もう誰も愛さない

ルー

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再会

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12日、13日と更新が止まってしまいました。予告はしておりましたが本日から再開したいと思います。最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

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その後不動産屋に戻って代金を支払ったアメリアは男性から家の鍵をもらった。宿屋の部屋に戻るとルイが言った。

「いつ引っ越す?」

「うーん、家具が全然ないからそこら辺の買い物を済ませてからかな。商品置く棚とか、2階のベッドとか机と椅子とか。」

「確かにな。じゃあ明日は家具屋にいくか。オーダーメイドにするか?」

「うん、そうする。」






その後宿屋で夕飯を取り、お風呂に入りすっきりした後、アメリアは部屋にある窓から宿屋の裏庭を眺めた。ここ最近に立て続けにあった出来事を思い出していた。精神病院に入れられてからの日々。楽しかった日々。ルイとの再会。ルイの兄夫婦と出会い一緒に昼食をとった。優しい貴族の方とも会った。初めて電車にも乗った。

「あー喉乾いた。何か飲みたいな。」

アメリアは銀貨と銅貨を何枚か袋から掴み別の袋にいれ、その袋をもって部屋を出た。部屋の鍵をかけ1階に降りる。受付のカウンターの向かい側にある廊下を歩いて行く。暖簾が見えた。男女で別れている大浴場だ。その手前にある休憩所に入り牛乳を買った。あいているソファーに腰かけ牛乳を飲んだ。

「生き返る!」

一息ついたアメリアはルイが大浴場から出てくるのを待った。

「あれ、アメリア?」

不意に声を掛けられアメリアは顔を上げた。聞き覚えのある声だった。

「え、カンナ!?」

驚くアメリアにカンナは嬉しそうに駆け寄る。

「ど、どうしてここに?大丈夫なの?」

「大丈夫だよ、カーレシャス侯爵様が助けてくださったの。精神病院はなくなって、あそこにいたみんなお金をもらって好きに生きられるようになったの。本当にアメリアのおかげだよ。」

「私のおかげってどういうこと?」

アメリアが尋ねるとカンナは答えた。

「ん?カーレシャス侯爵様がね、言ってたの。アメリアに感謝しなさいって。よくわからなかったけどアメリアが助けてくれたんだなって。」

アメリアは慌てて言った。

「カーレシャス侯爵様の優しさだと思うよ。私もよくわからないんだけど。」

「そうなんだ。でもまぁ、アメリアのおかげなことに変わりないし。めっちゃ感謝してるから。みんな。」

「あ、みんなは今どこにいるの?」

「さぁ?みんな自分の行きたいところに行ってると思うよ。私は家族のいる国なんかにいたくなかったから。とりあえず国を出てこっちきたんだけどここが一番治安がいいっていうから。今は冒険者やってるかな。まぁ素材採集しかしないからあんまり稼げないけど。」

「そう、なんだ。」

「アメリアはクッキー屋でしょ?今どんな感じなの?」

アメリアは今日家を買ったことを話した。

「えー!そうなの?すごいじゃん。もう少しって感じだね。出来たら教えてね。絶対行くから。」

「ありがとう。」

アメリアとカンナは笑いあった。




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