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第七章 喫茶店にて
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「なかなか良い雰囲気の喫茶店ですね」
「そうですね」
「じゃあ、ゆっくり話ましょうか?」
「はい」
「えっーと。何から話した方が良いんですかねぇ?」
「あれですよ。何で、俺の彼女の事を知っていたのかですよ」
「あー。それからですかぁ。ちょっと話すと長くなりますよ」
「分かりました。お願いします」
「えっとですね。単刀直入に言うとですねぇ、私はこの世界の者じゃな…」
[あ!やばい。だめだ!これを言ってしまうと、あなたも与田さんという人に作られた作り物ですって事まで話さないといけなくなってしまうんだった]
「この世界の者じゃな?どういう事ですか?」
「あ、い、いや、間違えました」
[ど、どうしよう。どうにかしてでも話題を変えないと]
「えっとー。やっぱり私の話はやめて輝魅、君の話にしないかい?」
[あっあぶな~。輝魅っていう所だったよ。こんな事いったらもっと怪しまれちゃうよぉ。でも、名前がきみで君とかにも言えるから良かったぁ。ナイス名前!]
「俺の話ですか?」
「はい」
「っていうか、何か面白い人ですね。名前は何て言うんですか?」
「加藤?加藤にでもしておきましょうかな」
[あれ?何で加藤なんだ?自分の本当の名前は加藤なんかじゃなかったはずなのに…。ってか、自分の名前って何だったっけ?やばいなぁ]
「加藤?加藤さんですか?」
「あ、そうです。あなたの名前は?」
「輝魅です」
「へ、へぇー。そうなんですねぇ」
[まぁ、知ってたけどねぇ]
「で、本当に加藤さんは変わったっていうか面白い人ですね!」
「そ、そうですか?」
「だって、なんか俺達の事をいろいろ知ってそうだし、占い師じゃないのに占い師やってるとことか。なんか、面白いです!結構そういう変わった人、好きなんですよね!仲良くなれそうな気がします‼︎」
「ほ、本当ですか⁉︎」
[よっしゃあ、きたー‼︎仲良くなれそうなチャンス‼︎]
「じゃあ、お互いタメ口にでもします?」
「そうですね!そうしましょう!」
「やったぁ!じゃあ、ここからはタメ口禁止ですよ!」
「オッケー」
「いいねぇ。じゃあ、輝魅から話してよ!」
「しょうがないなぁ!良いよ」
「やった」
[何かタメ口になって、仲良くなった気がするけど、違和感しかないなぁ。まぁいっか]
「俺にはね、いまにも忘れられない日があるんだ。本当にあの日の事はいまでも忘れられないなぁ」
「そうなんだ。そんな日があったんだ。で、あの日の事って何なの?」
「その前に、俺の彼女の話からするよ」
「うん」
「俺の彼女は美希って言ってね。美希とは幼い時からの幼馴染で仲が良かったんだ。だからね、中学一年生の時に付き合い始めたんだ。それからもずっと、一緒になるはずだったのに…。あんな事になるなんて」
[って、あれだなぁ。〝永遠の接吻〟の話の内容に似てるなぁ。まぁ、そりゃそうか。あ、でも、知らないふりをしないとなぁ]
「あんな事って?」
「いや、そんな事より先に美希との思い出を話すよ」
「分かった」
「美希との思い出は、たくさんあるけど、何が良いかな?」
「えー。じゃあ、初めてキスをした時の話がいいかなぁ?」
[あれ?何でだ?なんで初めてキスをした時の事なんか聞いてんだろう?気まずいに決まってるのに]
「え⁉︎初めてキスをした時の話が良いって?ちょっと恥ずかしいなぁ」
[ほら、戸惑ってじゃん。嫌われちゃうよ]
