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召喚されました。

四色の獣たち

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    私の足を舐めかかっていた炎が、水を撒くでもなしに瞬時に鎮火され。
    ほわほわ光るそれが四つ、私の周りを囲い地に降り立つ。
    それは。
    青の龍と。
    朱の鳥と。
    白の虎と。
    黒の亀と蛇。
    ――即ち青龍、朱雀、白虎、玄武と称される、日本ではとされる、ファンタジーでは割りとよく見かける存在だ。
    ……にしても、だ。
    あの四色王子と纏う色が被ってるのって……偶然……?
    ――こいつら四神の長って確か……黄龍……よね?    ――ここには四匹しか居ないけど……色被りはドンピシャだわ。ああ、嫌な予感は加速する。
    「女神の神託ねがいは、勇者に旅して貰うこと」
    「女神は勇者を召喚したことで酷く消耗なさっている」
    「それでも勝つためにはもう一度異界渡りを成功させ、敵陣へ攻め込まなければならない」
    「故に女神は癒しの眠りについた」
    「「「「即ちこの勇者を殺せど代わりは来ぬ。勇者無くして世界の救済は成らず。それは世界と女神の滅びを望むと同じ事」」」」
    ――ああ。この世界の駄目神は、私に死を選ぶ事すら許さないのか。
    「「「「神託に背き滅びを選ぶか、女神の創りし子らよ」」」」
    ――こいつらは。どうあっても私の誇りを踏みにじらなければ気が済まないのか。
    「しかし!    神託に背き女神を侮辱したのはその女自身にございます!」
    「女神は勇者に相応しき力を持つ者を確かに召還した」
    「女神は勇者の力たる我らをここに遣わした」
    「勇者を歓待するは女神の子らの仕事」
    「勇者は異界の者。その説明と説得は女神の子らの仕事」
    「「「「女神は仕事を果たした。……子らよ、その責務を果たすがよい」」」」
    「……くっ、やむを得まい。処刑は中止じゃ、そやつを下ろせ!」
    そうして。
    私は処刑台からひっぺがされ、教会に連れ戻され。
    最早説得もなく、強引に馬車に詰め込まれ、強制的に旅立たされた。
    私の意思など知った事ではないと。死すら覚悟したはずの私のプライドを踏みにじり粉々に割り砕いて。
    私は忌むべき生き物と供に、世界救済の旅へと送り出されたのだった。
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