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ざまぁのその後
16-2 アルソレスの日常
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「おはようございます、お嬢様」
柔らかいベッドの上で、窓から差し込む朝日を浴びる私をお嬢様と呼ぶ女性が声をかけて来る。
「今日のお召し物はいかがなさいますか?」
「今日は今のところ特に特別な予定はないし、普段の外出着でいいわ。……登城はするから、お城で浮かない程度のドレスでお願いね」
「かしこまりました。只今ご用意いたしますので、その間にお目覚めのお茶をお召し上がり下さい」
「ありがとう」
私の注文通りのドレス一式を揃え、着付けからメイク、アクセサリーまで整えてくれるのは私付きの侍女になったルリだ。
……うん。一体何処のお嬢様だ、って思うよね?
けどまあ侯爵夫人ならこれが当たり前だよ?
――という魔王陛下からのご紹介……と言う名の強制人事で配属されたのが彼女で。――ちなみに雇用主はイマルである。
まだ婚姻はしていないけど、この世界に自宅を持たない私はイマルの屋敷に住んでいる。
マリー達と泊まらせて貰っていた頃のお客様扱いではなく、私室を貰ってこの家の住人として住まわせて貰っている。
貴族の生活に慣れるためと称してこんなお嬢様らしい朝を迎えているのはそういう理由なんだけど。
「おはよう、イマル」
身支度を終えて食堂へ朝食を食べに下りてくると、イマルも同じ時間に合わせて一緒に食事をする。
「ああ、おはよう」
……結婚こそまだだけど、マリーもケントも居ない、イマルと二人きりの状況でのこのシチュエーションってこれ、もう新婚のノリの様で毎回自分に冷静になるよう言い聞かせてる。――使用人さんだって居るんだしね!
料理人さんが作ってくれた朝食を食べ、そして私達は馬車で登城する。
勿論向かうはイマルの執務室。
そこでイマルの仕事を手伝ったり、自分の勉強に励んだりしつつ、昼食は続き間で運ばれてくる城の料理人さんが作ったランチを食べ、また夕刻まで仕事や勉強をする。
……イマルの仕事が終われば二人で屋敷へ帰り、屋敷で夕食を食べて寝る。
イマルの仕事が終わっていなければ一人で帰って夕食を食べて寝る。
――けど、このサイクルを繰り返す様になって、イマルが屋敷に帰る頻度は格段に上がった。
「……良い事ではあるんだがなぁ。夜の格好の楽しみが減ってしまった」
と嘆く陛下から聞いた話だけど……多分間違ってはない。
そして、イマルに回される仕事を手伝うようになって、彼がこの国でどの様な役回りをこなしているのかを知った私は――
「何と言うか……どこまでパーフェクターなんですか……。そりゃ、陛下も重宝がって手放したがらないわよね……」
特定の、決まった仕事がある訳じゃない。けど、多岐に渡る仕事の種類の多さ。……けどその大半は厄介事の後始末とか、事業の事前調査みたいなのばかり押し付けられてる感じ……。
うん。この感じはアレだ。いわゆるパシり。
で、その仕事のお手伝いをしている私……。
よし、ここはいっちょお仕事改革してみようか!
柔らかいベッドの上で、窓から差し込む朝日を浴びる私をお嬢様と呼ぶ女性が声をかけて来る。
「今日のお召し物はいかがなさいますか?」
「今日は今のところ特に特別な予定はないし、普段の外出着でいいわ。……登城はするから、お城で浮かない程度のドレスでお願いね」
「かしこまりました。只今ご用意いたしますので、その間にお目覚めのお茶をお召し上がり下さい」
「ありがとう」
私の注文通りのドレス一式を揃え、着付けからメイク、アクセサリーまで整えてくれるのは私付きの侍女になったルリだ。
……うん。一体何処のお嬢様だ、って思うよね?
けどまあ侯爵夫人ならこれが当たり前だよ?
――という魔王陛下からのご紹介……と言う名の強制人事で配属されたのが彼女で。――ちなみに雇用主はイマルである。
まだ婚姻はしていないけど、この世界に自宅を持たない私はイマルの屋敷に住んでいる。
マリー達と泊まらせて貰っていた頃のお客様扱いではなく、私室を貰ってこの家の住人として住まわせて貰っている。
貴族の生活に慣れるためと称してこんなお嬢様らしい朝を迎えているのはそういう理由なんだけど。
「おはよう、イマル」
身支度を終えて食堂へ朝食を食べに下りてくると、イマルも同じ時間に合わせて一緒に食事をする。
「ああ、おはよう」
……結婚こそまだだけど、マリーもケントも居ない、イマルと二人きりの状況でのこのシチュエーションってこれ、もう新婚のノリの様で毎回自分に冷静になるよう言い聞かせてる。――使用人さんだって居るんだしね!
料理人さんが作ってくれた朝食を食べ、そして私達は馬車で登城する。
勿論向かうはイマルの執務室。
そこでイマルの仕事を手伝ったり、自分の勉強に励んだりしつつ、昼食は続き間で運ばれてくる城の料理人さんが作ったランチを食べ、また夕刻まで仕事や勉強をする。
……イマルの仕事が終われば二人で屋敷へ帰り、屋敷で夕食を食べて寝る。
イマルの仕事が終わっていなければ一人で帰って夕食を食べて寝る。
――けど、このサイクルを繰り返す様になって、イマルが屋敷に帰る頻度は格段に上がった。
「……良い事ではあるんだがなぁ。夜の格好の楽しみが減ってしまった」
と嘆く陛下から聞いた話だけど……多分間違ってはない。
そして、イマルに回される仕事を手伝うようになって、彼がこの国でどの様な役回りをこなしているのかを知った私は――
「何と言うか……どこまでパーフェクターなんですか……。そりゃ、陛下も重宝がって手放したがらないわよね……」
特定の、決まった仕事がある訳じゃない。けど、多岐に渡る仕事の種類の多さ。……けどその大半は厄介事の後始末とか、事業の事前調査みたいなのばかり押し付けられてる感じ……。
うん。この感じはアレだ。いわゆるパシり。
で、その仕事のお手伝いをしている私……。
よし、ここはいっちょお仕事改革してみようか!
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