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カーレシャス侯爵家
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12時30分。予定より30分も遅れて電車はリブゼスに到着した。電車から降り、ホームから階段を降りて駅員に乗車券を渡し、確認をしてもらう。そして送迎所まで行くとそこにはカーレシャス侯爵家の家紋の描かれている豪華な馬車があった。
「坊ちゃま。」
馬車の中から現れたのはルイの乳母、アーシャ。
「アーシャ、元気だったか。」
記憶にあるよりも年を取っていた。柔らかく微笑んだアーシャはアメリアを見て微笑んだ。
「そちらがお嬢様のアメリア様ですね。ああ、本当に、アリス様の生き写しですね。」
「はじめまして、アメリアと申します。」
アメリアはぺこりと頭を下げた。
「お会いできてうれしいです、アメリア様。私のようなものに頭を下げないでください。アメリア様は坊ちゃまのお嬢様なのですから。」
アーシャは馬車の扉を開け、ルイとアメリアを乗せた。そして一番最後に乗り込んだ。馬車が走り出し、アメリアは窓から見えるリブゼスの街並みを眺めていた。
「アメリア、リブゼスはどうだ?パッと見た感想は?」
ルイが尋ねるとアメリアは輝かんばかりの笑顔で言った。
「とても美しいところですね。道路もしっかりと整備されていて綺麗ですし、ゴミもありません。騎士の方も巡回されているので犯罪率が低いのも納得です。」
「ちゃんと調べていたのか。さすがアメリアだ。・・・で、いつ調べた?」
ルイが笑顔で圧をかけた。
「え、あ・・・。昨日の夜に少し。」
「ほう。」
ルイの笑みをみてアーシャが言った。
「坊ちゃまは変わりませんね。イルヤ坊ちゃまを諫めるのも坊ちゃまのお役目でしたからね。」
「そういえばしばらくイルヤ兄上とは会っていないな。今はどうしている?」
ルイの問いにアーシャが答える。
「婚約者のアイリス王女殿下と地方のお屋敷で過ごされています。半年ほど前に子爵位を継ぎました。アイリス王女殿下との関係も良好です。」
「そうか、イルヤ兄上はアイリス王女殿下を射止めたのか。まぁ、顔だけは無駄に整っているからな。で、教育の方は大丈夫なのか?」
「はい、アイリス王女殿下との婚約が決まってすぐに旦那様にしごかれていました。半年ほどでマスターしておりました。」
「まったくイルヤ兄上は。やればできるのにやらないからできないということを理解していないから。」
ルイはため息をついた。
「お父さん、そのイルヤ様と言う方はどういう方なの?」
ルイが散々貶していたからかアメリアが興味を持った。
「・・・イルヤ兄上は木剣を振れば手を大怪我し、勉強をすれば居眠りし、食事をすればグラスを割ると。本当に問題児だった。だから、木剣だろうともう訓練するなと父上に言われ、居眠りするくらいならきちんと睡眠時間を取れと言われ、昼頃まで寝るという自堕落な生活を送った。食事はもうどうすることもできないからな。別にグラスを落としているわけじゃないんだ。木剣もあいつが振るとなぜか粉々に割れるんだ。耐久値が下がっていたのかと思っていたが。」
「・・・それ、多分。力が強すぎるんじゃないの?そうとしか思えないけど・・・。」
「言われてみればそうだな・・・。」
ルイが俯いた。その時、馬車が止まり、扉が開いた。
「到着しました。」
目の前に広がるのは美しい庭園。しっかりと手入れされているのが分かる。庭園を歩いて進むと白塗りの綺麗な屋敷が見えてきた。アーシャと外で待っていた使用人が両開きの玄関の扉を開ける。
「わぁ、すごい。」
アメリアは目を丸くし。立ち竦む。
「アメリア、入るぞ。」
「あ、うん。」
ルイに言われて。アメリアは恐る恐る屋敷の中に足を踏み入れた。
「ルイ!」
男の声が響き、ルイの視線の先にはカイルがいる。
「兄上・・・。」
カイルの隣には夫人のフィアルーナが笑みを浮かべて立っている。
「君がアメリアだね。はじめまして、私はカーレシャス侯爵家現当主のカイルだ。君のお父上の兄だ。カイル伯父さんと呼んでくれ。」
