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4章 農園のヒロイン
第5話 告白
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腹を決めた私はまずカークランド君を訪ねた。
「そのお表情は、どうやら選ばれたようですね」
「……はい」
「そして選ばれた男は残念ながら私ではないらしい」
流石の洞察力……
「いえ、顔に出てますから。私のように物心つく前から表情コントロールを叩き込まれ、それが貴族の標準装備という状況で相手の思考や感情を読む術を鍛え続けた私の目は誤魔化せませんよ」
「ごめんなさい。貴方の読み通り、今日は貴方とのお話を断らせて貰いに来たの」
「一応、敗因をお聞きしても?」
「そうね。私の能力を高く買ってくれたのはまぁ嬉しい……かな。
でもやっぱりどんなにポジティブに考えようとしても、やっぱり私は生まれながらの庶民で、育ちも庶民なのよ。
上に立つ立場は、私にとって気の休まらない日々になる。
そんな生活を一生送るのは……。
仕事の手伝いならするけど、やっぱり貴方の奥さんにはなれないから」
「そう、ですか……」
少しだけ寂しそうに笑い、カークランド君は。
「分かりました。すっぱり諦めますよ。まぁ、2、3日は大目に見てくださいね、私の仕事が滞っても」
と苦笑いを浮かべ。
「行ってください。この後で行くのでしょう? 私に告げたのと正反対の言葉を彼に伝えるために」
促されるまま、私は部屋に居た者達と共に部屋を下がる。
……そりゃ、今くらい一人になりたいか。
自分が元凶なだけに、罪悪感が刺激されるけど。
ここで下手に謝ったりする方が失礼だと分かっているから。
私はユージーンを探して歩き回る。
まぁ、動物達と居るのは分かっている。
――果たして。
馬に乗り、馬を調教している真っ最中なユージーンを見つけた。
「ユージーン、今少し時間、良い?」
「ん、ああ良いぜ。けど……、ちょっと待ってくれるか。こいつを馬房に戻すから」
さっと馬の背から身軽に飛び降り、馬のたてがみを撫でてやりながら手綱を握り、誘導しながら歩かせる。
私はユージーンについてゆっくりその後ろを歩く。
「あ、馬の真後ろに立つなよ、まだ調教中で蹴られる可能性がないとも限らないから」
そして、馬を繋いだユージーンが、近くのベンチに私を誘う。
「それで、何の話だ?」
うん。やっぱりカークランド君の洞察力が異常なだけで、私はちゃんとポーカーフェイスを作れているようで、少しホッとしつつ。
「私は、貴方を選びに来たのよ」
目的を簡潔に述べる。
「あなたの口説き文句に乗せられてあげるから、ちゃんと私を幸せにしてよね?」
ああ、我ながら可愛くない。
「そのお表情は、どうやら選ばれたようですね」
「……はい」
「そして選ばれた男は残念ながら私ではないらしい」
流石の洞察力……
「いえ、顔に出てますから。私のように物心つく前から表情コントロールを叩き込まれ、それが貴族の標準装備という状況で相手の思考や感情を読む術を鍛え続けた私の目は誤魔化せませんよ」
「ごめんなさい。貴方の読み通り、今日は貴方とのお話を断らせて貰いに来たの」
「一応、敗因をお聞きしても?」
「そうね。私の能力を高く買ってくれたのはまぁ嬉しい……かな。
でもやっぱりどんなにポジティブに考えようとしても、やっぱり私は生まれながらの庶民で、育ちも庶民なのよ。
上に立つ立場は、私にとって気の休まらない日々になる。
そんな生活を一生送るのは……。
仕事の手伝いならするけど、やっぱり貴方の奥さんにはなれないから」
「そう、ですか……」
少しだけ寂しそうに笑い、カークランド君は。
「分かりました。すっぱり諦めますよ。まぁ、2、3日は大目に見てくださいね、私の仕事が滞っても」
と苦笑いを浮かべ。
「行ってください。この後で行くのでしょう? 私に告げたのと正反対の言葉を彼に伝えるために」
促されるまま、私は部屋に居た者達と共に部屋を下がる。
……そりゃ、今くらい一人になりたいか。
自分が元凶なだけに、罪悪感が刺激されるけど。
ここで下手に謝ったりする方が失礼だと分かっているから。
私はユージーンを探して歩き回る。
まぁ、動物達と居るのは分かっている。
――果たして。
馬に乗り、馬を調教している真っ最中なユージーンを見つけた。
「ユージーン、今少し時間、良い?」
「ん、ああ良いぜ。けど……、ちょっと待ってくれるか。こいつを馬房に戻すから」
さっと馬の背から身軽に飛び降り、馬のたてがみを撫でてやりながら手綱を握り、誘導しながら歩かせる。
私はユージーンについてゆっくりその後ろを歩く。
「あ、馬の真後ろに立つなよ、まだ調教中で蹴られる可能性がないとも限らないから」
そして、馬を繋いだユージーンが、近くのベンチに私を誘う。
「それで、何の話だ?」
うん。やっぱりカークランド君の洞察力が異常なだけで、私はちゃんとポーカーフェイスを作れているようで、少しホッとしつつ。
「私は、貴方を選びに来たのよ」
目的を簡潔に述べる。
「あなたの口説き文句に乗せられてあげるから、ちゃんと私を幸せにしてよね?」
ああ、我ながら可愛くない。
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