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1章
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「フィリィップ!」
駆け寄ってきたハルシルフィとフィリィップの周りを囲んでいた貴族令嬢達は蜘蛛の子を散らすようにして去って行った。
「ハル!どうしたんだ?そんなに笑顔で。」
「フィリィップに会えたからよ!最近私の仕事が忙しくて会えなかったじゃない。」
「ああ。そうだね。ところで今日はある方のお披露目会と聞いたのだが?今日の主役は誰なのか?」
「リリンですわ。」
フィリィップが口を開きかけたその時、国王陛下の堂々たる声が聞こえた。
「皆のもの。お話し中申し訳ない。今回のお披露目会の主役、リリンに挨拶をおこなってもらう。」
リリンが緊張した表情で階段を上がり皆の前に来た。
「私は今回王女になりましたリリンです。これからよろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げた。
「あの子は平民なんだろう?」
小声で聞いてきたフィリィップにハルシルフィも小声で返した。
「ええ。元平民というところでしょうか。」
ハルシルフィは学院の友人に誘われディナーを取りに行った。
「ごめんなさいね。フィリィップ。」
ハルシルフィは申し訳なさそうな顔をした。ハルシルフィが去るとすぐにフィリィップは貴族令嬢に囲まれた。
「フィリィップ様。ハルシルフィ様とラブラブですわね!」
「うらやましい!」
フィリィップはにこやかに微笑み貴族令嬢達の相手をした。
「リリン様。ありがとうございます。」
「いえ。別にそれほどでも。」
レオンは壇上から降りてきたリリンをほめた。リリンはイケメンのレオンにほめられて照れている。
「リリン様。どうしてもお話ししたいことがあるのですがこれからお時間はもらえますか?」
「え?あ、はい。」
レオンからの誘いを断る理由のないリリンはコクンと頷いた。
「では。今すぐ私についてきてもらえますか?」
「今すぐでなければなりませんか?」
「はい。どうしてもお話ししたいことがあるので。」
リリンは下を向いた。
(どうしよう!今すぐって。もしかしたら、また、何かハルシルフィ様のことで言われるのでは!)
そんなリリンの心の中を読んだかのようにレオンが言った。
「リリン様。貴女を叱りたくて呼び出しているのではありません。どうかお願いします。」
「わ、分かりました。」
必死の形相のレオンにリリンは顔をひきつらせた。
「ではついてきてください。」
レオンは大広間から廊下に出て歩き出した。レオンの近くにいた護衛は誰もついてこなかった。
「こっちです。」
レオンはある扉を開けた。そこは図書室だった。
「私は貴女が・・・。」
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「では。今すぐ私についてきてもらえますか?」
「今すぐでなければなりませんか?」
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「わ、分かりました。」
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「ではついてきてください。」
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「こっちです。」
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「私は貴女が・・・。」
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