41 / 49
LV-41:光りの中庭、暗黒の地下
しおりを挟む
階段を下り、辿り着いた先は1階の玄関ホールだった。今回も閉じた扉は壁となり、2階に戻る事は出来なくなっている。俺たちは振り出しに戻されたのだ。
「結局2階は、既存の武器をパワーアップしてくれる場所だったと思います。私たちが持っていない、武器や防具のパワーアップもあったかもしれませんね」
「最初は焦ったけど、結局MP回復カプセルもそこまで使わなかったしね。良い寄り道だったと思うよ。——じゃ、俺たちも進もうか、地下へ」
階段を下りると、再びモンスターとの戦闘が始まった。2階に比べると圧倒的に強いモンスターが多く、ここでもMP回復カプセルを少しずつ減らしていった。この時点で誰か一人でも死ぬと、村に戻る事になる。サーシャとナイリの、回復魔法の使用頻度は特に高くなっていた。
「ごめんね、さっきはブレスリカバリー使うまでも無かったね……もうちょっと慎重にならないと……」
「気にするな、サーシャ。死んでしまったら、元も子もない。こんな所で『命の石』を使うわけにもいかないしな」
「ティシリィの言うとおりです。サーシャの回復方法のチョイスと、タイミング。今のままで問題ありませんよ。自信を持ってください」
イロエスは、我ながら素晴らしいパーティーだと思う。目が合ったサーシャは、良い顔をしていた。
通路を進み続ける内、階上へ向かう階段が現れた。その先に扉が見える。
「扉の隙間から光りが洩れてるな……あれじゃないか、さっきヴァントスたちが歩いていた中庭に続く扉は」
ティシリィが言ったとおり、扉を開けると中庭に出た。全員が一様に、眩しそうな表情を浮かべる。
「はあー! なんかホッとする! この城の中を歩いてると、太陽って本当に素晴らしいんだなって思うよ!」
サーシャは伸びをしながら、中庭を歩き回った。
「はいはいサーシャ、先を急ぐぞ。ヴァントスたちがここを通ってから、かなり時間が経ってる。このままじゃ負けるぞ」
「まあまあ、ティシリィ。確かに、地下は流石に息が詰まりそうでした。深呼吸くらいはしていきましょう」
俺たちは必要以上に大きく体を使って、深呼吸をした。確かにこれは良い。心のHPまで回復出来るような気になった。
「ホントだ、悪くないな……じゃ、そろそろ行くか! ベテルデウスは近いはずだ!」
向かい側にあった中庭の扉を開け、俺たちは再び城内の暗い世界へと戻っていく。
扉の先は、またもや地下へと続く階段で、出会うモンスターは更に強力になっていた。ギラサンドスやファイラスレベルの魔法を使う敵まで現れている。
全力で剣を振るうティシリィに、攻撃と回復のバランスを見ながら戦うナイリとサーシャ。俺も負けないよう、彼女たちに食らいついていく。
「なかなかキツいな……まだヴァントスたちに会わないって事は、アイツらも休憩無しで進んでるんだろうな」
「そうだろうね……一本道だから、リタイヤしたら俺たちとすれ違うはずだし」
「その代わり、私たちでもそこまで行けるって事だよ。絶対にヴァントスさんたちより、私たちの方が強いから!」
「フフ、頼もしいですね、サーシャは。……また来ましたよ! アイアンナイトです!」
俺たちは戦闘を繰り返す。
ベテルデウスを倒すまで、延々と。
***
地下通路での長く激しい戦いの末、2つの扉がある場所に辿り着いた。
進行方向に扉が一つ、そして右手に一つ。どちらかが、ベテルデウスへの元へと繋がっているのだろう。
「とりあえず、俺は正面の扉を見てくるよ。誰か、右側の扉を見てくれる?」
俺が正面の扉、ナイリが右側の扉まで移動し、ノブをガチャガチャと回した。
「こっちは鍵が掛かって開かない。ナイリの方はどう?」
「こちらの扉は開きます、インディ!」
「じゃあ、右手の扉だな。……準備はいいか?」
いつものように、ティシリィの号令で俺たちはその部屋へ入った。
だが、その部屋には誰も居なかった。室内は広く、天井はとても高い。
天井——?
