【完結】拾った猫が超絶美少女だったので、彼女を救うため異世界に行って来ます!

一茅苑呼

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エピローグ

2.感動の対面?

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     ◆ ◆ ◆

オレは自分の部屋に戻っていた。


この机、このベッド、この直哉なおやからもらったマラドーナのポスター……皆、みーんな、オレのだぜっ!

飛び上がりたいほど喜んで、でも同時に、別れ際のエマの言葉を思いだして、素直に喜べなかった。

うん……オレも、エマのこと好きだったよ。
一緒に行動することが多かった分、よけいに。

ふうっと溜息をついて、ベッドに身を投げる。

あ……そうだ。
親父、どうしてるかな。

オレは親父の書斎をめざして駆け込んだ。

「親父っ!」

勢いよく扉を開けると、目を落としていた書物から顔を上げ、親父は驚いたようにオレを見た。

「与太郎……」
「親父!」

感動の親子の対面───に、なるはずが、親父のシビアな声に耳を疑った。

「まだいたのか……?」

は?
な、なんだよ、この反応。

「もう行ったものだとばかり、思っていたぞ」

え………えぇっ?

意味不明な親父の言葉に、まさかと思い、壁にかけられた日めくりのカレンダーを見た。

17日───。

息をのんだ。

17日、って……。オレがエマと、スメルムーンに旅立った日じゃないかっ。

そんな、バカな……。

へなへなと力が抜け、オレは床に両ひざをついた。

つ、つまり何か?
こっちの時間の流れと、向こうの時間の流れは、違うってことか?

「親父……また、あとでな。そのとき、きちんと説明するよ……」

力なく親父に言い残し、オレは書斎をあとにした。





それから、香緒里かおりに電話をかけた。

事情を説明したが、香緒里はオレがからかったのだと勘違いしたらしく、

「もう二度と、与太郎くんと口きかないから。話しかけてこないで」

と、一方的に電話を切られた。

ちょっと、待ってくれよぉ……。
一番びっくりしているのは、このオレなんだぜ?

もう少し、いたわってくれても、いいじゃないかよー……。



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