カイルはルイの斜め後ろに立つアメリアに声をかけた。
「まぁ、カイル。あなただけずるいわ。はじめまして、アメリアちゃん。私はフィアルーナ。カイルの妻よ。フィア伯母さんと呼んでくれると嬉しいわ。」
フィアルーナもすかさずアメリアに近寄り負けじと声かけた。
「は、はい。カイル伯父さん、フィア伯母さん。よろしくお願いします。」
アメリアは頭を下げた。
「本当にアリスさんに瓜二つね。かわいいわ!」
フィアルーナの勢いにアメリアはのけ反った。
「あ、ありがとうございます。」
「そろそろお昼にしよう。」
カイルの案内で食堂にたどり着いた2人は隣り合う席に座った。出された料理はどれも豪華で、アメリアは一度も食べたことのない料理だった。
「アメリアちゃんはこの後どうするつもりなのかしら?」
デザートを食べ終わった後フィアルーナは尋ねた。ちょうど食後のコーヒーが運ばれてきて、アメリアの目の前にもおかれる。
「ええっとアスラ王国のアルカンレティアに行ってクッキー屋を開こうかと思っています。」
「まぁ、アルカンレティアと言えばキャンディス公爵家の領都よね。私、キャンディス公爵家の夫人と仲が良いのですの。もしよろしければ口利きをしましょうか?」
フィアルーナの提案にアメリアは首を振った。
「私は1からクッキー屋として頑張りたいんです。口利きをしていただけるのはありがたいのですが・・・。」
「まぁ、本当に謙虚なのね。そういうところもアリスさんにそっくりね。わかったわ。では口利きではなくて開業資金をあげるわ。」
フィアルーナは使用人から渡された巾着袋の中身を確認した。
「白金貨500枚よ。これを開業資金になさい。」
そう言ってアメリアに渡した。
「は、白金貨500枚!?そ、そんな大金受け取れません。」
手の中にある巾着袋を見る目は怯えが含まれている。
「いいえ、受け取ってちょうだい。これから何があるのかわからないのだし。何かあったときのためでもあるのよ。使わなくとも構わないわ。とっておいて後で非常事態の時に使うもよし。アメリアちゃん、このお金はあなたが好きにしてよいお金なのよ。」
フィアルーナの言葉に困惑するアメリア。
「あの、どうしてここまでよくしてくださるのですか?」
「私はあなたのお母様であせられるアリスさんとは仲良くさせていただいていたの。アメリアちゃん、あなたはアリスさんに似て本当にかわいらしく、優しく謙虚な子だわ。こんなかわいらしい子にそんな真似をするだなんて。」
フィアルーナはアメリアの元家族に対し怒る。
「お母さんが・・・。そうなんですね。ありがとうございます。」
アメリアは深く頭を下げた。
「本当は、アメリア。君をカーレシャス侯爵家の養子にしようかと考えていたんだ。私とフィアルーナの間には子供がいないから。だが夢があるのならそれを追い求めると良い。クッキー屋の夢を叶えることができるよう祈っている。私も時間が空いたら行くか。」
「ええ、そうですわね。」
カイルの言葉にフィアルーナが同意を示す。
「あ、ありがとうございます!!」
アメリアはほっとした。そしてルイとアメリアは馬車で駅まで送ってもらった。
「どうか元気でね、アメリアちゃん。ルイさん。」
「はい、ありがとうございます。義姉上。」
「ありがとうございます、フィア伯母さん。」
2人は頭を下げ、駅の中に入っていった。
「お父さん、乗車券は?」
「ああ、貰った。」
「だと思った。」
ルイはポケットから乗車券を2枚出した。
「アスラ王国、ムルティー行きの電車だな。途中の駅での停車はないな。15時30分発22時着だな。」
「宿はどうするの?」
アメリアが尋ねるとルイは肩を竦めた。
「まぁ、それは。ついてから考えるかな。最悪開いていなかったら野宿するしかないが・・・。」
「の、野宿かー。」
アメリアの顔が微妙に引きつった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お金について
小銅貨10枚=銅貨1枚
銅貨100枚=小銀貨1枚
小銀貨10枚=銀貨1枚
銀貨10枚=大銀貨1枚
大銀貨100枚=金貨1枚
金貨10枚=白金貨1枚
となっています。日本円で考えると
小銅貨1枚1円