「ガ、ガーディアンドラゴンだ!!」
見上げると、テセラの塔で戦ったガーディアンドラゴンが、俺たちを見下ろしていた。
「サーシャ! グラヴィティボムです!」
「分かってる! 叩き落とせ!! グラヴィティボム!!」
サーシャが唱えると、ガーディアンドラゴンは大きな音を立てて、地面に叩きつけられた。
「うらああああ!!」
次の瞬間には、ティシリィがガーディアンドラゴンに斬りかかっていた。CHとツインイヤリングの2回攻撃で、ガーディアンドラゴンは一瞬で絶命した。
そして、少しの間を置いて部屋の外から『ガチャン』と、鍵が開いたような音が響いた。
「俺たちが戦った時のガーディアンドラゴンと同じだったね。てっきり、強くなってるのかと思ったよ」
「確かにな……にしても、アタシたちがどれだけ強くなったのかが、よく分かるな」
「本当に……あの時は、エクラウスさんが命を落とすほどでしたからね……」
「そうだったんだ……私はまだ、ヴァントスさんたちのパーティーにいたんだっけ。……じゃ、次だね! 鍵が開いた音が聞こえたよ!」
俺たちは部屋を出て、先ほどは締まっていた扉へと向かった。ガーディアンドラゴンを倒したからだろう、こちらの扉は既に解錠されている。
「また同じような作りだな。今度はどっちの扉だ?」
ティシリィの言うように、扉を開けた先は同じ作りになっていた。両方の扉を調べると、今度は正面の扉を開くことが出来た。
次の部屋に現れたのは、死体が集まって一つのモンスターになる、デスアグリゲイトだった。今回は合体させる時間も与えず、デスアグリゲイトを消滅させた。ビトルノの村に行ったときに聖母の杖があったなら、どれほど楽に攻略出来ただろうか。
「ここは、ティシリィが死んじゃったところだね……今回は合体させる前に倒せて良かったよ」
「でも、あの時死んでて良かったな……こんな終盤で即死喰らったら、ショックなんてもんじゃないぞ。よし、じゃ次だ!!」
次の部屋には氷の層に覆われたモンスター、ツインスネイクスが現れた。魔力が上がっていた俺のエクサファイラスとαの書が、驚くほど戦いを楽にさせている。そして最後は、ナイリのエクササンドスαで二体同時に消滅させた。
「お。ドロップ通知来てる。部屋の右奥だ」
凍った部屋の片隅に、宝箱が出現していた。中には5つのMP回復カプセルが入っていた。
「これは有り難いですね、頂いておきましょう。……でも良かったです、アスドレクが現れなくて」
ツインスネイクスの部屋には、アスドレクの絵が飾ってあった。前回のように、絵から飛び出てこないかと心配していたのだ。アスドレクに限っては、今の俺たちでも手こずる事だろう。
解錠された扉を開けて進むと、今までと同じく二つの扉が現れた。だが今回は、どちらの扉も開かない。
「なんだよこれ、進めないじゃん。どうなってんだ」
ティシリィはイライラとした表情で、正面の扉をドンドンと叩いた。
「ちょ、ちょっと待ってティシリィ。扉の上、なんか光ってる」
そこには、剣と剣が重なり合ったアイコンが描かれていた。その部分がうっすらと光っている。
「あ、これは……この部屋で戦闘中の印ですね。ルッカの図書館で知りましたが、実物を見るのは初めてです。まあ、光って無かったから気付かなかっただけで、どの扉にも付いていたのでしょうが」
どうやら、この部屋でヴァントスさんたちは戦闘をしているようだ。仕方なく、俺たちはその場に腰を下ろして休憩を取った。少しでも休憩を取ることが出来たのは、かえって良かったのかもしれない。
そして5分も立った頃、もうひとつの扉の鍵が『ガチャ』という音を立て解錠された。
だが、勝利をしたであろうヴァントスさんたちは、一向に出てくる気配が無かった。
