姫とその取り巻き、ご学友が3人と、護衛が見えるところにひとり現れたので挨拶をしてその輪に加わる。
「アリシア、何かいいことがあったのか?」
花の匂いがする、花に愛され加護を持った姫は、同じように精霊からの加護を賜ったアリシアに興味津々なようで、よく話しかけてくださる。
「私、初めて女の子の友達ができるかもしれませんの!」
「それは良かったなぁ。アリシア!」
「姫にもいつか紹介させてくださいましね?」
「楽しみにしているよ。」
そういえば、と会話は次のことへ流れていく。気付けばクラスに辿り着いており、アレクシスに一旦外に出るよう言おうとしたが、既にスカイによってピックアップ済みだった。
「お昼に、庭園で待つ。との事です。」
果たし状かな?という伝言を受けて、アレクシスの機嫌を図る。はてさて、彼のめがねに今日の「なにか」は叶うといいのだけれど。
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