41 / 51
◆2nd day
第40話「7対40の大空戦」
しおりを挟む
”クーリルの戦いは、少数による島嶼防衛の成功例として教本に載るべき事例である。
このような作戦計画を、一介の中尉が即席で考えた事実には驚嘆を禁じ得ない”
ゾンム帝国クロア方面軍司令官 ジョージ・パットン中将著『箱舟戦争回顧録』より
Starring:南部隼人
最初に生贄となったのは、上空を警戒していた〔コルセア〕だった。
菅野直の〔紫電改〕が放った20mm砲弾に防弾ガラスを貫通され、キャノピーを真っ赤に染めて墜落してゆく。
もし中空域に戦闘機を待機させていれば、こうは上手くはいかなかっただろう。期待通り通り敵は、7機の戦闘機を認識していない。
意固地になったアンドレイ・ナイフ司令が、ジョセフ・ミラン参謀長による偵察の具申を却下し続けたことも原因。だが攻撃に夢中になって接近してくる戦闘機を見落としたのは、初陣故の油断であった。
戦場の上空を飛び回る敵はざっと40機といったところ。
うち10機は爆撃機なので、空戦では新鋭機の脅威ではない。こちらは戦闘機を引き付けておけばいい。
1人で4機落とせばいいのだ。
「各機、〔コルセア〕との空戦はあとで好きなだけさせてやる。まずは編隊を引っ掻き回して敵を拘束しろ!」
南部隼人は念押しで指示を出すが、6人の勇士たちは百も承知だった。戦闘は入り乱れての乱戦となる。
そしてそれは、重量級の〔コルセア〕にとって、最も相性が悪い戦場だった。
重量級の戦闘機は、概ね加速性能に劣る。
直線機動で最大スピードまで加速されれば、〔疾風〕や〔紫電改〕であろうと〔コルセア〕に追いつく事は叶わなかっただろう。だが身軽な敵との乱戦は、ガタイの大きな〔コルセア〕にとって遠慮したい局面であった。
〔コルセア〕は「ダイブアンドズーム」と言う得意の戦法を持っているのだが、それは自機が敵より上空に居ないと使用できない。この戦闘は低空域。彼らにとってもっとも有効な戦術が封じられた状態でゴングは鳴った。
そしてこちらには、魔導式の耐Gスーツと言う武器がある。
的確に機動する限り、そうそう遅れをとるものではない。ただし、物量差を何とか出来たならば。
最初に後ろに付かれたのは、経験で劣るミズキの〔疾風〕だった。
『ミズキ! シザーズだ!』
『了解』
隼人の声を受けて、ミズキの〔疾風〕がジグザグ機動を行う。
〔コルセア〕はある程度の小回りこそ利くものの、あまり低高度ではエンジン性能が低下する。セオリーならばいったん離脱して上昇、高度を稼ぐ。敵がそれを待っていてくれた場合だが。
後方から滑り込んできた僚機の沙織が、〔コルセア〕の尾翼を粉砕し撃墜する。
『恩に着ます!』
『当然です! 新手が来ますよ!』
沙織機が再加速を行うタイミングを突いて、後方から〔コルセア〕が突っ込んでくる。
彼女は動揺することなく、慎重に風の魔法を発動させた。
前方より範囲数メートルの空間に突風が吹き荒れ、沙織機のスピードが急速に低下する。
オーバーシュートした〔コルセア〕に向け再々加速。照準を合わせ射撃、撃墜する。
しかし敵戦闘機もさるもの、指揮を執っているのが隼人機だと気づき、次々と向かってくる。
もっとも、こちらはそれに応じるつもりはない。急上昇と急旋回を駆使して逃げ回り、1機でも多くの敵を引き付ける。
その間に、菅野とグレッグ、沙織とミズキのコンビが、次々と〔コルセア〕を星に変えていった。
『爆撃隊! 攻撃を!』
〔疾風〕及び〔紫電改〕に敵の意識が集中している間に、低空飛行で突っ込んできたリームの〔Fw-190〕が60キロ爆弾を次々投下した。
『ガミノ兵共! 永遠にグッドナイトよ!』
工作班が徹夜で作った手製の懸架装置だったが、見事に機能した。小型爆弾が戦場ににばらまかれてゆく。
浜辺に荷揚げされたばかりの重装備が次々に瓦礫と化す。
攻撃を終えた〔Fw-190〕は急上昇に入る。
機体の重いフォッケウルフだが、強力なエンジンパワーで上昇力は良好。追撃してきた〔コルセア〕が襲い掛かってくるが、最適な攻撃位置に着けなかった。
〔Fw-190〕を追いかける〔コルセア〕の背後にサミュエルの〔ゼロ戦43型〕が現れる。
