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第1章 すれ違い編
1話 望まない使い魔契約
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「貴女には姿隠しの魔法といくつかの攻撃魔法を覚えてもらうからね!」
散歩気分で空を飛んでいたシルフィは突然かけられた声と、体にかかる重圧にビクリと体を震わせた。
翼を必死に動かして前に進もうと試みるがシルフィの体はピクリとも動かない。
もしかしてと下を見るとシルフィは落下していた。
その場にいるのは一人の老婆だけだが恥ずかしさに竜なのに顔が赤くなるのが分かった。
━ドガーン!!
音とともに地面が揺れた。
立ってられないほどの揺れに竜であるシルフィがよろよろとしているのにシルフィを落とした張本人は涼しい顔だ。
揺れがおさまると老婆はシルフィに近づいてきた。
先代の竜王に気に入られてそばにいたシルフィは竜王の気とたくさんの精霊の気と、きれいな邪気のない気になれている。
なので邪悪な気を纏っている老婆は言わば汚いのだ。
まさか本人の前で言うわけにもいかない。
近づいてきた老婆はシルフィの前で止まると首に首輪をかけた。
シルフィの首の太さにあわせて首輪は縮んだ。
締め付けられる感覚はないが首の辺りに違和感がある。
「これでそなたは私の使い魔だ。」
「神の許可のない契約は無効です!」
シルフィが反論すると体を巡っている魔力が乱れた。
「これで分かっただろう。そなたは私に従うほかないのだ。さっき言った通りお前には、姿隠しの魔法といくつかの攻撃魔法を覚えてもらう。攻撃魔法と言っても普通のではない。この国の筆頭魔術師を一撃で倒せる物を覚えてもらう。もし抵抗したら。分かっているな?魔力暴走を起こす。命令だ。人型をとれ。」
決して無理な命令ではない。
シルフィは自らの魔力の根源に願った。
(我を人型に!)
強い祈りに魔力が爆発的に膨れ上がり上空で爆発して火花を散らした。
シルフィは竜型からみるみるうちに小さくなり薄紫のワンピースを着た13才ほどの少女に姿を変えた。
「それが人型か?」
首輪が人型のシルフィの首の太さにあわせて縮んだ。
「とりあえず名前は?」
「シルフィです。」
「では、シルフィ。私は悪魔の魔女、クレア・マッケンジャー。今日からシルフィは私と一緒に暮らしてもらう。仕事や稽古は明日からにしよう。今日は明日に備えてお前のこれからの仕事の説明をしたりするか。何せシルフィは貴族令嬢だろう。仕事なんて一度もやったことがないだろう。」
「はい。ありません。」
考えずに言葉が出てきた。
まるで思考まで操られているみたいだ。
「今から私のねぐらに行く。他人には教えては駄目だよ。こっちだ。」
さすが悪魔の魔女だ。
人目のつくところは通らない。
森のなかを縦断し三つ目の森に来た。
「この森に私のねぐらはある。音をたてないようについてこい。」
散歩気分で空を飛んでいたシルフィは突然かけられた声と、体にかかる重圧にビクリと体を震わせた。
翼を必死に動かして前に進もうと試みるがシルフィの体はピクリとも動かない。
もしかしてと下を見るとシルフィは落下していた。
その場にいるのは一人の老婆だけだが恥ずかしさに竜なのに顔が赤くなるのが分かった。
━ドガーン!!
音とともに地面が揺れた。
立ってられないほどの揺れに竜であるシルフィがよろよろとしているのにシルフィを落とした張本人は涼しい顔だ。
揺れがおさまると老婆はシルフィに近づいてきた。
先代の竜王に気に入られてそばにいたシルフィは竜王の気とたくさんの精霊の気と、きれいな邪気のない気になれている。
なので邪悪な気を纏っている老婆は言わば汚いのだ。
まさか本人の前で言うわけにもいかない。
近づいてきた老婆はシルフィの前で止まると首に首輪をかけた。
シルフィの首の太さにあわせて首輪は縮んだ。
締め付けられる感覚はないが首の辺りに違和感がある。
「これでそなたは私の使い魔だ。」
「神の許可のない契約は無効です!」
シルフィが反論すると体を巡っている魔力が乱れた。
「これで分かっただろう。そなたは私に従うほかないのだ。さっき言った通りお前には、姿隠しの魔法といくつかの攻撃魔法を覚えてもらう。攻撃魔法と言っても普通のではない。この国の筆頭魔術師を一撃で倒せる物を覚えてもらう。もし抵抗したら。分かっているな?魔力暴走を起こす。命令だ。人型をとれ。」
決して無理な命令ではない。
シルフィは自らの魔力の根源に願った。
(我を人型に!)
強い祈りに魔力が爆発的に膨れ上がり上空で爆発して火花を散らした。
シルフィは竜型からみるみるうちに小さくなり薄紫のワンピースを着た13才ほどの少女に姿を変えた。
「それが人型か?」
首輪が人型のシルフィの首の太さにあわせて縮んだ。
「とりあえず名前は?」
「シルフィです。」
「では、シルフィ。私は悪魔の魔女、クレア・マッケンジャー。今日からシルフィは私と一緒に暮らしてもらう。仕事や稽古は明日からにしよう。今日は明日に備えてお前のこれからの仕事の説明をしたりするか。何せシルフィは貴族令嬢だろう。仕事なんて一度もやったことがないだろう。」
「はい。ありません。」
考えずに言葉が出てきた。
まるで思考まで操られているみたいだ。
「今から私のねぐらに行く。他人には教えては駄目だよ。こっちだ。」
さすが悪魔の魔女だ。
人目のつくところは通らない。
森のなかを縦断し三つ目の森に来た。
「この森に私のねぐらはある。音をたてないようについてこい。」
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