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第二章 異世界交流と地球人たちと邪神討伐

#25 邪神?と鍛冶と王子様

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突然だが俺は一度寝ると滅多に起きない。
そして寝るときはパンツ1枚だ。
可愛いパジャマとか想像もつかないし、ネグリジェとか着たら死ねる!
なので呪いの発動しないパンツのみだ。
地球にいた頃もそうだった。
パンツ1枚で寝てたし、寝相が悪くて二段ベッドの上から落ちても朝まで起きないぐらいだ( ̄^ ̄)
なので寝てる間に多少の事があっても起きない自信がある。
そして今日も起きたらロイとミネルバに挟まれている。
昨日のミネルバとの会話を思い出すと少し不安になる。

・・・俺何もされてないよな(汗)
知らないうちにパパとかやだぞ・・・。

まぁこいつらもそんなことしないよな。
良し信じよう!

・・・でも部屋に鍵を付けよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日はギルドに顔を出そうと思う。
正体不明の魔物?の調査結果を聞きたいし、海への道中に倒した魔物の換金もまだだったしな。

そんなこんなで着替えるのだが、結依とミネルバが何故かいる。

「昨日作った服着ましょうね」
「私たちでコーデしますね」
「俺はいつもの服がいい」
「このワンピースとこの靴はどうですか?」
「それだとこの靴の方がいいかも」
「俺はいつもの服が・・・」
「それもいいですね、でもこのスカートもいいんですよね」
「それだとこのトップスかな」
「いいですね~」

こいつらまた俺の話聞かない(涙)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

やっと着替えが終わった(汗)

今日着てるのは膝上までの白いロングパーカー。
何故か腰の後ろに大きめなリボンが付いていて、胸元には俺のサインが入っている。
もちろん素足はヤダから新しく作った姫蜘蛛の赤いタイツを履いている。
名前は略して姫タイツとか呼んでるな・・・。
最初はピンクや青に染めたものを勧められたがこれで妥協させた。
もちろんパーカーの下には短い短パンを履いてるが、・・・これは結構恥ずかしいな。
普段ポーチや武器を着けているベルトは小さめの赤い肩掛けバッグに変わられた。
もちろんマジックバッグの腕輪はしているが完全に見た目は冒険者じゃ無い(汗)

もちろん服には付与魔法は限界まで付けた。

素材の強度自体がすでにオリハルコンのプレートメイルに匹敵するが、さらにそこに素材強化・衝撃、斬撃、刺撃吸収・属性魔法耐性・自動修復・・・付けられるだけ付与した。
姫蜘蛛の糸は付与可能数が今までの素材に比べて段違いだったな。

そして髪はいつものようにポニーテールにしたが、姫蜘蛛の糸でゴム輪を作り戦闘時に頭部に結界を張るように付与をしておいた。

まぁアイツらも満足したようなのでこれから冒険者ギルドに行こう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ギルドに入ると視線が一気に集まって来た。
やっぱ場違い感満載だよな(汗)
周りを見回すとマリアナさんがやって来た。

「あらっ、今日はいつもと違うのね」
「あぁ、ミネルバと結依が張り切り過ぎたんだよ」
「そうなんだ、でもとても似合ってるわよ、ホントに残念に思うくらい可愛いわよ」
「ありがとうよ、俺も残念だよ、そういえば正体不明の魔物の事何か解った?」
「それなんだけどちょっと部屋で話しましょう、あんまり大っぴらに出来ないのよ」
「了解、俺も場違い感が半端ないから個室は賛成だ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

マリアナさんの部屋に行くと見知らぬじいさんが待っていた。
耳とがってるしエルフかな?

「紹介しておくわね、この方は魔物研究の専門家のマイロ様よ」
「初めまして、タツキです、よろしくお願いします」
「ワシはマイロというものじゃ、魔物研究者とは紹介されたがそんなに大層な者ではないぞ、ただの変わり者のエルフじゃ、それより驚いたぞ、お主があれを倒したタツキか?」
「そうです、あれの正体解ったんですか?」
「実物は見たことは無いが恐らく邪神の眷族の『悪魔』や『邪神族』と呼ばれていたものじゃろうな」
「そんなのがいるんだ、じゃあ魔石もあったしあれは魔物なのか?」
「難しいの、邪神の力で変化した者だと思うのだが、それに伝承では数千年前に邪神は追放されたと伝わっとるしのぉ」
「数千年前か~、エルフの国なら文献とか残ってるかな?」

エリーさんの話だと『エルニア』はかなり歴史がある国らしい。

「『エルニア』か?確かに書物やその時代に生きとった者もまだいるかも知れん、ハイエルフは長生きだからの」
「エルフってそこまで長生きなのか~、じゃあちょっと行ってみるよ」
「『エルニア』に行くの?」
「あぁちょっと知り合いにも会いたいし、地球人の足取りも調べたいしな」
「じゃが入国出来るかわからんぞ、最近は審査が厳しいらしいからの」
「そうなのか?まぁ何とかなるよ」
「じゃあ数ヶ月ここから離れるのね」
「う~ん、数週間じゃないかな、何かあったら結依か葵に言ってくれ、後は正体不明の魔物を召喚した奴らの聴取は任した」
「分かったわ」

その後素材の精算をしてギルドを後にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そんな訳でちょっと『エルニア』に行ってくるわ」