欧州大戦仕込みの射撃は、現用型の光学照準器を通しても変わらず発揮された。〔コルセア〕のフラップがはじけ飛び、ガソリンの尾を引きながら海面に吸い込まれてゆく。
もう機がリームの尻尾に付くが、彼女が操る〔Fw-190〕は機体を横倒しにして螺旋状にくるくると回る。
「バレルロール」と言う機動だ。螺旋を描いて飛ぶ事で減速し、追撃機をオーバーシュートさせる。旋回性能に劣る〔Fw-190〕が格闘戦で勝ち抜くための技術であり、リームの得意技だ。
重火力を誇る〔Fw-190〕の一斉射撃に、さしもの〔コルセア〕も耐えられない。
懸案だったサミュエルのブランクも全く問題にならない様子。あとは、格闘戦の苦手な〔Fw-190〕と、初陣のミズキのフォローを考えていればいい。
『沙織、もう少し上昇しろ。大尉、右後方に敵機です』
敵の圧力が減ったところで、隼人は高度を上げて各機に指示を出す。
南部隼人の得意分野は編隊での組織戦だ。
最終的に勝つことが出来れば、撃墜数などは拘らない。それが彼のスタイルだ。
だが、今回ばかりは少々敵の数が多すぎた。
隼人機に殺到してきた〔コルセア〕に囲まれ、上後方と下後方から挟み撃ちを受けてしまう。
機体を横に滑らせ、フェイントを織り交ぜながら攻撃を回避する。
こんな時、隼人は大技に頼らない。
ただ、セオリー通りに対応する。それだけだ。
高速で飛ぶ飛行機の操縦は、ちょっとした誤操作で大きく機動を狂わせる。
そして極度の緊張と疲労に晒される戦闘時は、このミスが頻発するのだ。
逆に言えばこちらが正確な機動を続けていれば、敵は必ずボロを出す。
案の定、こちらを追撃していた1機の〔コルセア〕が、旋回の輪を大きく外れて飛び出した。
だが敢えて追わない。もう1機を片付けてからだ。
右方からこちらを狙っていた〔コルセア〕は、突然連携を断たれて攻撃続行か回避機動か、一瞬だけ決断が遅れた。
空戦では単調な機動は死に繋がる。たとえ一瞬であってもだ。
操縦桿を倒す。
耐Gスーツが両足を締め付け、頭に血が足りなくなり失神することを防ぐ。
隼人は体内の魔力器官を少しずつ開放し、身体強化の魔法を発動する。
10秒しか使えないが、空戦のGを防ぐ事が出来る。センスに劣る彼の数少ない武器だ。
〔コルセア〕の尾翼がどんどん近づいてくる。
トリガーを引いた。
曳光弾を吸い込んだ尾翼は弾け飛び、戦鳥は落伍する。
すぐさま機首を転じて、オーバーシュートした2機目に照準を合わせ、ガソリンタンクを吹き飛ばした。
たちまちのうちに、なんの大技も使わずに2機の最新鋭機を葬る。
これが資質を持たない南部隼人が会得しえた、”答え”であった。
そして乱戦は、7機の戦闘機による狩場となった。
このような作戦計画を、一介の中尉が即席で考えた事実には驚嘆を禁じ得ない”
ゾンム帝国クロア方面軍司令官 ジョージ・パットン中将著『箱舟戦争回顧録』より
Starring:南部隼人
最初に生贄となったのは、上空を警戒していた〔コルセア〕だった。
菅野直の〔紫電改〕が放った20mm砲弾に防弾ガラスを貫通され、キャノピーを真っ赤に染めて墜落してゆく。
もし中空域に戦闘機を待機させていれば、こうは上手くはいかなかっただろう。期待通り通り敵は、7機の戦闘機を認識していない。
意固地になったアンドレイ・ナイフ司令が、ジョセフ・ミラン参謀長による偵察の具申を却下し続けたことも原因。だが攻撃に夢中になって接近してくる戦闘機を見落としたのは、初陣故の油断であった。
戦場の上空を飛び回る敵はざっと40機といったところ。
うち10機は爆撃機なので、空戦では新鋭機の脅威ではない。こちらは戦闘機を引き付けておけばいい。
1人で4機落とせばいいのだ。
「各機、〔コルセア〕との空戦はあとで好きなだけさせてやる。まずは編隊を引っ掻き回して敵を拘束しろ!」
南部隼人は念押しで指示を出すが、6人の勇士たちは百も承知だった。戦闘は入り乱れての乱戦となる。
そしてそれは、重量級の〔コルセア〕にとって、最も相性が悪い戦場だった。
重量級の戦闘機は、概ね加速性能に劣る。