「うーん。気になるなぁ」
[え?何でそんな事言ってるの]
「しょうがないなぁ。分かったよ。話すよ」
「やったぁ」
[まだ、嫌われてはないみたいだけど…]
「俺と美希の初めてのキスは中学2年生の時だった。このキスは俺にとって、初めてのキスでもあったんだ」
「へぇー。じゃあ、人生初のファーストキスだったって事かなぁ。自分はまだキスなんかしたこともないや。良いなぁ。でも、何かキスをしたきっかけでもあったの?」
[やばい、どうしちゃったんだろう?口が勝手に動いてる]
「それが、いつもは元気が良い美希だったのだが、その日は元気がなかったんだよ。なんか話を聞いてみると、美希が友達と喧嘩してしまったらしいんだ」
「あー。そうなんだ」
[多分これが、美結との喧嘩だったんだろうなぁ]
「だから、俺は慰める代わりに体育館の裏に呼び出して、そっとキスをしたんだ」
「えー。すごいなぁ。自分にはそんな事、絶対にできないなぁ。美希さんはどんな反応だったの?」
「あー。美希は少しびっくりしていたみたいだが、ちょっとは元気になったみたいだったよ。そして、〝ありがとう!〟とだけ言ってどこかにいってしまったよ。まあ、美希との初めてのキスの話はこんな感じかな?他の思い出の話は何が良い?」
「うーん。もう良いかなぁ。結構お腹いっぱいかも。やっぱり、早くあの事の話が聞きたいかなぁ?」
[また、勝手に口が動いてる]
「え⁉︎もう良いって?早く、あの事の話をしてだって?」
「うん。聞きたいかなぁ。気になる!」
「分かった。分かったよ。話すよ」
「やったぁ。ありがとう」
「あの事っていうのは、中学3年生の卒業式の帰り道に起きた事なんだけど」
「うん」
「単刀直入に言うと、美希が交通事故にあってしまったんだよね…」
「え⁉︎」
[知ってたけど…]
「運良く、身体《からだ》に致命傷は負わなかったらしいんだけど、事故の時に頭を地面に強くぶつけてしまって、記憶を失ってしまったんらしいんだ…」
「あ、そうだったんだ。全部の記憶がなくなったの?」
「いや、家族の事とかは何とか覚えているらしいけど、俺達の事はもう覚えていなくて、俺もだけど美希も悲しんでいるらしいんだ」
「そ、そうだったんだ…」
「どう、分かった?もう、最悪だよ…」
「そうだったんだね。そんな辛い事があったんだ。そんな事、思い出させちゃってごめんね」
[あれ?本当だ?何でだ?輝魅が辛かった事は本を読んでいて分かっていたはずなのに、こんないやな事を思い出せるような、変な質問をしちゃったんだろう?おかしいなぁ。自分が自分じゃないみたいだ。あ、確か口が勝手に動いたような?何でなんだ?]
「そうですね」
「じゃあ、ゆっくり話ましょうか?」
「はい」
「えっーと。何から話した方が良いんですかねぇ?」
「あれですよ。何で、俺の彼女の事を知っていたのかですよ」
「あー。それからですかぁ。ちょっと話すと長くなりますよ」
「分かりました。お願いします」
「えっとですね。単刀直入に言うとですねぇ、私はこの世界の者じゃな…」
[あ!やばい。だめだ!これを言ってしまうと、あなたも与田さんという人に作られた作り物ですって事まで話さないといけなくなってしまうんだった]
「この世界の者じゃな?どういう事ですか?」
「あ、い、いや、間違えました」
[ど、どうしよう。どうにかしてでも話題を変えないと]
「えっとー。やっぱり私の話はやめて輝魅、君の話にしないかい?」
[あっあぶな~。輝魅っていう所だったよ。こんな事いったらもっと怪しまれちゃうよぉ。でも、名前がきみで君とかにも言えるから良かったぁ。ナイス名前!]
「俺の話ですか?」
「はい」
「っていうか、何か面白い人ですね。名前は何て言うんですか?」
「加藤?加藤にでもしておきましょうかな」
[あれ?何で加藤なんだ?自分の本当の名前は加藤なんかじゃなかったはずなのに…。ってか、自分の名前って何だったっけ?やばいなぁ]
「加藤?加藤さんですか?」
「あ、そうです。あなたの名前は?」
「輝魅です」
「へ、へぇー。そうなんですねぇ」
[まぁ、知ってたけどねぇ]
「で、本当に加藤さんは変わったっていうか面白い人ですね!」
「そ、そうですか?」
「だって、なんか俺達の事をいろいろ知ってそうだし、占い師じゃないのに占い師やってるとことか。なんか、面白いです!結構そういう変わった人、好きなんですよね!仲良くなれそうな気がします‼︎」
「ほ、本当ですか⁉︎」
[よっしゃあ、きたー‼︎仲良くなれそうなチャンス‼︎]
「じゃあ、お互いタメ口にでもします?」
「そうですね!そうしましょう!」
「やったぁ!じゃあ、ここからはタメ口禁止ですよ!」
「オッケー」
「いいねぇ。じゃあ、輝魅から話してよ!」
「しょうがないなぁ!良いよ」
「やった」
[何かタメ口になって、仲良くなった気がするけど、違和感しかないなぁ。まぁいっか]
「俺にはね、いまにも忘れられない日があるんだ。本当にあの日の事はいまでも忘れられないなぁ」
「そうなんだ。そんな日があったんだ。で、あの日の事って何なの?」
「その前に、俺の彼女の話からするよ」
「うん」
「俺の彼女は美希って言ってね。美希とは幼い時からの幼馴染で仲が良かったんだ。だからね、中学一年生の時に付き合い始めたんだ。それからもずっと、一緒になるはずだったのに…。あんな事になるなんて」
[って、あれだなぁ。〝永遠の接吻〟の話の内容に似てるなぁ。まぁ、そりゃそうか。あ、でも、知らないふりをしないとなぁ]
「あんな事って?」
「いや、そんな事より先に美希との思い出を話すよ」
「分かった」
「美希との思い出は、たくさんあるけど、何が良いかな?」
「えー。じゃあ、初めてキスをした時の話がいいかなぁ?」
[あれ?何でだ?なんで初めてキスをした時の事なんか聞いてんだろう?気まずいに決まってるのに]
「え⁉︎初めてキスをした時の話が良いって?ちょっと恥ずかしいなぁ」
[ほら、戸惑ってじゃん。嫌われちゃうよ]
「うーん。気になるなぁ」
[え?何でそんな事言ってるの]
「しょうがないなぁ。分かったよ。話すよ」
「やったぁ」
[まだ、嫌われてはないみたいだけど…]
「俺と美希の初めてのキスは中学2年生の時だった。このキスは俺にとって、初めてのキスでもあったんだ」
「へぇー。じゃあ、人生初のファーストキスだったって事かなぁ。自分はまだキスなんかしたこともないや。良いなぁ。でも、何かキスをしたきっかけでもあったの?」
[やばい、どうしちゃったんだろう?口が勝手に動いてる]
「それが、いつもは元気が良い美希だったのだが、その日は元気がなかったんだよ。なんか話を聞いてみると、美希が友達と喧嘩してしまったらしいんだ」
「あー。そうなんだ」
[多分これが、美結との喧嘩だったんだろうなぁ]
「だから、俺は慰める代わりに体育館の裏に呼び出して、そっとキスをしたんだ」
「えー。すごいなぁ。自分にはそんな事、絶対にできないなぁ。美希さんはどんな反応だったの?」
「あー。美希は少しびっくりしていたみたいだが、ちょっとは元気になったみたいだったよ。そして、〝ありがとう!〟とだけ言ってどこかにいってしまったよ。まあ、美希との初めてのキスの話はこんな感じかな?他の思い出の話は何が良い?」
「うーん。もう良いかなぁ。結構お腹いっぱいかも。やっぱり、早くあの事の話が聞きたいかなぁ?」
[また、勝手に口が動いてる]
「え⁉︎もう良いって?早く、あの事の話をしてだって?」
「うん。聞きたいかなぁ。気になる!」
「分かった。分かったよ。話すよ」
「やったぁ。ありがとう」
「あの事っていうのは、中学3年生の卒業式の帰り道に起きた事なんだけど」
「うん」
「単刀直入に言うと、美希が交通事故にあってしまったんだよね…」
「え⁉︎」
[知ってたけど…]
「運良く、身体《からだ》に致命傷は負わなかったらしいんだけど、事故の時に頭を地面に強くぶつけてしまって、記憶を失ってしまったんらしいんだ…」
「あ、そうだったんだ。全部の記憶がなくなったの?」
「いや、家族の事とかは何とか覚えているらしいけど、俺達の事はもう覚えていなくて、俺もだけど美希も悲しんでいるらしいんだ」
「そ、そうだったんだ…」
「どう、分かった?もう、最悪だよ…」
「そうだったんだね。そんな辛い事があったんだ。そんな事、思い出させちゃってごめんね」
[あれ?本当だ?何でだ?輝魅が辛かった事は本を読んでいて分かっていたはずなのに、こんないやな事を思い出せるような、変な質問をしちゃったんだろう?おかしいなぁ。自分が自分じゃないみたいだ。あ、確か口が勝手に動いたような?何でなんだ?]
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