憐の喜び〜あなただけ知らない〜

一茅苑呼

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第九章 ── 関谷 友理 ──

『さよなら』

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 「さよなら。
  もう、……終わりだね」


 いつか来るはずの別れ
 来なければいいと
 願っていたのに


   刹那の想いに とらわれて
   永遠の別れを 受け入れる


 「終わりになんて、しないで」


 声の限りに叫んでも
 きっと あなたには届かない


    決意は日々 揺れ動いて
    弱い心を思い知らされる


  唇が触れた瞬間
  何もかも すべて忘れて

  あなたを想う心だけ
  残せたら いいのに



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