上 下
11 / 39
1章 農園始めます!

第10話 そろそろ準備を始めましょうか。

しおりを挟む
 夏野菜を育て始めて更に約三十日が経過した。

 ……カレンダーが無くて、何かと不便だったので、最近農業日誌をつけ始めた。ノートと筆記用具は、アグリ様に頼んでポイント交換リストに入れて貰った。

 今畑には四季それぞれのハウスが4棟並んでいる。

 神様の小屋があって、その隣に私のボロ小屋があって、更にその隣に4棟、ハウスが縦に並ぶ。

 故に、私と神様の小屋の前の、最初に作った路地の畑が丸々空いた。

 「……そろそろ卵と牛乳、欲しいなぁ」

 今では神様の初心者サポートサービスの一つだったご飯の提供も終わり、よって卵やベーコンが食べられなくなっていた。

 「せめて、卵は欲しいよね。まだ大豆は植えられてないからタンパク源が極端に少ないし」

 ひとまず空いた畑には牧草の種を撒き、その向こうにもう2棟、飼料用の作物を育てるハウスを建てる。
 牧草畑(予定)を柵で囲って将来の放牧地にする。

 だけど、牛小屋も鳥小屋も結構いいポイントお値段で……やりくり考えながら使わないと、あっという間に収支のバランスが崩れるんだよね。

 始めたばかりの頃に比べたら収入も増えたけど、サポートサービスの無くなった今、自分の食べる分の確保を忘れるとお腹を空かせたまま仕事をしなくてはならなくなるのだから、私も必死である。

 だから、動物の前にまずはムシを飼うことにした。

 まずは新しいハウスに花畑を作ります。
 そこにミツバチの巣を設置します。
 これで数日放っておけば、はちみつの完成!

 神様の力で生まれたミツバチは賢く、防護服なしでもはちみつ採取するだけなら襲ったりは勿論しないし威嚇もしてこない。
 ……流石に事故で一匹潰しかけた時には威嚇されたけど。

 貴重な甘味だ。

 最近はトーストも白飯も無く、じゃがいもが主食になりつつあるから、そろそろ小麦の栽培も始めないとな……。
 はちみつトースト食べたい……。するとやっぱりバター、欲しいよね。

 「よし、じゃあ次は小麦畑と田んぼ作るか」

 動物小屋と動物をゲットする為のポイントを得るため、そして食卓の充実の為。私は奮闘する。

 「ふふふ、たった二月でここまで農園を広げて下さるとは……。貴女は働き者ですね」
 ……決して、超絶美形の神様に褒められたいからではない、ないったらないのだ。

 相手は神様なんだから。
 ラノベあるある、身分差恋愛。お花畑ハッピーエンドにしろ現実的にバッドエンドになるにしろ、平民と王族どころか異世界の神様ですからね?

 まぁ、目の保養にする位が丁度良い。
 私は自分にそう言い聞かせ、今日ものんびり一人畑仕事に勤しむのだった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:91

【随時更新】140字創作百合/CPなしツイノベログ

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

【第一部、完結】悪の皇女はもう誰も殺さない

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:525pt お気に入り:2,991

転生した悪役令嬢の断罪

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:13,537pt お気に入り:1,656

女王の恋は風のように

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:242

処理中です...