屋敷に帰り昼食を食べながら4人にこれからの事を話す。

「ずいぶん突然ですね」
「今度はどんな食べ物探しに行くの?」
「残念ながら食べ物じゃないんだ、正体不明の魔物の事を調べるのと、地球人の足取り、後は知り合いに挨拶かな、多分数週間かかるわ」
「かしこまりました、私たちはこちらで留守を守ればよろしいのですか?それとも同行しましょうか?」
「今回はバイクで行くつもりだから留守番で頼む、後は結依と葵の修行を見てやってくれ」
「「かしこまりました」」
「そうだよ!ロイ君何であんなに強いの?全然勝てないんだよ」
「なんだ?試合でもしてたのか?」
「そうだよ!昨日とか暇だったから木剣で模擬戦したら全然勝てないんだよ、どうなってるの?」
「そりゃあ屋敷仕込みだからな、もし本当に強くなりたいならザウスさんとかテルとか紹介するぞ?」
「その時はお願い!」
「それと何かあったら通信魔道具で連絡してくれ、まぁそんなにかからないと思うよ」
「でもここから『エルニア』まで行くとなると峠を越えて、深い森の中を行くんですよね、入国も最近は審査が厳しいらしいですよ」
「その辺は向こうに知り合いがいるから多分何とかなるよ、峠までの道はギルドで聞いてきた、それとしばらく留守にするからこれから結依と葵に武器をを作ってやるよ」
「いいんですか?」
「何で?」
「魔力の操作が出来れば武器に魔力込めて強化出来るって言ったろ?」
「はい」「うん」
「この前葵の大剣使ってみたけど魔力の通りが悪いし、直ぐに壊れそうだったからな」
「そうなんですか」
「結構高かったんだけどな~」
「だからある程度の武器作ってやるよ、付与はミネルバやってみるか?」
「はい、やってみます」
「ロイは俺と一緒に鍛冶手伝え」
「わかりました」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなこんなででまずは葵だ。
剣は重心や重さの好みなど色々把握しないと使い辛くなるからな。

「まずは俺が昔作った大剣を振ってみてくれ」
「なにこれ!こんなすごいの持ってたの!」

出した大剣は芯に魔鋼鉄を使い、オリハルコンで作ったものだ。
聖剣風に装飾してあるが付与魔法はしていないのでただ豪華なだけだ。
鍛冶の修行時代に散々作らされた一部だ。

「それは鍛冶の修行時代に作ったやつだ、何の付与もしてないから大したもんじゃない、つーかお前の癖が知りたいから早く振ってみてくれ」
「わかったよ」

『ブォン、フォン』

「どんな感じだ?」
「ちょっと振り回される気がする、重さはちょっと重い感じかな」

その後も色々聞きながら仕上げる剣の見当をつけていく。

「結依は杖か?それとも棍か?」
「どう違いますか?」
「杖は魔法特化で棍は殴って魔法も強化する」
「私たちは2人で活動してるので殴れる棍がいいです」
「使う魔法の種類は?」
「支援魔法が主体です、手が空けば攻撃魔法も放つ感じですね」

大体確認したので鍛冶に移る。
大剣は魔鋼鉄を軸にしてミスリルで作る。
アクセサリーに使ったミスリル銀とは別物だ。
ミスリル銀は魔力の通りが非常に良いが強度が弱い、だがミスリルは魔力の通りが中々良くて強度もかなりある。
付与魔法をを施せば強度はかなり上がるので繋ぎの武器としては十分だ。

棍は総ミスリル製にした。
持ち手の部分に魔力の増幅効果を施した魔石をはめ込み、魔法の効果が上がるように作ってみた。

「取り敢えずできたぞ、頑丈には作ってあるが付与魔法はたいしてしてない、その辺の微調整はミネルバに頼んでくれ」
「ありがとうございます」
「ありがとう!これすごい軽いし斬れるよ」
「危ないから振り回すな!後防具は修行時代の試作品を置いていくから良さげなの使いな」
「ミネルバちゃんとロイ君は武器いいの?」
「私たちにはタツキ様が旅に出る前に作って下さったものがありますから」

その日は夕食を食べ、雑談などしながら過ごし翌日。

「じゃあちょっと行ってくるわ」
「あれ?向こうから馬車が来てるよ」

偉い豪勢な装飾を施した馬車が家の前にやって来た。
そのの中から男女の護衛騎士を2人連れた8才くらいの男の子が出て来た。

「間に合って良かった~」

・・・そうだ!夜会で目立ってた男の子だ!

「どうしたんだ?」
「この前の夜会で助けてもらったからお礼を言いに来たの、ありがとうって」
「そうか、どういたしまして」
「お姉さんどっか行くの?」
「ちょっとエルニアまでな」
「でしたらこちらをお持ち下さい」

護衛の騎士の1人が布の包みとジャラッと音がする袋を渡してきた。

「これは?」
「国王陛下からのお礼の品です、王家の紋章入りの短剣と金貨になります」
「???」
「こちらの御方はマーシャル王子です」
「そうなんですか!じゃあこんなお礼も普通なんですか?」
「本来であれば城内にて謁見を行い陛下からお言葉がある程の事ですが、ギルドマスターからタツキ様は堅苦しいのを好まれないとのお言葉がありましたので、このような形にしました」
「あ~ありがとうございます、どうも堅苦しいのは苦手なんですよ」
「陛下は礼儀作法は問わないので、いずれお話したいと言っておりました、どうでしょうか?」
「まぁ、このままの話し方で良ければいいですよ」
「ありがとうございます、ではお帰りになった時にはお願いします」
「じゃあ俺は行きますね」
「「行ってらっしゃいませ、タツキ様」」
「気をつけて下さいね」
「お土産お願いね~」
「お姉さんありがとう~、行ってらっしゃい」

こんな感じで俺は『トリカール』を後にした。
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