【完結】イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!

一茅苑呼

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❖グレイな恋人❖

異種接近交遊 Part.2『交接』

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「前の……あのたどたどしいしゃべりの時の声は?」
「んー……アレ、『仕事用』だからなぁ。僕の母星語とこの国の言語の親和性と解析レベル、あえて落としてるし。
第一、秋良さん、中身が一緒ならどっちでも構わないって、言ってくれたじゃないですか」

後ろから私をのぞきこむライの顔が、ふてくされ感全開で……ムダに可愛い。

ひょっとして、これも計算?
実はライって、小悪魔系?

「……分かったわよ。そのまま……緒方さんの声でいい。許す」

うん、私も自分をゆるそう。この役得感満載な『恋人が緒方ヴォイス』なのを。

「やった! じゃ、解決ってことで。……もう一回いいですか?」
「あのさ、ソレなんだけど……」

ライの唇と指先の行方に、申し訳ないけどストップをかける。

さっきは欲望に流されたし、久しぶりに堪能させてもらったけどね。

やっぱり、ここはハッキリさせておきたいというか、なんというか。


「ライ、それ……コレ、なのかな? 外皮スーツって言ったじゃない?」
「はい」
「その……つまり、ホントのライの身体は、その外皮の下にいるっていうか、あるんだよね?
それってその……いいの?」

───仕組みは、よく解らないけど。
漠然と、ライの『本来の身体』的には、この行為って……気持ちイイのかな、なんて。
考えてしまったというか、なんというか。

私だけ良かったり……というのは、なんか、申し訳ないというか。

そもそもさ。
外見? 外形? は、地球人と一緒ってあり得ないと思うし。

さっき好奇心に負けて見たライのプライベートゾーンが、普通に普通の過去に見た記憶のと同じ……だった気がするんだよね。

いや、個人差はあるだろうけどね。色とか形とか大きさとかね。……何言ってるんだろうね?

「ああ……なるほど。
やっぱり、僕、秋良さんのそういうトコ、すごく好きだなぁ……」

ライはようやく納得がいったようにうなずくと、私の身体を後ろからぎゅうっと抱きしめた。
……息遣いがやらしいのは、もう、仕様なんだよね、その翻訳機とやらの。

未だ慣れないい声に、内心で茶化すことしかできない私の肩に、ライがあごをのせる。

「その説明、あとでちゃんとしますので。
いまはもう……秋良さんのコト、食べても、いい、デスか?」

熱い吐息が私の耳をくすぐるように告げる。

「……またカタコトに戻ってるし」
「秋良さんの、せい、デスよ?」

くすっと笑いをこぼした唇が、頬に触れて。
情欲をあおる指先が、私の身体に卑猥ひわいな軌跡を描く。

必然的にあがる私の息遣いに、ライの「可愛い」とささやく声音が重なって、身体の奥がうずくのが分かった。

あとで説明するというライの言葉を信じて、私は私の欲望のままライを受け入れて、しがみつく。

むさぼるようなくちづけを交わしながら、繋がって、揺れる行為。

いやらしく耳を侵す水音も、私の内側をこする刺激も。
当たり前の恋人同士のソレなのに。

───私とライって、何が違うの?

頭の片隅で冷静な私が疑問に思う一方で、私は私のなかの本能に従い、身体を埋めつくす心地よい波に自分をゆだねていた。




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