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後日談
第10話 遊びたい!
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「へぇ、あっちはおめでただってさ」
「……私達って異世界人で子供が出来るかどうかも微妙って話じゃなかったっけ?」
「うん。そうだねぇ」
「しかもあの人たちって元は人間なのを吸血鬼にしたからそれもあって、子供出来るの? って目で見られてなかったっけ?」
「だよねぇ?」
「なのに、何で半年かそこらでおめでた!? えぇそりゃめでたいですけどね!?」
「あははは、ごもっとも~」
ぱちぱちぱちと拍手して見せるレイのわざとらしさに目をつり上げるモモコ。
「で、しばらくは聖女の仕事もお休みするからよろしくってさ」
「……事情は分かったけど。仕方ないのも分かるけど。何かちょっと面白くない」
「まぁねぇ。でも事情がなけりゃいつ出来てもおかしくない勢いでイチャコラしてたからねぇ、あの人ら。そう考えたらむしろ遅すぎじゃない?」
イライラしているモモコをまぁまぁと宥めるレイ。
「むしろ今頑張っとけば色々とポイント稼げて美味しいよ?」
「それはそうだろうけど。そうじゃなくて、私だってたまには遊びたいのにぃ!」
「あー、そう言えば最近仕事しかしてなかったねぇ」
「聖女の仕事もいいけどたまには遊びたい!」
「んー、じゃあ次の仕事が海沿いの街なんだけど、帰りに海水浴でもしてくる?」
「あー、いいね! 逆ナンでもして男引っかけるか」
「いやいや、それは止めとこうね? そんなんで釣れた男にろくなの居ないよ?」
「いいのよ、遊びなんだから!」
「こらこら、そーいうのは俺が付き合うから落ち着けって」
肩を押さえてどうどうと抑えるレイ。
「どういう意味よ!」
「デートでも何でも俺が付き合うから、そこら辺の男引っかけるのは止めなさいって言ってるの」
「へ?」
「前に言ったでしょ? 俺とくっつくのを国が応援してるって話」
「し、してたけど……でも……」
「俺じゃイヤ?」
「わ、私じゃなくてアンタが……」
「俺? 俺は別に構わないよ。元は影だし、そもそもまともな結婚が出来るなんて思ってなかったもん。アンタの事は嫌いじゃないしね。子供だって別に居ても居なくてもどっちでも良いし?」
「何か……軽いわね」
「ははっ、だろうね。んじゃ、今度海で遊ぼう」
「な、納得いかない……!」
「ついでに今度、お見舞い行こうね」
レイの掌の上でコロコロ転がされ遊ばれたモモコはおやつを口に放り込みモゴモゴとそしゃくし返事を躊躇った。
それでも、見舞いはいつかは行くべきなんだろうと仕方なく頷いた。
「ま、今回の仕事場には明日辺り到着するから、よろしくね」
……その笑顔におやつの包み紙を投げ付けたくなったとしても。
「……私達って異世界人で子供が出来るかどうかも微妙って話じゃなかったっけ?」
「うん。そうだねぇ」
「しかもあの人たちって元は人間なのを吸血鬼にしたからそれもあって、子供出来るの? って目で見られてなかったっけ?」
「だよねぇ?」
「なのに、何で半年かそこらでおめでた!? えぇそりゃめでたいですけどね!?」
「あははは、ごもっとも~」
ぱちぱちぱちと拍手して見せるレイのわざとらしさに目をつり上げるモモコ。
「で、しばらくは聖女の仕事もお休みするからよろしくってさ」
「……事情は分かったけど。仕方ないのも分かるけど。何かちょっと面白くない」
「まぁねぇ。でも事情がなけりゃいつ出来てもおかしくない勢いでイチャコラしてたからねぇ、あの人ら。そう考えたらむしろ遅すぎじゃない?」
イライラしているモモコをまぁまぁと宥めるレイ。
「むしろ今頑張っとけば色々とポイント稼げて美味しいよ?」
「それはそうだろうけど。そうじゃなくて、私だってたまには遊びたいのにぃ!」
「あー、そう言えば最近仕事しかしてなかったねぇ」
「聖女の仕事もいいけどたまには遊びたい!」
「んー、じゃあ次の仕事が海沿いの街なんだけど、帰りに海水浴でもしてくる?」
「あー、いいね! 逆ナンでもして男引っかけるか」
「いやいや、それは止めとこうね? そんなんで釣れた男にろくなの居ないよ?」
「いいのよ、遊びなんだから!」
「こらこら、そーいうのは俺が付き合うから落ち着けって」
肩を押さえてどうどうと抑えるレイ。
「どういう意味よ!」
「デートでも何でも俺が付き合うから、そこら辺の男引っかけるのは止めなさいって言ってるの」
「へ?」
「前に言ったでしょ? 俺とくっつくのを国が応援してるって話」
「し、してたけど……でも……」
「俺じゃイヤ?」
「わ、私じゃなくてアンタが……」
「俺? 俺は別に構わないよ。元は影だし、そもそもまともな結婚が出来るなんて思ってなかったもん。アンタの事は嫌いじゃないしね。子供だって別に居ても居なくてもどっちでも良いし?」
「何か……軽いわね」
「ははっ、だろうね。んじゃ、今度海で遊ぼう」
「な、納得いかない……!」
「ついでに今度、お見舞い行こうね」
レイの掌の上でコロコロ転がされ遊ばれたモモコはおやつを口に放り込みモゴモゴとそしゃくし返事を躊躇った。
それでも、見舞いはいつかは行くべきなんだろうと仕方なく頷いた。
「ま、今回の仕事場には明日辺り到着するから、よろしくね」
……その笑顔におやつの包み紙を投げ付けたくなったとしても。
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