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番外編 - 好きな人の攻略法 -
⑦ 決意を新たにして
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ハンカチで涙を拭い、私は笑って見せた。
「……。あー。後でイマルあたりに物凄くイジられそうだけど――。はぁ……。分かったよ、覚悟決めますよ……」
ケントはそれに対して随分と大きなため息を吐いて頭を抱えてしまいました。
……失礼ですが……まあ、突然無茶を押し付けた自覚はありますので、見逃して差し上げましょう。
「心配なさらずとも、貴族令嬢として一通りの教育は受けておりますもの。お作法は存じ上げておりますので、全てお任せ下さって結構ですわよ?」
「はっ!? なっ、そ、それは……!」
あらあら真っ赤になって慌てて……。
相変わらず可愛らしいですわね。ええ、婚約者が居る以上はそういう教育もされるんですの。
……だから、本当に初な町娘に比べると生娘らしさに欠けている自覚もありますわ。――でも、知識はあっても生娘には変わりありません。教育と言っても知識を学ぶばかりで、実践など当然致しませんもの。
殿方の場合は未亡人などを宛がっての実践訓練もあるそうですけど、ね。
平民のケントには勿論そんな相手も居ないはずです。
無理を言っているのは私ですもの。……ここは、私が頑張らなくては――
「待って」
なのに。
「流石にそれくらいは、俺に見栄を張らせて欲しい」
なんて上目遣いに言われてしまえば、その覚悟も容易く砕かれてしまう。
……けど、やっぱりそわそわ落ち着かない様子のケント。
「ふふ、では少しお酒をお召し上がりになると宜しいですわよ?」
そうして飲ませて酔わせて……。
私も少しだけいただかせて貰いました。
少しだけ背中を押してもらうつもりが……、ケントは余程プレッシャーを感じていたのか、明け方目を覚ました時には青ざめていらっしゃいました。
……昨夜の記憶が曖昧だとか。
旅の間、お酒に弱い様子は無かったから大丈夫と思ったんですけれど……。
まぁ、承諾はいただきましたし、結果オーライなので良しと致しましょう。
ね? ケント?
「う……はい……。こ、今後ともヨロシクオネガイシマス……」
素敵な旦那様もゲットしましたし。
後は全力で頑張るだけですわ!
さあ、まずは何から手をつけるべきでしょうかね?
「俺……しばらく禁酒しようかな……」
「が、頑張ってね……? 応援くらいしか出来ないけど、手伝える事があるならいつでも言ってね?」
「あら、それはこちらの台詞ですわよ、ヒカル」
「まぁ、お前はマリーの尻に敷かれてりゃ何とかなるだろ。適当に頑張っとけ?」
「イマルぅぅぅ! もう少し他に優しい言葉とか無いのかよぉぉ!」
「勉強頑張れよ?」
「そりゃ、頑張るけど! そうじゃなくて!」
ああ、やっぱりイマルに遊ばれてますわね。
え? 助けないのかって?
そうですわね、もう少し見守ってから助け船くらいは出して差し上げましょうかね。
今後はイマルとは国を隔ててのお付き合いになりますもの、もう少しあしらい方を覚えて貰わねばなりませんもの。
「冗談じゃなく、勉強頑張れよ」
流石イマル。よく分かってますわね。
「イマルぅぅぅ!」
「おほほほほ」
「マリー!?」
イマルとヒカルが帰れば、この賑やかな日々も一旦お預けになる。
いつかまた、こうして笑い会える日が来るように。
「お互い、頑張りましょうね?」
「……。あー。後でイマルあたりに物凄くイジられそうだけど――。はぁ……。分かったよ、覚悟決めますよ……」
ケントはそれに対して随分と大きなため息を吐いて頭を抱えてしまいました。
……失礼ですが……まあ、突然無茶を押し付けた自覚はありますので、見逃して差し上げましょう。
「心配なさらずとも、貴族令嬢として一通りの教育は受けておりますもの。お作法は存じ上げておりますので、全てお任せ下さって結構ですわよ?」
「はっ!? なっ、そ、それは……!」
あらあら真っ赤になって慌てて……。
相変わらず可愛らしいですわね。ええ、婚約者が居る以上はそういう教育もされるんですの。
……だから、本当に初な町娘に比べると生娘らしさに欠けている自覚もありますわ。――でも、知識はあっても生娘には変わりありません。教育と言っても知識を学ぶばかりで、実践など当然致しませんもの。
殿方の場合は未亡人などを宛がっての実践訓練もあるそうですけど、ね。
平民のケントには勿論そんな相手も居ないはずです。
無理を言っているのは私ですもの。……ここは、私が頑張らなくては――
「待って」
なのに。
「流石にそれくらいは、俺に見栄を張らせて欲しい」
なんて上目遣いに言われてしまえば、その覚悟も容易く砕かれてしまう。
……けど、やっぱりそわそわ落ち着かない様子のケント。
「ふふ、では少しお酒をお召し上がりになると宜しいですわよ?」
そうして飲ませて酔わせて……。
私も少しだけいただかせて貰いました。
少しだけ背中を押してもらうつもりが……、ケントは余程プレッシャーを感じていたのか、明け方目を覚ました時には青ざめていらっしゃいました。
……昨夜の記憶が曖昧だとか。
旅の間、お酒に弱い様子は無かったから大丈夫と思ったんですけれど……。
まぁ、承諾はいただきましたし、結果オーライなので良しと致しましょう。
ね? ケント?
「う……はい……。こ、今後ともヨロシクオネガイシマス……」
素敵な旦那様もゲットしましたし。
後は全力で頑張るだけですわ!
さあ、まずは何から手をつけるべきでしょうかね?
「俺……しばらく禁酒しようかな……」
「が、頑張ってね……? 応援くらいしか出来ないけど、手伝える事があるならいつでも言ってね?」
「あら、それはこちらの台詞ですわよ、ヒカル」
「まぁ、お前はマリーの尻に敷かれてりゃ何とかなるだろ。適当に頑張っとけ?」
「イマルぅぅぅ! もう少し他に優しい言葉とか無いのかよぉぉ!」
「勉強頑張れよ?」
「そりゃ、頑張るけど! そうじゃなくて!」
ああ、やっぱりイマルに遊ばれてますわね。
え? 助けないのかって?
そうですわね、もう少し見守ってから助け船くらいは出して差し上げましょうかね。
今後はイマルとは国を隔ててのお付き合いになりますもの、もう少しあしらい方を覚えて貰わねばなりませんもの。
「冗談じゃなく、勉強頑張れよ」
流石イマル。よく分かってますわね。
「イマルぅぅぅ!」
「おほほほほ」
「マリー!?」
イマルとヒカルが帰れば、この賑やかな日々も一旦お預けになる。
いつかまた、こうして笑い会える日が来るように。
「お互い、頑張りましょうね?」
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