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第九章 後始末と未来の話
乙女ゲームの世界〈聖女視点〉
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その日私はゲームをしていた。
昨日も一昨日もその前も、食事と睡眠の時間以外は人生全てをゲームに捧げていた。
だって、学校へ行っても良い事なんか何も無いんだもん。
家に居ても面白い事なんか無いんだけど、唯一ゲームをしている時間だけが、私が生きてて楽しいと思える時間だった。
親?
居るけど居ないよ。
私という存在が生まれた以上、まあ生物学上の父と母は存在するんだろうけど名前すら知らない、生きてるか死んでるかも知らない。
そんな私が施設でなくこうして“自分の部屋”でゲームしてられるのは、幼い頃に里親に引き取られたから。
“オカアサン”はずっと不妊で悩んでたんだって。
“オトウサン”は実家の事業を継いでてどうしても子供が必要だったんだけど、妻が大好きで離婚して子供が産める新しい嫁を、と言う両親を振り切って私を引き取ったんだって。
確かに幼稚園に通うような子供だった頃には可愛がって貰った記憶もある。
だけど“オカアサン”がなんの偶然か実子を身ごもった。しかも産まれてきたのは待望の男の子。
その日から、私はこの家に要らない子になった。
だけど、今更放り出すのは世間体が悪いからって、新しいマンション買って、週にお小遣い一万円置いて、後は放って置かれた。
当時、私は小学五年生だった。
スーパーやコンビニでお弁当買うくらいなら出来たから、飢えはしなかったけど、オトウサンもオカアサンも、私の学校のPTA活動はもちろん、行事や面談にも顔を出さなくなった。
運の悪いことに、その小学校はPTA活動の盛んな学校で、特にその世代は強力なボスママとやらが牛耳っていた。
協力的でない両親の子供の私は嫌われ、あっという間にいじめのターゲットになった。
親が率先していじめを先導しているのだ、当然先生も見てみぬふり。
そんな学校、行く価値ある?
幸い今は便利な時代で、ネット環境とお金さえあれば大抵の物は買える。
私はそれからゲームに没頭する様になった。
特に恋愛ゲームが好きで、その中でも「ラゴニアの聖女 ~竜の花嫁は世界を救う~ 」ってゲームのフォンセ陛下は一番の推しだったの!
だから、世間では中二になったはずのある日、ゲームしてて寝オチして、起きたらゲームの中の世界に転移して。
私は運命だと思った。
不幸な私の境遇を不憫に思った神様が与えてくれた、私の為の世界なんだと。
必死にやり込んだゲーム知識をちょちょいと利用すれば、面白い様に竜王達は私に夢中になった。
だけど……何でか私のフォンセ様だけ反応が鈍いんだ。
ゲームでもかなり攻略難度が高いキャラだったからなぁ……。
さあ、どう攻略しようかな?
昨日も一昨日もその前も、食事と睡眠の時間以外は人生全てをゲームに捧げていた。
だって、学校へ行っても良い事なんか何も無いんだもん。
家に居ても面白い事なんか無いんだけど、唯一ゲームをしている時間だけが、私が生きてて楽しいと思える時間だった。
親?
居るけど居ないよ。
私という存在が生まれた以上、まあ生物学上の父と母は存在するんだろうけど名前すら知らない、生きてるか死んでるかも知らない。
そんな私が施設でなくこうして“自分の部屋”でゲームしてられるのは、幼い頃に里親に引き取られたから。
“オカアサン”はずっと不妊で悩んでたんだって。
“オトウサン”は実家の事業を継いでてどうしても子供が必要だったんだけど、妻が大好きで離婚して子供が産める新しい嫁を、と言う両親を振り切って私を引き取ったんだって。
確かに幼稚園に通うような子供だった頃には可愛がって貰った記憶もある。
だけど“オカアサン”がなんの偶然か実子を身ごもった。しかも産まれてきたのは待望の男の子。
その日から、私はこの家に要らない子になった。
だけど、今更放り出すのは世間体が悪いからって、新しいマンション買って、週にお小遣い一万円置いて、後は放って置かれた。
当時、私は小学五年生だった。
スーパーやコンビニでお弁当買うくらいなら出来たから、飢えはしなかったけど、オトウサンもオカアサンも、私の学校のPTA活動はもちろん、行事や面談にも顔を出さなくなった。
運の悪いことに、その小学校はPTA活動の盛んな学校で、特にその世代は強力なボスママとやらが牛耳っていた。
協力的でない両親の子供の私は嫌われ、あっという間にいじめのターゲットになった。
親が率先していじめを先導しているのだ、当然先生も見てみぬふり。
そんな学校、行く価値ある?
幸い今は便利な時代で、ネット環境とお金さえあれば大抵の物は買える。
私はそれからゲームに没頭する様になった。
特に恋愛ゲームが好きで、その中でも「ラゴニアの聖女 ~竜の花嫁は世界を救う~ 」ってゲームのフォンセ陛下は一番の推しだったの!
だから、世間では中二になったはずのある日、ゲームしてて寝オチして、起きたらゲームの中の世界に転移して。
私は運命だと思った。
不幸な私の境遇を不憫に思った神様が与えてくれた、私の為の世界なんだと。
必死にやり込んだゲーム知識をちょちょいと利用すれば、面白い様に竜王達は私に夢中になった。
だけど……何でか私のフォンセ様だけ反応が鈍いんだ。
ゲームでもかなり攻略難度が高いキャラだったからなぁ……。
さあ、どう攻略しようかな?
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