もう誰も愛さない

ルー

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家具

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「いらっしゃいませ。」

街の北の端に存在する一軒の家具屋。アルカンレティアに存在する唯一のオーダーメイドの家具屋だ。かなり広い店内にはいくつかの家具が置かれている。

「オーダーメイドでいくつか家具を作ってほしいです。」

アメリアが言うと対応してくれた女性はほほ笑んだ。

「かしこまりました。お話は奥の事務所でお聞きします。」

女性に案内されて家具が置かれている部屋から出て長い廊下を歩いて一番奥の部屋に入る。事務所には3つの机とそれぞれの机に4つの椅子が置かれていた。そのうちの1つの机に案内された。

「見本のカタログを持ってまいりますので、どのような家具をご所望なのか教えてください。」

「ええっと商品とかを置ける棚とベッドと机と椅子とかです。あと鏡台とかも作りたいです。」

「かしこまりました。お持ちいたします。」

女性は事務所の奥に引っ込んでいった。しばらくすると分厚いファイルを7つ持ってきた。

「まず棚ですが既存の型ですとこちらになります。」

一番上のファイルを開き一番最初のページをみせた。そこには棚の絵が描かれていた。全方向から見た絵でわかりやすい。

「既存の型を使用してアレンジを加えますと例えばこちらがあります。」

女性が次のページを開く。

「こちらは既存の型を活用しまして一番下の段を半分に分けております。また棚の方に柄を刻印しております。」

「もう少し低めの棚はありますか?商品を置きたいので。」

アメリアが言うと女性は何ページかめくった。

「それでしたらこちらはいかがでしょうか。」

そのページには低めの商品棚が描かれている。

「うーん、これがちょうどいいかな・・・。」

「オーダーメイド品ですので高さや長さ、柄などは変えることができます。長さや高さの方は後程ご自宅に職人の方
がお邪魔いたしまして計測させていただきます。」

「あ、それなら型はこんな感じでお願いします。」

「かしこまりました。型ですがお好きに変更可能ですので変更したい場合はお申し付けください。」

「はい。」





そんなこんなで全ての家具を注文依頼し、明日職人が来て長さを測って正式に注文することになった。家具屋からの帰り道を歩きながらルイは言った。

「クッキー屋を開くのはかまわないが、無理だけはするなよ。」

ルイの真剣な表情にアメリアは驚いた。

「う、うん。わかってるよ。」

「それならいいんだ。頑張りすぎて倒れたら話にならないからな。」

「そう、だね。」

ルイの言葉にアメリアはうなづいた。自分のことを心配してくれるルイの気持ちがアメリアには嬉しかった。




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