銅貨1枚10円
小銀貨1枚1000円
銀貨1枚10000円
大銀貨1枚100000円
金貨1枚10000000円(一千万)
白金貨1枚100000000円(1億)
となります。
「坊ちゃま。」
馬車の中から現れたのはルイの乳母、アーシャ。
「アーシャ、元気だったか。」
記憶にあるよりも年を取っていた。柔らかく微笑んだアーシャはアメリアを見て微笑んだ。
「そちらがお嬢様のアメリア様ですね。ああ、本当に、アリス様の生き写しですね。」
「はじめまして、アメリアと申します。」
アメリアはぺこりと頭を下げた。
「お会いできてうれしいです、アメリア様。私のようなものに頭を下げないでください。アメリア様は坊ちゃまのお嬢様なのですから。」
アーシャは馬車の扉を開け、ルイとアメリアを乗せた。そして一番最後に乗り込んだ。馬車が走り出し、アメリアは窓から見えるリブゼスの街並みを眺めていた。
「アメリア、リブゼスはどうだ?パッと見た感想は?」
ルイが尋ねるとアメリアは輝かんばかりの笑顔で言った。
「とても美しいところですね。道路もしっかりと整備されていて綺麗ですし、ゴミもありません。騎士の方も巡回されているので犯罪率が低いのも納得です。」
「ちゃんと調べていたのか。さすがアメリアだ。・・・で、いつ調べた?」
ルイが笑顔で圧をかけた。
「え、あ・・・。昨日の夜に少し。」
「ほう。」
ルイの笑みをみてアーシャが言った。
「坊ちゃまは変わりませんね。イルヤ坊ちゃまを諫めるのも坊ちゃまのお役目でしたからね。」
「そういえばしばらくイルヤ兄上とは会っていないな。今はどうしている?」
ルイの問いにアーシャが答える。
「婚約者のアイリス王女殿下と地方のお屋敷で過ごされています。半年ほど前に子爵位を継ぎました。アイリス王女殿下との関係も良好です。」
「そうか、イルヤ兄上はアイリス王女殿下を射止めたのか。まぁ、顔だけは無駄に整っているからな。で、教育の方は大丈夫なのか?」
「はい、アイリス王女殿下との婚約が決まってすぐに旦那様にしごかれていました。半年ほどでマスターしておりました。」
「まったくイルヤ兄上は。やればできるのにやらないからできないということを理解していないから。」
ルイはため息をついた。
「お父さん、そのイルヤ様と言う方はどういう方なの?」
ルイが散々貶していたからかアメリアが興味を持った。
「・・・イルヤ兄上は木剣を振れば手を大怪我し、勉強をすれば居眠りし、食事をすればグラスを割ると。本当に問題児だった。だから、木剣だろうともう訓練するなと父上に言われ、居眠りするくらいならきちんと睡眠時間を取れと言われ、昼頃まで寝るという自堕落な生活を送った。食事はもうどうすることもできないからな。別にグラスを落としているわけじゃないんだ。木剣もあいつが振るとなぜか粉々に割れるんだ。耐久値が下がっていたのかと思っていたが。」
「・・・それ、多分。力が強すぎるんじゃないの?そうとしか思えないけど・・・。」
「言われてみればそうだな・・・。」
ルイが俯いた。その時、馬車が止まり、扉が開いた。
「到着しました。」
目の前に広がるのは美しい庭園。しっかりと手入れされているのが分かる。庭園を歩いて進むと白塗りの綺麗な屋敷が見えてきた。アーシャと外で待っていた使用人が両開きの玄関の扉を開ける。
「わぁ、すごい。」
アメリアは目を丸くし。立ち竦む。
「アメリア、入るぞ。」
「あ、うん。」
ルイに言われて。アメリアは恐る恐る屋敷の中に足を踏み入れた。
「ルイ!」
男の声が響き、ルイの視線の先にはカイルがいる。
「兄上・・・。」
カイルの隣には夫人のフィアルーナが笑みを浮かべて立っている。
「君がアメリアだね。はじめまして、私はカーレシャス侯爵家現当主のカイルだ。君のお父上の兄だ。カイル伯父さんと呼んでくれ。」
カイルはルイの斜め後ろに立つアメリアに声をかけた。
「まぁ、カイル。あなただけずるいわ。はじめまして、アメリアちゃん。私はフィアルーナ。カイルの妻よ。フィア伯母さんと呼んでくれると嬉しいわ。」
フィアルーナもすかさずアメリアに近寄り負けじと声かけた。
「は、はい。カイル伯父さん、フィア伯母さん。よろしくお願いします。」
