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第三章 闇の国ダルク・アンダー

王城到着!

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 「……お昼、食べられそうです?」
 「う……、ご、ごめんなさい……」

 相変わらず具合悪そうで心配になるんですが……。

 けど! 私の目の前には美味しそうな料理が並んでいるんです、良い匂いがするんですから当然食欲が湧く訳ですね。

 「こ、これは……」

 そのメニューに光の国では見かけない食材が使われている料理がありますが、事前に調べて来た私には分かります。

 「これ、モヤシとキノコですよね?」

 「ああ。ちなみにキノコはシメジ、エリンギだそうだ。キノコの中でもクセのない物を選んで料理させた」

 「あぁ、陛下が珍しく料理に注文つけたと思ったらそう言う事ですか。なら、風味が落ちないうちに食べましょうか」

 まずモヤシとやらを豚肉と炒めた料理から。
 生姜の香りがしますね。
 うん、食感がシャキシャキしていて美味しいです。

 あれ、スープにもモヤシ……とキノコも入ってますね?

 炒めものに比べると少し柔らかくなっていますが、その分スープの旨味を吸って美味しくなっています。
 キノコの香りと食感も面白いです。

 エリンギとやらは、ステーキにして出されています。
 タレはお醤油ですか。美味しいですがタレがちょっと物足りないですね? アレンジの余地がありそうです。

 「お気に召していただいたようで何よりですが……申し訳ございません、こちら実は平民でも簡単に手に入れられる安価な食材でして……」

 「え、こんな美味しい食材が安く普通に手に入るの? ……なら滞在中に私も料理してみても許されるかしら」

 「え、料理、されるんで?」
 「あー、家族にはいい顔されませんし、勿論プロの料理人みたいな料理は作れませんよ? ……ただ、研究で夜遅くなった時にお腹空いたりすると夜食とか自分で作って食べたり……」
 だから、カンタン調理とかはお手の物ですよ?

 「私は男爵令嬢です。それも次女。政略結婚か、でなけりゃ働いてナンボですから。貴族なんで政略結婚は覚悟してますけど、最低限研究続けさせて欲しいんですよね」

 そんな事をお喋りしている内に、竜便はどんどん高度を下げ、ふっととある洞窟へと突入した。

 「さぁ、ここからは闇の国の領域です。城まではまだ距離がありますが……。ようこそ、ダルク・アンダーへ」

 そこは。光の国ではまず見る事はないだろう、薄暗く荒廃した景色が広がる場所だった。

 そして……気のせいだろうか?
 少しばかり空気の重さが増した様な……?

 やがて、城が見えてくる。

 お伽話の王子や姫が住んでいそうな光の国の王城と異なり、黒く頑丈そうなお城。

 「――到着しましたよ」

 こうして私達は闇の国ダルク・アンダーの城に迎え入れられたのだった。
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