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第十章 闇の吸血竜王に嫁入りします!
〈番外編〉迷い犬の里親探し ④
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「おおっ、エルシエル様、ちょうど良い所に!」
エルシエルが次に訪れたのは、国務大臣、ベルフェル=ゴルドーの執務室だった。
「えーと?」
「先日エルシエル様にいただいた研究成果を各地で試させたところ、大半から良い報告が上がっていまして!」
戴冠騒動以前は留守居役が常で、中々接点の無かったベルフェルだが、表面上は落ち着いた最近では、フォンセの側近の中ではレインとアスモに次いで懇意にしている。
研究に必要なデータを融通して貰ったり、研究成果を試してもらったり……。その見返りとして、こうして上手く行った成果はそのまま利用して貰う。
「お陰で農業に関わる国民には既にエルシエル様のお名前は知れ渡っておりますぞ! 今度視察などで会う機会があったら成果を見て貰おうと皆張り切っております!」
「そ、そう……、役立ったなら良かったわ……。それでね、ちょっと相談なんだけど……」
「ほうほうなる程。その子犬を……ですか」
エルシエルが事情を話したところ、それまでニコニコ機嫌の良かった眉がたちまちハの字になった。
「その……確かに我が家にはその年頃の息子が居ります。家族にアレルギー体質の者も居ないのですが……、実は先日既に猫の仔を飼い始めたばかりでしてな……」
目を泳がせながら、申し訳なさそうに訳を説明してくれた。
「実は飼う前に猫か犬かで家内と少々揉めましてな……。私は犬押しだったのですが……最終的に家内に押し切られまして……。今犬を連れ帰ったら……」
「それ、絶対に面倒な事になるパターンですよ、止めて下さい、この仔を夫婦喧嘩の種にはしたくありませんから!」
慌てて部屋を辞してきた。
どうやらここも空振りに終わってしまったようだ。
「次は……どこ行こっかね、ワンちゃん」
エルシエルが次に訪れたのは、国務大臣、ベルフェル=ゴルドーの執務室だった。
「えーと?」
「先日エルシエル様にいただいた研究成果を各地で試させたところ、大半から良い報告が上がっていまして!」
戴冠騒動以前は留守居役が常で、中々接点の無かったベルフェルだが、表面上は落ち着いた最近では、フォンセの側近の中ではレインとアスモに次いで懇意にしている。
研究に必要なデータを融通して貰ったり、研究成果を試してもらったり……。その見返りとして、こうして上手く行った成果はそのまま利用して貰う。
「お陰で農業に関わる国民には既にエルシエル様のお名前は知れ渡っておりますぞ! 今度視察などで会う機会があったら成果を見て貰おうと皆張り切っております!」
「そ、そう……、役立ったなら良かったわ……。それでね、ちょっと相談なんだけど……」
「ほうほうなる程。その子犬を……ですか」
エルシエルが事情を話したところ、それまでニコニコ機嫌の良かった眉がたちまちハの字になった。
「その……確かに我が家にはその年頃の息子が居ります。家族にアレルギー体質の者も居ないのですが……、実は先日既に猫の仔を飼い始めたばかりでしてな……」
目を泳がせながら、申し訳なさそうに訳を説明してくれた。
「実は飼う前に猫か犬かで家内と少々揉めましてな……。私は犬押しだったのですが……最終的に家内に押し切られまして……。今犬を連れ帰ったら……」
「それ、絶対に面倒な事になるパターンですよ、止めて下さい、この仔を夫婦喧嘩の種にはしたくありませんから!」
慌てて部屋を辞してきた。
どうやらここも空振りに終わってしまったようだ。
「次は……どこ行こっかね、ワンちゃん」
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