直線機動で最大スピードまで加速されれば、〔疾風〕や〔紫電改〕であろうと〔コルセア〕に追いつく事は叶わなかっただろう。だが身軽な敵との乱戦は、ガタイの大きな〔コルセア〕にとって遠慮したい局面であった。
〔コルセア〕は「ダイブアンドズーム」と言う得意の戦法を持っているのだが、それは自機が敵より上空に居ないと使用できない。この戦闘は低空域。彼らにとってもっとも有効な戦術が封じられた状態でゴングは鳴った。
そしてこちらには、魔導式の耐Gスーツと言う武器がある。
的確に機動する限り、そうそう遅れをとるものではない。ただし、物量差を何とか出来たならば。
最初に後ろに付かれたのは、経験で劣るミズキの〔疾風〕だった。
『ミズキ! シザーズだ!』
『了解』
隼人の声を受けて、ミズキの〔疾風〕がジグザグ機動を行う。
〔コルセア〕はある程度の小回りこそ利くものの、あまり低高度ではエンジン性能が低下する。セオリーならばいったん離脱して上昇、高度を稼ぐ。敵がそれを待っていてくれた場合だが。
後方から滑り込んできた僚機の沙織が、〔コルセア〕の尾翼を粉砕し撃墜する。
『恩に着ます!』
『当然です! 新手が来ますよ!』
沙織機が再加速を行うタイミングを突いて、後方から〔コルセア〕が突っ込んでくる。
彼女は動揺することなく、慎重に風の魔法を発動させた。
前方より範囲数メートルの空間に突風が吹き荒れ、沙織機のスピードが急速に低下する。
オーバーシュートした〔コルセア〕に向け再々加速。照準を合わせ射撃、撃墜する。
しかし敵戦闘機もさるもの、指揮を執っているのが隼人機だと気づき、次々と向かってくる。
もっとも、こちらはそれに応じるつもりはない。急上昇と急旋回を駆使して逃げ回り、1機でも多くの敵を引き付ける。
その間に、菅野とグレッグ、沙織とミズキのコンビが、次々と〔コルセア〕を星に変えていった。
『爆撃隊! 攻撃を!』
〔疾風〕及び〔紫電改〕に敵の意識が集中している間に、低空飛行で突っ込んできたリームの〔Fw-190〕が60キロ爆弾を次々投下した。
『ガミノ兵共! 永遠にグッドナイトよ!』
工作班が徹夜で作った手製の懸架装置だったが、見事に機能した。小型爆弾が戦場ににばらまかれてゆく。
浜辺に荷揚げされたばかりの重装備が次々に瓦礫と化す。
攻撃を終えた〔Fw-190〕は急上昇に入る。
機体の重いフォッケウルフだが、強力なエンジンパワーで上昇力は良好。追撃してきた〔コルセア〕が襲い掛かってくるが、最適な攻撃位置に着けなかった。
〔Fw-190〕を追いかける〔コルセア〕の背後にサミュエルの〔ゼロ戦43型〕が現れる。
欧州大戦仕込みの射撃は、現用型の光学照準器を通しても変わらず発揮された。〔コルセア〕のフラップがはじけ飛び、ガソリンの尾を引きながら海面に吸い込まれてゆく。
もう機がリームの尻尾に付くが、彼女が操る〔Fw-190〕は機体を横倒しにして螺旋状にくるくると回る。
「バレルロール」と言う機動だ。螺旋を描いて飛ぶ事で減速し、追撃機をオーバーシュートさせる。旋回性能に劣る〔Fw-190〕が格闘戦で勝ち抜くための技術であり、リームの得意技だ。
重火力を誇る〔Fw-190〕の一斉射撃に、さしもの〔コルセア〕も耐えられない。
懸案だったサミュエルのブランクも全く問題にならない様子。あとは、格闘戦の苦手な〔Fw-190〕と、初陣のミズキのフォローを考えていればいい。
『沙織、もう少し上昇しろ。大尉、右後方に敵機です』
敵の圧力が減ったところで、隼人は高度を上げて各機に指示を出す。
南部隼人の得意分野は編隊での組織戦だ。
最終的に勝つことが出来れば、撃墜数などは拘らない。それが彼のスタイルだ。
だが、今回ばかりは少々敵の数が多すぎた。
隼人機に殺到してきた〔コルセア〕に囲まれ、上後方と下後方から挟み撃ちを受けてしまう。
機体を横に滑らせ、フェイントを織り交ぜながら攻撃を回避する。
こんな時、隼人は大技に頼らない。
ただ、セオリー通りに対応する。それだけだ。
高速で飛ぶ飛行機の操縦は、ちょっとした誤操作で大きく機動を狂わせる。
そして極度の緊張と疲労に晒される戦闘時は、このミスが頻発するのだ。
逆に言えばこちらが正確な機動を続けていれば、敵は必ずボロを出す。