アメリアは頭を下げた。
「本当にアリスさんに瓜二つね。かわいいわ!」
フィアルーナの勢いにアメリアはのけ反った。
「あ、ありがとうございます。」
「そろそろお昼にしよう。」
カイルの案内で食堂にたどり着いた2人は隣り合う席に座った。出された料理はどれも豪華で、アメリアは一度も食べたことのない料理だった。
「アメリアちゃんはこの後どうするつもりなのかしら?」
デザートを食べ終わった後フィアルーナは尋ねた。ちょうど食後のコーヒーが運ばれてきて、アメリアの目の前にもおかれる。
「ええっとアスラ王国のアルカンレティアに行ってクッキー屋を開こうかと思っています。」
「まぁ、アルカンレティアと言えばキャンディス公爵家の領都よね。私、キャンディス公爵家の夫人と仲が良いのですの。もしよろしければ口利きをしましょうか?」
フィアルーナの提案にアメリアは首を振った。
「私は1からクッキー屋として頑張りたいんです。口利きをしていただけるのはありがたいのですが・・・。」
「まぁ、本当に謙虚なのね。そういうところもアリスさんにそっくりね。わかったわ。では口利きではなくて開業資金をあげるわ。」
フィアルーナは使用人から渡された巾着袋の中身を確認した。
「白金貨500枚よ。これを開業資金になさい。」
そう言ってアメリアに渡した。
「は、白金貨500枚!?そ、そんな大金受け取れません。」
手の中にある巾着袋を見る目は怯えが含まれている。
「いいえ、受け取ってちょうだい。これから何があるのかわからないのだし。何かあったときのためでもあるのよ。使わなくとも構わないわ。とっておいて後で非常事態の時に使うもよし。アメリアちゃん、このお金はあなたが好きにしてよいお金なのよ。」
フィアルーナの言葉に困惑するアメリア。
「あの、どうしてここまでよくしてくださるのですか?」
「私はあなたのお母様であせられるアリスさんとは仲良くさせていただいていたの。アメリアちゃん、あなたはアリスさんに似て本当にかわいらしく、優しく謙虚な子だわ。こんなかわいらしい子にそんな真似をするだなんて。」
フィアルーナはアメリアの元家族に対し怒る。
「お母さんが・・・。そうなんですね。ありがとうございます。」
アメリアは深く頭を下げた。
「本当は、アメリア。君をカーレシャス侯爵家の養子にしようかと考えていたんだ。私とフィアルーナの間には子供がいないから。だが夢があるのならそれを追い求めると良い。クッキー屋の夢を叶えることができるよう祈っている。私も時間が空いたら行くか。」
「ええ、そうですわね。」
カイルの言葉にフィアルーナが同意を示す。
「あ、ありがとうございます!!」
アメリアはほっとした。そしてルイとアメリアは馬車で駅まで送ってもらった。
「どうか元気でね、アメリアちゃん。ルイさん。」
「はい、ありがとうございます。義姉上。」
「ありがとうございます、フィア伯母さん。」
2人は頭を下げ、駅の中に入っていった。
「お父さん、乗車券は?」
「ああ、貰った。」
「だと思った。」
ルイはポケットから乗車券を2枚出した。
「アスラ王国、ムルティー行きの電車だな。途中の駅での停車はないな。15時30分発22時着だな。」
「宿はどうするの?」
アメリアが尋ねるとルイは肩を竦めた。
「まぁ、それは。ついてから考えるかな。最悪開いていなかったら野宿するしかないが・・・。」
「の、野宿かー。」
アメリアの顔が微妙に引きつった。
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お金について
小銅貨10枚=銅貨1枚
銅貨100枚=小銀貨1枚
小銀貨10枚=銀貨1枚
銀貨10枚=大銀貨1枚
大銀貨100枚=金貨1枚
金貨10枚=白金貨1枚
となっています。日本円で考えると
小銅貨1枚1円
銅貨1枚10円
小銀貨1枚1000円
銀貨1枚10000円
大銀貨1枚100000円
金貨1枚10000000円(一千万)
白金貨1枚100000000円(1億)
となります。
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