「結局2階は、既存の武器をパワーアップしてくれる場所だったと思います。私たちが持っていない、武器や防具のパワーアップもあったかもしれませんね」
「最初は焦ったけど、結局MP回復カプセルもそこまで使わなかったしね。良い寄り道だったと思うよ。——じゃ、俺たちも進もうか、地下へ」
階段を下りると、再びモンスターとの戦闘が始まった。2階に比べると圧倒的に強いモンスターが多く、ここでもMP回復カプセルを少しずつ減らしていった。この時点で誰か一人でも死ぬと、村に戻る事になる。サーシャとナイリの、回復魔法の使用頻度は特に高くなっていた。
「ごめんね、さっきはブレスリカバリー使うまでも無かったね……もうちょっと慎重にならないと……」
「気にするな、サーシャ。死んでしまったら、元も子もない。こんな所で『命の石』を使うわけにもいかないしな」
「ティシリィの言うとおりです。サーシャの回復方法のチョイスと、タイミング。今のままで問題ありませんよ。自信を持ってください」
イロエスは、我ながら素晴らしいパーティーだと思う。目が合ったサーシャは、良い顔をしていた。
通路を進み続ける内、階上へ向かう階段が現れた。その先に扉が見える。
「扉の隙間から光りが洩れてるな……あれじゃないか、さっきヴァントスたちが歩いていた中庭に続く扉は」
ティシリィが言ったとおり、扉を開けると中庭に出た。全員が一様に、眩しそうな表情を浮かべる。
「はあー! なんかホッとする! この城の中を歩いてると、太陽って本当に素晴らしいんだなって思うよ!」
サーシャは伸びをしながら、中庭を歩き回った。
「はいはいサーシャ、先を急ぐぞ。ヴァントスたちがここを通ってから、かなり時間が経ってる。このままじゃ負けるぞ」
「まあまあ、ティシリィ。確かに、地下は流石に息が詰まりそうでした。深呼吸くらいはしていきましょう」
俺たちは必要以上に大きく体を使って、深呼吸をした。確かにこれは良い。心のHPまで回復出来るような気になった。
「ホントだ、悪くないな……じゃ、そろそろ行くか! ベテルデウスは近いはずだ!」
向かい側にあった中庭の扉を開け、俺たちは再び城内の暗い世界へと戻っていく。
扉の先は、またもや地下へと続く階段で、出会うモンスターは更に強力になっていた。ギラサンドスやファイラスレベルの魔法を使う敵まで現れている。
全力で剣を振るうティシリィに、攻撃と回復のバランスを見ながら戦うナイリとサーシャ。俺も負けないよう、彼女たちに食らいついていく。
「なかなかキツいな……まだヴァントスたちに会わないって事は、アイツらも休憩無しで進んでるんだろうな」
「そうだろうね……一本道だから、リタイヤしたら俺たちとすれ違うはずだし」
「その代わり、私たちでもそこまで行けるって事だよ。絶対にヴァントスさんたちより、私たちの方が強いから!」
「フフ、頼もしいですね、サーシャは。……また来ましたよ! アイアンナイトです!」
俺たちは戦闘を繰り返す。
ベテルデウスを倒すまで、延々と。
***
地下通路での長く激しい戦いの末、2つの扉がある場所に辿り着いた。
進行方向に扉が一つ、そして右手に一つ。どちらかが、ベテルデウスへの元へと繋がっているのだろう。
「とりあえず、俺は正面の扉を見てくるよ。誰か、右側の扉を見てくれる?」
俺が正面の扉、ナイリが右側の扉まで移動し、ノブをガチャガチャと回した。
「こっちは鍵が掛かって開かない。ナイリの方はどう?」
「こちらの扉は開きます、インディ!」
「じゃあ、右手の扉だな。……準備はいいか?」
いつものように、ティシリィの号令で俺たちはその部屋へ入った。
だが、その部屋には誰も居なかった。室内は広く、天井はとても高い。
天井——?
