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1章

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「ここが私の城です。」
リリンと青年は大きなお城の前で足を止めた。
「うゎ、大きい!」
リリンは目を丸くする。
「どうぞ。中に入って。」
青年は城の大きな扉を難なく開けるとリリンを招き入れた。
「ありがとうございます。」
リリンは恐る恐る城の中に入る。
「綺麗!」
リリンは城の中に入って驚いた。
「魔王の城じゃあないみたい!」
あっとリリンは口を閉じる。
「ごめんなさい!失礼な事を言って。」
うつむいたリリンに青年は朗らかに笑った。
「気にしていませんよ。私の娘も私が魔王だと知ったとき同じことを言いましたから。」
「あなたのお名前は?」
リリンが尋ねると青年は頷いた。
「名乗っていませんでしたね。私の名前はカノス。あなたの名前は?」
「私はリリンです。さっきは助けてくれてありがとうございました!」
リリンの笑顔を見て、カノスは呟いた。
「本当に似ている。」
「なんか言いましたか?」
リリンが尋ねると、カノスは首をふった。
「何でもないです。とりあえずリリンさんの部屋に案内させますね。」
カノスは城の中に視線を向けると呼び掛けた。
「イリオス。」
「お呼びですか、魔王様。」
いつの間にかカノスの隣に青髪の青年が立っていた。
「リリン、イリオスは私の補佐官だ。イリオス。こっちはリリン。奴らに追われているところを保護した。」
「はじめまして、リリン様。私は魔王様の補佐官をしているイリオスと申します。」
イリオスは人のよい笑みを浮かべる。
「はじめまして、イリオスさん。リリンです。」
リリンはペコリと頭を下げる。
「礼儀正しいお方ですね。・・・奴らに追われているのですね。災難ですね。」
イリオスはかわいそうな者を見るような目でリリンを見た。
「イリオス。余計な事を言うな。」
カノスがイリオスを止める。
「災難?」
リリンが首を傾げるのを見て、カノスはイリオスを睨んだ。
「とりあえず、リリン様をお部屋にご案内してきますね。」
顔をひきつらせたイリオスは慌てて言う。
「あとで私の執務室に来い。」
カノスの言葉にイリオスはがっくりと肩を落とした。
「リリン様、お部屋にご案内します。どうぞこちらへ。」
イリオスはリリンを案内する。
「リリン様のお部屋は二階です。魔王様のお部屋のお隣です。以前は魔王様のご息女リリー様のお部屋だったのです。」
階段を上がりながらイリオスは言う。
「私と似てるってカノスさん言ってましたけど。」
「本当に似ているのです。瓜二つと言った方がよろしいかと。」
イリオスはにっこりと笑う。
「此方がリリン様のお部屋です。」
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みんなの感想(2件)

伊予二名
2019.08.16 伊予二名
ネタバレ含む
ルー
2019.08.16 ルー

間違えてましたか?確認してみます!

解除
伊予二名
2019.08.12 伊予二名

王女様は取り敢えず主人公さんをいじめた適当な貴族を一人、王族と絶対権力を持って同じ様にいじめ倒して自殺にでも追い込めばいいんじゃないかな見せしめに。

主人公さんの存在は「アンタッチャブル」だと馬鹿でもわかる様に教えればいい。適当な生贄の命で。

ルー
2019.08.13 ルー

そうですね。その話の進みかたもアリですね!

解除

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