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私、ざまぁ系ヒロインに転生してしまったかも……!?
嫌う理由は……
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晩餐の席は、一先ず穏やかに始まった。
今は義弟もいるし、食後のお茶が運ばれてニクラスが退席した後に本題に入ろうと、ロジーネお義姉様とも話し合っていた。
先日同様――いや明らかに数段機嫌が悪い義父が、かぱかぱと赤ワインを水のように流し込んでいく。
私達の目の前の皿には脂控えめの赤みのお肉のローストビーフをのせたサラダが盛られているのだが。
義父の皿には酒に合うコッテリ系の味付けの豚バラの煮込みが盛られている。
一片、二片なら美味しそうだけど、あんな山盛り食べたら胃もたれや胸焼けしそうだ。
因みに義弟の皿にはサラダと控えめに盛り付けられた煮込みが半々に盛られている。
味付けはお子様仕様に変えてあるらしく、ニクラスは男の子らしく嬉しそうに肉を頬張っていた。
そして、デザートも済んだ頃。
「ニクラス、明日は先生が早めにいらしてダンスのレッスンをするそうです。
今夜は夜更かしせず早く寝るのですよ」
と、義母が気を利かせてニクラスに声をかけ、使用人達が彼を寝室へと誘い食堂から連れ出して行く。
そして私達の前にはお茶、義父の前には更なる酒が注がれた。
「……さて、お前たちが知っているかは知らんが、先日実に不愉快な法案が議会で可決されてしまった。
そしてその法案の為、王宮より私を通してお前たちにお声掛りがあった」
その酒をやはり水か何かのようにかぱりと干しながら、苦々しい表情で尋ねた。
「お前達、この国の学園以外の学校になんぞ勿論興味は無いよな?」
当然、義父の望む答えはNO一択。
しかし、私達が選ぶのはその反対。
「いいえ。……これまで私に選択肢は無く、学園へ入学し、無事卒業できなければまともな暮らしも出来ぬと言われればそれを望む他ありませんでした。
ですが、別の選択肢を選ぶ事が可能なのでしたら、私はそちらを選びたく存じますわ」
「わ、私も! 私も、もっと色々学びたく! ……その、留学をお許し願えませんでしょうか!」
まさか姉妹揃って自らが望むのと逆の答えを返してくるとは思っていなかった侯爵は、一瞬豆鉄砲を喰らった鳩の様に目を丸くして固まった。
……が、それは本当に一瞬の事。
そこ答えを酒と共に飲み込み消化して、しっかり理解した後。
「ふざけるな!」
と。
一気に酔いが回ったかのように顔を真っ赤にして大声を上げ、手にしたグラスを投げつけた。
……この侯爵家の食堂にある巨大なテーブルは重いから無理だったようだが、可能ならちゃぶ台……ならぬテーブル返しでもしていただろう激昂具合だ。
びくともしないテーブルをバンバンと両手で叩きつけ、
「この! ガイア教会総本部があり、ティタニア様の巫女たる聖女様のおわす誇り高きセイントランド聖国の! 由緒正しき侯爵家に紛う事無き人族として生まれながら!
我らの方針に盾突き勝手に国を創った逆賊共の、人モドキがうようよいる国に! 何を学ぶ事があると言うのだ!」
駄々っ子の様に喚き散らす。
そう、かつて存在したシルヴェスター神聖国は、今のセイントランド聖国と五十歩百歩な国だった――らしい。
そしてそんな国の体制に反旗を翻し、独立を勝ち取り新たな国を創ったのが隣国のフライハイト王国、元の体制をほぼそのまま引き継いだのがのセイントランド聖国。
二国のいざこざの全てはそこから始まっていると言って良い。
だけど、正直セイントランド聖国に残っているのは歴史と、そして下らないプライドくらい。
一方のフライハイト王国は成長を続け、世界でも有数の豊かな国へと発展しているのに、この国はそれに倣うのではなくいつか掠め取ってやろうと考えているとしか思えないくらい相手方のミスを誘おうとちょっかいばかり出している。
そんな両者の学校を比べてどちらへ行きたいか、なんて……。
答えは決まっているでしょう?
今は義弟もいるし、食後のお茶が運ばれてニクラスが退席した後に本題に入ろうと、ロジーネお義姉様とも話し合っていた。
先日同様――いや明らかに数段機嫌が悪い義父が、かぱかぱと赤ワインを水のように流し込んでいく。
私達の目の前の皿には脂控えめの赤みのお肉のローストビーフをのせたサラダが盛られているのだが。
義父の皿には酒に合うコッテリ系の味付けの豚バラの煮込みが盛られている。
一片、二片なら美味しそうだけど、あんな山盛り食べたら胃もたれや胸焼けしそうだ。
因みに義弟の皿にはサラダと控えめに盛り付けられた煮込みが半々に盛られている。
味付けはお子様仕様に変えてあるらしく、ニクラスは男の子らしく嬉しそうに肉を頬張っていた。
そして、デザートも済んだ頃。
「ニクラス、明日は先生が早めにいらしてダンスのレッスンをするそうです。
今夜は夜更かしせず早く寝るのですよ」
と、義母が気を利かせてニクラスに声をかけ、使用人達が彼を寝室へと誘い食堂から連れ出して行く。
そして私達の前にはお茶、義父の前には更なる酒が注がれた。
「……さて、お前たちが知っているかは知らんが、先日実に不愉快な法案が議会で可決されてしまった。
そしてその法案の為、王宮より私を通してお前たちにお声掛りがあった」
その酒をやはり水か何かのようにかぱりと干しながら、苦々しい表情で尋ねた。
「お前達、この国の学園以外の学校になんぞ勿論興味は無いよな?」
当然、義父の望む答えはNO一択。
しかし、私達が選ぶのはその反対。
「いいえ。……これまで私に選択肢は無く、学園へ入学し、無事卒業できなければまともな暮らしも出来ぬと言われればそれを望む他ありませんでした。
ですが、別の選択肢を選ぶ事が可能なのでしたら、私はそちらを選びたく存じますわ」
「わ、私も! 私も、もっと色々学びたく! ……その、留学をお許し願えませんでしょうか!」
まさか姉妹揃って自らが望むのと逆の答えを返してくるとは思っていなかった侯爵は、一瞬豆鉄砲を喰らった鳩の様に目を丸くして固まった。
……が、それは本当に一瞬の事。
そこ答えを酒と共に飲み込み消化して、しっかり理解した後。
「ふざけるな!」
と。
一気に酔いが回ったかのように顔を真っ赤にして大声を上げ、手にしたグラスを投げつけた。
……この侯爵家の食堂にある巨大なテーブルは重いから無理だったようだが、可能ならちゃぶ台……ならぬテーブル返しでもしていただろう激昂具合だ。
びくともしないテーブルをバンバンと両手で叩きつけ、
「この! ガイア教会総本部があり、ティタニア様の巫女たる聖女様のおわす誇り高きセイントランド聖国の! 由緒正しき侯爵家に紛う事無き人族として生まれながら!
我らの方針に盾突き勝手に国を創った逆賊共の、人モドキがうようよいる国に! 何を学ぶ事があると言うのだ!」
駄々っ子の様に喚き散らす。
そう、かつて存在したシルヴェスター神聖国は、今のセイントランド聖国と五十歩百歩な国だった――らしい。
そしてそんな国の体制に反旗を翻し、独立を勝ち取り新たな国を創ったのが隣国のフライハイト王国、元の体制をほぼそのまま引き継いだのがのセイントランド聖国。
二国のいざこざの全てはそこから始まっていると言って良い。
だけど、正直セイントランド聖国に残っているのは歴史と、そして下らないプライドくらい。
一方のフライハイト王国は成長を続け、世界でも有数の豊かな国へと発展しているのに、この国はそれに倣うのではなくいつか掠め取ってやろうと考えているとしか思えないくらい相手方のミスを誘おうとちょっかいばかり出している。
そんな両者の学校を比べてどちらへ行きたいか、なんて……。
答えは決まっているでしょう?
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