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1番聞きたかった事を聞く事にした。
部屋の温度が一気にあがったように錯覚する。
いや、本当に上がったのかも知れない。
俺の手も額も汗をかいていた。

「…なんで初めましてって言ったんだ?」

「ん?」

俺とは対象に兄は汗を一つもかいていない。涼しい顔をしている。

「如月兄弟と会った時初めて会ったように会話してた。それはなんで?」

「特に理由はないよ?会うのは久しぶりだったんだ。俺が17の時だぞ?あっちは12歳。外見が変わっていてわからなかったんだよ。」

一理あるが驚いた理由にはならない気がした。
兄はもうこの話は終わりだと言うように違う話をしだした。

「俺も聞きたかったことがあるんだ。」

「…何?」

兄はベッドから立ち上がり俺の頬を撫でながら言った。

「なんで急にストーカー行為を辞めたんだ?」







兄弟同士での距離はどこまでが正常なのだろうか。家庭によって違うのかも知れないが16歳の弟の頬を撫でるのは果たして普通なのだろうか?
死ぬ前の俺は姉に蹴られた事はあっても撫でられた事なんてない。男女の違いなのかどうなのか正解がわからない。けど今の俺はこの行動を正常だと認識できなかった。

「急に何??」

撫でる手を振り払い。兄を見る
明るいはずの室内が何故か異様に暗く感じる。

「まるで別人みたいだ」

兄はそう言うと俺の首筋に噛みついた。



「…っ痛…」

「…綺麗についた」

兄を突き飛ばし椅子から立ち上がる。

「なんでこんな事!!」

兄は首を傾げて不思議そうに俺を見る。

「?子供の時からしていた事だろ??」

「…はぁ?」

「4月から会ってなかったから忘れたのかよ…
まぁいいや。怒らないからさ…もう忘れるなよ」

急に真顔になった兄を見て底知れぬ恐怖を感じ寒気がした。
ただの仲良し兄弟ではない事を確信した。
真顔から笑顔に戻った兄は俺を置いて部屋を出て行った。
もう一度首筋に触る

「…やっぱり痛い…」
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