「ガ、ガーディアンドラゴンだ!!」
見上げると、テセラの塔で戦ったガーディアンドラゴンが、俺たちを見下ろしていた。
「サーシャ! グラヴィティボムです!」
「分かってる! 叩き落とせ!! グラヴィティボム!!」
サーシャが唱えると、ガーディアンドラゴンは大きな音を立てて、地面に叩きつけられた。
「うらああああ!!」
次の瞬間には、ティシリィがガーディアンドラゴンに斬りかかっていた。CHとツインイヤリングの2回攻撃で、ガーディアンドラゴンは一瞬で絶命した。
そして、少しの間を置いて部屋の外から『ガチャン』と、鍵が開いたような音が響いた。
「俺たちが戦った時のガーディアンドラゴンと同じだったね。てっきり、強くなってるのかと思ったよ」
「確かにな……にしても、アタシたちがどれだけ強くなったのかが、よく分かるな」
「本当に……あの時は、エクラウスさんが命を落とすほどでしたからね……」
「そうだったんだ……私はまだ、ヴァントスさんたちのパーティーにいたんだっけ。……じゃ、次だね! 鍵が開いた音が聞こえたよ!」
俺たちは部屋を出て、先ほどは締まっていた扉へと向かった。ガーディアンドラゴンを倒したからだろう、こちらの扉は既に解錠されている。
「また同じような作りだな。今度はどっちの扉だ?」
ティシリィの言うように、扉を開けた先は同じ作りになっていた。両方の扉を調べると、今度は正面の扉を開くことが出来た。
次の部屋に現れたのは、死体が集まって一つのモンスターになる、デスアグリゲイトだった。今回は合体させる時間も与えず、デスアグリゲイトを消滅させた。ビトルノの村に行ったときに聖母の杖があったなら、どれほど楽に攻略出来ただろうか。
「ここは、ティシリィが死んじゃったところだね……今回は合体させる前に倒せて良かったよ」
「でも、あの時死んでて良かったな……こんな終盤で即死喰らったら、ショックなんてもんじゃないぞ。よし、じゃ次だ!!」
次の部屋には氷の層に覆われたモンスター、ツインスネイクスが現れた。魔力が上がっていた俺のエクサファイラスとαの書が、驚くほど戦いを楽にさせている。そして最後は、ナイリのエクササンドスαで二体同時に消滅させた。
「お。ドロップ通知来てる。部屋の右奥だ」
凍った部屋の片隅に、宝箱が出現していた。中には5つのMP回復カプセルが入っていた。
「これは有り難いですね、頂いておきましょう。……でも良かったです、アスドレクが現れなくて」
ツインスネイクスの部屋には、アスドレクの絵が飾ってあった。前回のように、絵から飛び出てこないかと心配していたのだ。アスドレクに限っては、今の俺たちでも手こずる事だろう。
解錠された扉を開けて進むと、今までと同じく二つの扉が現れた。だが今回は、どちらの扉も開かない。
「なんだよこれ、進めないじゃん。どうなってんだ」
ティシリィはイライラとした表情で、正面の扉をドンドンと叩いた。
「ちょ、ちょっと待ってティシリィ。扉の上、なんか光ってる」
そこには、剣と剣が重なり合ったアイコンが描かれていた。その部分がうっすらと光っている。
「あ、これは……この部屋で戦闘中の印ですね。ルッカの図書館で知りましたが、実物を見るのは初めてです。まあ、光って無かったから気付かなかっただけで、どの扉にも付いていたのでしょうが」
どうやら、この部屋でヴァントスさんたちは戦闘をしているようだ。仕方なく、俺たちはその場に腰を下ろして休憩を取った。少しでも休憩を取ることが出来たのは、かえって良かったのかもしれない。
そして5分も立った頃、もうひとつの扉の鍵が『ガチャ』という音を立て解錠された。
だが、勝利をしたであろうヴァントスさんたちは、一向に出てくる気配が無かった。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜
月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。
蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。
呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。
泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。
ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。
おっさん若返り異世界ファンタジーです。


巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる