双子攻略が難解すぎてもうやりたくない

はー

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家に帰るとアイスを冷凍庫に素早く入れる。
アイスを一本取り出すと少し溶けていた。

「溶けてる…」

アイスを食べるのを諦め冷凍庫に戻した。

部屋に戻りもう一度持ち物を確認する。
明日は東雲先輩の別荘で合宿だ。高校生の男女が一つ屋根の下で過ごすなんて存在しないと思っていたがここは乙女ゲームの世界。
青春な感じがして楽しみだ。




時刻は8時半
少し早いが家を出る。学園につくと先客がいた。

「…早乙女くん…おはよう」

「…あぁ」

俺はよく知っているが早乙女夏樹からしてみれば俺は喋ったこともない他人。
気まずすぎる…
何か話題はないものか?色々悩み共通の話題を振ってみる。

「合宿楽しみですね」

「…あぁ」

「……」

「……」

会話終了…




「一宮さん」

俺が呟いた瞬間辺りを見渡す早乙女夏樹。
これはもしかして…

「一宮さんの事好きなんですか?」

「…いや!!そんなわけないだろう!?」

明らかに動揺している。さすがはツンデレメガネ早乙女夏樹だ。そう簡単には答えてくれない。

「そうなんですか…早乙女くんが一宮さんの事好きなら協力しようと思ったのに…」

「…協力だと?」

「はい、一宮さんと2人になる時間を作る手伝いとか何でも協力をと思ったんですけど…」

早乙女夏樹はより一層険しい顔をする。
子供が見たら泣いてしまうだろう。それほど怖い顔だった。

「…何が目的だ」

搾り出すように言った言葉に少し考えてから答えた。

「目的なんてありませんよ。2人に幸せになって欲しいんです。」

早乙女夏樹はその言葉を聞いて納得はせず俺を疑っているようだった。
仕方がないのだ。俺の目的は最初からゲームで起こった事をこの目で拝みたいと言う事だから。

それ以外に理由なんてないのだ。

「裏切ったらお前を殺すからな…」

物騒な事を言う早乙女夏樹の顔はやはり怖かった。
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