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すごろくゲーム
ルール説明①
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申し訳ありません。内容紹介を一部訂正しました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
「ねぇ、すごろく楽しかったね!よかったら夕飯食べ終わった後もやらない?」
新田咲菜がボードを片付けながら言う。
「私は全然おっけーだよ。」
優菜がうなづく。
「私も!」
香奈もうなづいた。
「ごめんなさい。私、夕飯の後は藤原さんとお茶をする約束をしてしまったから。」
春香がごめんと謝る。
「ううん、全然大丈夫だよ。」
咲菜は笑い飛ばす。
「今日の夕飯なんだと思う?」
香奈が尋ねると優菜はすごろくを棚にしまって振り返る。
「うーん、予想だけど。ステーキじゃない?だって昼であんなに豪華だったんだよ。夜はもっと豪華じゃないとね。」
「わぁ!ステーキとかすっごく嬉しい!」
香奈が嬉しそうに言う。
「どうせ出るなら黒毛和牛とかにして欲しいよね。春香は?ステーキとか食べ飽きた感じ?」
咲菜が尋ねると、俯いて話を聞いていた春香は慌てて首をふる。
「べ、別に食べ飽きたとかそういう感情はない、かな?いつも味付け違うし。」
「そことなーく会話にお嬢様感半端なく出てるんだよね。」
咲菜は遊戯室の扉を開けて振り返る。
「え?そう?」
春香は首をかしげる。
「うん。いつも味付け違うってところ。いつも、ってことは毎日食べてるんだね。やーいお嬢様!」
咲菜が言うと春香は顔を赤くして反論する。
「咲菜と優菜もお嬢様でしょ。私のこと言えないと思うけど。」
「でもねぇ。私たちは元庶民だから。そもそもの血筋が違うのよ。春香は藤波グループのお嬢様じゃん!!」
優菜の言葉に咲菜はうなづいた。
「やめてよぉ。」
春香がしょんぼりすると咲菜と優菜が笑う。
「もぉ、柄にもなく落ち込まないでよ。お嬢様って言ったらオホホとか言ってそうなイメージあるのに春香、全然違うもんね。」
優菜が春香の肩をバシバシと叩く。
「痛いよぉ、もう。早く食堂行こ。」
拗ねた春香は咲菜の横を擦りぬけて廊下へと出る。そのまま階段を駆け下りて行った春香の後ろ姿を見送った3人は吹き出した。
「春香、かわいいー。」
「さすがお嬢様。」
「オーラが半端ないー。」
口々に言う。3人は笑いながら階段を降りて食堂に向かった。
「うわぁ!!すごい!!ステーキ!!」
食堂の扉を開けて、咲菜たちは歓声をあげた。
「もう、遅いよ。」
先に席に座っていた春香が3人に手招きする。
「藤原さん!お隣失礼します!」
春香の右横に座っていた陽菜に軽く頭を下げて香奈は横に座った。
「あ、はい。」
陽菜はぎこちなくうなづいた。そして全員が席に座り、それぞれ食前の挨拶をして食べ始めようとしたとき、放送が流れた。
『皆さんこんばんは。お夕食の前に失礼します。初めまして今回のライフゲームの放送を担当させていただきます田島と申します。どうぞよろしくお願いします。』
全員がぽかんとしたような表情で放送を聞いている。
「ライフゲーム……?」
井上彩が聞きなれない単語に反応する。
『はい、これからプレイヤーの皆様にはライフゲーム、というものに参加していただきます。ただし参加拒否された場合にはお持ちのチップから1枚引かせていただきます。』
「チップ?」
確かにそんなものあったな、というように幸樹が言った。
「これのことか……?」
それは今日の昼の時点で食堂に1席に10枚置かれていた青色のコインのようなチップだ。全員がポケットからチップを出し、机に置く。
『はい、それのことです。これ以後、皆さんが持っている10枚のチップは皆さん1人1人の残りのライフとなります。またそちらのチップ残量はこのゲームをすべてクリアした際にも重要になってきますので注意してください。またチップは交換不可となっております。一度獲得したチップは誰かに譲渡することはできません。』
チップを獲得する、という言葉に再度幸樹が反応する。
「どうやったらそのチップを獲得することができるんだ?」
『チップの獲得方法は一つだけです。これから開催される5つのライフゲームの勝利報酬です。全てのゲームが終了した際、所持しているチップの数が多かった人から5名のみをクリアとします。』
残りの人はどうなるのか。さすがの幸樹もそこまではつっこめなかった。
『それでは明日のゲームのルールを説明させていただきます。』
―――――――――――――――――――――――――――――――
「ねぇ、すごろく楽しかったね!よかったら夕飯食べ終わった後もやらない?」
新田咲菜がボードを片付けながら言う。
「私は全然おっけーだよ。」
優菜がうなづく。
「私も!」
香奈もうなづいた。
「ごめんなさい。私、夕飯の後は藤原さんとお茶をする約束をしてしまったから。」
春香がごめんと謝る。
「ううん、全然大丈夫だよ。」
咲菜は笑い飛ばす。
「今日の夕飯なんだと思う?」
香奈が尋ねると優菜はすごろくを棚にしまって振り返る。
「うーん、予想だけど。ステーキじゃない?だって昼であんなに豪華だったんだよ。夜はもっと豪華じゃないとね。」
「わぁ!ステーキとかすっごく嬉しい!」
香奈が嬉しそうに言う。
「どうせ出るなら黒毛和牛とかにして欲しいよね。春香は?ステーキとか食べ飽きた感じ?」
咲菜が尋ねると、俯いて話を聞いていた春香は慌てて首をふる。
「べ、別に食べ飽きたとかそういう感情はない、かな?いつも味付け違うし。」
「そことなーく会話にお嬢様感半端なく出てるんだよね。」
咲菜は遊戯室の扉を開けて振り返る。
「え?そう?」
春香は首をかしげる。
「うん。いつも味付け違うってところ。いつも、ってことは毎日食べてるんだね。やーいお嬢様!」
咲菜が言うと春香は顔を赤くして反論する。
「咲菜と優菜もお嬢様でしょ。私のこと言えないと思うけど。」
「でもねぇ。私たちは元庶民だから。そもそもの血筋が違うのよ。春香は藤波グループのお嬢様じゃん!!」
優菜の言葉に咲菜はうなづいた。
「やめてよぉ。」
春香がしょんぼりすると咲菜と優菜が笑う。
「もぉ、柄にもなく落ち込まないでよ。お嬢様って言ったらオホホとか言ってそうなイメージあるのに春香、全然違うもんね。」
優菜が春香の肩をバシバシと叩く。
「痛いよぉ、もう。早く食堂行こ。」
拗ねた春香は咲菜の横を擦りぬけて廊下へと出る。そのまま階段を駆け下りて行った春香の後ろ姿を見送った3人は吹き出した。
「春香、かわいいー。」
「さすがお嬢様。」
「オーラが半端ないー。」
口々に言う。3人は笑いながら階段を降りて食堂に向かった。
「うわぁ!!すごい!!ステーキ!!」
食堂の扉を開けて、咲菜たちは歓声をあげた。
「もう、遅いよ。」
先に席に座っていた春香が3人に手招きする。
「藤原さん!お隣失礼します!」
春香の右横に座っていた陽菜に軽く頭を下げて香奈は横に座った。
「あ、はい。」
陽菜はぎこちなくうなづいた。そして全員が席に座り、それぞれ食前の挨拶をして食べ始めようとしたとき、放送が流れた。
『皆さんこんばんは。お夕食の前に失礼します。初めまして今回のライフゲームの放送を担当させていただきます田島と申します。どうぞよろしくお願いします。』
全員がぽかんとしたような表情で放送を聞いている。
「ライフゲーム……?」
井上彩が聞きなれない単語に反応する。
『はい、これからプレイヤーの皆様にはライフゲーム、というものに参加していただきます。ただし参加拒否された場合にはお持ちのチップから1枚引かせていただきます。』
「チップ?」
確かにそんなものあったな、というように幸樹が言った。
「これのことか……?」
それは今日の昼の時点で食堂に1席に10枚置かれていた青色のコインのようなチップだ。全員がポケットからチップを出し、机に置く。
『はい、それのことです。これ以後、皆さんが持っている10枚のチップは皆さん1人1人の残りのライフとなります。またそちらのチップ残量はこのゲームをすべてクリアした際にも重要になってきますので注意してください。またチップは交換不可となっております。一度獲得したチップは誰かに譲渡することはできません。』
チップを獲得する、という言葉に再度幸樹が反応する。
「どうやったらそのチップを獲得することができるんだ?」
『チップの獲得方法は一つだけです。これから開催される5つのライフゲームの勝利報酬です。全てのゲームが終了した際、所持しているチップの数が多かった人から5名のみをクリアとします。』
残りの人はどうなるのか。さすがの幸樹もそこまではつっこめなかった。
『それでは明日のゲームのルールを説明させていただきます。』
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