案の定、こちらを追撃していた1機の〔コルセア〕が、旋回の輪を大きく外れて飛び出した。
だが敢えて追わない。もう1機を片付けてからだ。
右方からこちらを狙っていた〔コルセア〕は、突然連携を断たれて攻撃続行か回避機動か、一瞬だけ決断が遅れた。
空戦では単調な機動は死に繋がる。たとえ一瞬であってもだ。
操縦桿を倒す。
耐Gスーツが両足を締め付け、頭に血が足りなくなり失神することを防ぐ。
隼人は体内の魔力器官を少しずつ開放し、身体強化の魔法を発動する。
10秒しか使えないが、空戦のGを防ぐ事が出来る。センスに劣る彼の数少ない武器だ。
〔コルセア〕の尾翼がどんどん近づいてくる。
トリガーを引いた。
曳光弾を吸い込んだ尾翼は弾け飛び、戦鳥は落伍する。
すぐさま機首を転じて、オーバーシュートした2機目に照準を合わせ、ガソリンタンクを吹き飛ばした。
たちまちのうちに、なんの大技も使わずに2機の最新鋭機を葬る。
これが資質を持たない南部隼人が会得しえた、”答え”であった。
そして乱戦は、7機の戦闘機による狩場となった。
0
本作の設定などはwebサイトで公開しております。ライズ世界の歴史やテクノロジーについても触れているので、興味を持っていただけたら、是非遊びに来てください(`・ω・´)b王立銃士隊https://jyushitai.com/
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
転生少女は大戦の空を飛ぶ
モラーヌソルニエ
ファンタジー
薄っぺらいニワカ戦闘機オタク(歴史的知識なし)が大戦の狭間に転生すると何が起きるでしょう。これは現代日本から第二次世界大戦前の北欧に転生した少女の空戦史である。カクヨムでも掲載しています。
蒼穹(そら)に紅~天翔る無敵皇女の冒険~ 五の巻
初音幾生
歴史・時代
日本がイギリスの位置にある、そんな架空戦記的な小説です。
1941年5月、欧州大陸は風前の灯火だった。
遣欧軍はブレストに追い詰められ、もはや撤退するしかない。
そんな中でも綺羅様は派手なことをかましたかった。
「小説家になろう!」と同時公開。
第五巻全14話
(前説入れて15話)
蒼穹(そら)に紅~天翔る無敵皇女の冒険~ 四の巻
初音幾生
歴史・時代
日本がイギリスの位置にある、そんな架空戦記的な小説です。
1940年10月、帝都空襲の報復に、連合艦隊はアイスランド攻略を目指す。
霧深き北海で戦艦や空母が激突する!
「寒いのは苦手だよ」
「小説家になろう」と同時公開。
第四巻全23話
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。
旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます
竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論
東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで…
※超注意書き※
1.政治的な主張をする目的は一切ありません
2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります
3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です
4.そこら中に無茶苦茶が含まれています
5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません
6.カクヨムとマルチ投稿
以上をご理解の上でお読みください

転生一九三六〜戦いたくない八人の若者たち〜
紫 和春
SF
二〇二〇年の現代から、一九三六年の世界に転生した八人の若者たち。彼らはスマートフォンでつながっている。
第二次世界大戦直前の緊張感が高まった世界で、彼ら彼女らはどのように歴史を改変していくのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる