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終焉

ペナルティ

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    裁判の結果、女神の世界は女神の助力無しに五百年頑張れ、と突き放された格好となった。
    搾取はされないけれど、特に恩恵を受けることもない。……神殿も力を失うだろう。
    それだけ皇族王族の責任は重い。
    それを知らされた民達は、厳しい目を彼らに向けた。
     が……。
    「それは良い。そんなのは元々当たり前の事だろう?」
    和貴らはあっけらかんとその報告を受け流した。
   「それよりこいつはどうなるんだ!」
   「うむ。――彼女に一つ世界を任せることにした」
   「……何?」
   「新たなる世界の神。そうなる以外、冥府からの転生という未来に抗う術はない」
    「神……」
    「そうだ。好きに世界を作ると良い」
    「――一人で、か?」
    「……一人くらいは眷族神が居てもいいかもしれんの?」
    「眷族神……?」
    「そなたがなるか?    今の生を終える覚悟があるなら」
    「……どう言う事だ」
   「記憶や人格は残るが、今の肉体の生は諦めろと言う話だ」
    「つまり、この世界じゃ死ぬって事か」
    「端的に言えばそうじゃな」
    「……それは我らも付いて行けるのか?」
    そばに居た幸守が尋ねた。
    「――出来なくはないが」
    「それ、今すぐじゃなきゃダメか?」
    「うん?」
    「彼女は、この世界の民の事は気にしていた。……彼らが不幸になる事まで彼女は望んじゃいないはずだ」
    だから。
    「お前達は、もう少しこの世界で頑張ってくれないか。大丈夫だって言えるくらい……」
    この世界で一生を過ごして、そうしたら……。
    一緒に新しい世界を盛り立てようじゃないか。
    「今は、俺だけで良い」
    「……はぁ、分かりましたよ。仕方がないですね」
    「アオイ殿をお頼み申し上げますぞ」
    「まぁ、頑張れ」
    「……ああ」
    「――では、登録の為に一度神界へ行くぞ」
    「じゃあな」
     その言葉を最後に、和貴は目を閉じ幸守に倒れかかった。
     まだ暖かい身体は、酷く重くて。
    「あの時、何もかも振り切って行けたの和貴だけだったからねぇ」
    「我々には少々贖罪の時が必要の様ですな」
     彼の遺体を背負い直し、幸守は空を見上げた。
     ちなみにあの元第二皇子は残った魔物退治の現場に駆り出されているらしい。せいぜい苦労すると良い。
     ――彼の国へと遺体を届ければ、彼の部下達が涙目で悔しそうな表情をしていた。
    「……そんな方ではないと、あの時和貴様は我らに示して下さっておりました。それを曇った目で見て見ぬふりをし、和貴様のご意向を妨げようとした、これは我らの罪。我々は今後贖罪のため、一層仕事に打ち込む所存でございます!」
    ……相変わらず暑苦しいところではあるが。
   「この国は、大丈夫そうだね」
    隣国から水路を引く計画も順調のようだし、とその隣国の王子が笑う。
   「では、我々もがんばりますか」
    そして――
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