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交差
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「…そんなことがあったんだ、、」
春野は、秋風が話終わるまで静かに話を聞いていた。
「冬弥、どうしちゃったんだろう…」
「わからない。だけど中学校の頃と変わっていたのは確かだ」
中学時代の天羽は他人を思いやれる人だった。
決して口数が多いという訳ではなかったが、発せられる言葉や行動から皆に信頼されていた。
春は、花粉症だからこの時期は辛いんだよねーと鼻は真っ赤になり、目のかゆみにも耐えながら。
夏は、立ってるだけで汗が吹き出てくるよと、文字通り身体から滝のように流れ落ちてくる汗をタオルで拭きながら。
秋は、この夕焼けの中でする部活が1番好きだと、段々と日の入りが早くなってきている陽が傾き、まるでこの世界が一色に染められたのかと感じるような橙色に染まった校庭を見て。
冬は、寒すぎるから早く身体動かして暖まろうぜと、昨夜降った雪の影響で一面銀世界となったグラウンドの上で。
天羽は非常に楽しそうに部活をやっていた。
非常に楽しそうに陸上を行っていた。
その天羽が勝利に固執するようになるとは。
「冬弥の事は気になるけど、今は情報が少なすぎるし、私たちに今出来ることは来週から始まる総体を全力で走ることじゃない?」
春野が夜空を見上げながら高らかに宣言した。
「あぁ、そうだな」
秋風も春野に倣うように顔を上げ夜空を眺める。
暗然たる夜空に月のみが存在している。
ーそういや、満月が近いって今朝のニュースで言ってたっけなー
「そして、隼人がベストの走りをして冬弥に証明するんだよ!」
「…俺は何を証明すれば良いんですか颯希さん」
「ん、えーと、それは、あれだよ。…まぁとにかく来週頑張ろうって話!」
「なんだよそれ。…そうだな、頑張らないとな、お互い」
秋風はそう言い、立ち上がって春野の方を向いた。
春野も秋風の方を向いている。
春野の顔が月夜に照らされている。(正確には太陽の光によって月は輝いているらしい)
春野に話して良かった。そう思う秋風であった。
春野は、秋風が話終わるまで静かに話を聞いていた。
「冬弥、どうしちゃったんだろう…」
「わからない。だけど中学校の頃と変わっていたのは確かだ」
中学時代の天羽は他人を思いやれる人だった。
決して口数が多いという訳ではなかったが、発せられる言葉や行動から皆に信頼されていた。
春は、花粉症だからこの時期は辛いんだよねーと鼻は真っ赤になり、目のかゆみにも耐えながら。
夏は、立ってるだけで汗が吹き出てくるよと、文字通り身体から滝のように流れ落ちてくる汗をタオルで拭きながら。
秋は、この夕焼けの中でする部活が1番好きだと、段々と日の入りが早くなってきている陽が傾き、まるでこの世界が一色に染められたのかと感じるような橙色に染まった校庭を見て。
冬は、寒すぎるから早く身体動かして暖まろうぜと、昨夜降った雪の影響で一面銀世界となったグラウンドの上で。
天羽は非常に楽しそうに部活をやっていた。
非常に楽しそうに陸上を行っていた。
その天羽が勝利に固執するようになるとは。
「冬弥の事は気になるけど、今は情報が少なすぎるし、私たちに今出来ることは来週から始まる総体を全力で走ることじゃない?」
春野が夜空を見上げながら高らかに宣言した。
「あぁ、そうだな」
秋風も春野に倣うように顔を上げ夜空を眺める。
暗然たる夜空に月のみが存在している。
ーそういや、満月が近いって今朝のニュースで言ってたっけなー
「そして、隼人がベストの走りをして冬弥に証明するんだよ!」
「…俺は何を証明すれば良いんですか颯希さん」
「ん、えーと、それは、あれだよ。…まぁとにかく来週頑張ろうって話!」
「なんだよそれ。…そうだな、頑張らないとな、お互い」
秋風はそう言い、立ち上がって春野の方を向いた。
春野も秋風の方を向いている。
春野の顔が月夜に照らされている。(正確には太陽の光によって月は輝いているらしい)
春野に話して良かった。そう思う秋風であった。
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