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断罪
14-2 断罪 - 騎士 -
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王の指示で次に立たされたのは騎士。
「お前達も、戦場にて連合軍と戦いこちらに損害を与えた。……お前達の場合、戦場へ赴いた事自体は国の指示であったのだろうが、そもそも騎士に志願したのはお前達自身である」
兵士の処分が告げられて、少し安心したような顔をした騎士に陛下はしっかりとその勘違いを正す言葉を投げかける。
「そして、お前達騎士の生家は皆貴族であろう?」
そう、兵士と騎士の決定的な違いはそこだ。
「騎士は主に剣を捧げ、忠誠を誓うもの。私情で国からの命令に反するは重罪。故に騎士として直に動けなかったであろう事情は汲もう。……だが、お前達の実家を通じて懸念を伝え、国の考えを変えようとする努力は出来たであろうに、それをした者がどれ程居たか? ……かつてそれをしていた彼女――マリー殿は婚約者に裏切られ、実家に捨てられて尚祖国を案じておったのにの。――で、あるからして。その努力が認められる者とそうでない者とで処分を分ける」
そして、王は側に控えた侍従からリストを受け取り、そこに記された名を読み上げる。
「以上の者はその努力を認め、騎士爵の剥奪及び辺境での魔物討伐の強制任務十年を罰として命じる」
その後、再び名を呼び始める。……先のは割りとすぐに終わったのに、こちらは中々終わらない。
「――以上の者はただ唯々諾々と指示に従い自らの保身ばかりを考える者として処分する。本人の騎士爵剥奪及び実家たる貴族家より除名処分の上で魔物討伐の強制任務を騎士団勇退の歳……この国では五十だったな――まで務めるよう命じる」
前者は罰の任期を終えれば実家に戻れるけど、後者は働けなくなる歳まで酷使された挙げ句帰る家もなくなる。
その精神的な負担の差は大きい。
でもそれは、出来る力があるのにやらなかった分の代償。……あの子――聖女はあれを見て何も思わないのか、未だに私をチラ見してくるけど。
私も聖女の力を持ち、今後それを使う機会が増えるんだろう。イマルに嫁げば貴族としての義務ものし掛かってくるだろうし。
――それを面倒だからと疎かにすれば私もいずれはこうなる。それを肝に命じておこうと思う。
「――では、次」
陛下は彼らを座らせまた次の者を立たせる。
次は――
「お前達も、戦場にて連合軍と戦いこちらに損害を与えた。……お前達の場合、戦場へ赴いた事自体は国の指示であったのだろうが、そもそも騎士に志願したのはお前達自身である」
兵士の処分が告げられて、少し安心したような顔をした騎士に陛下はしっかりとその勘違いを正す言葉を投げかける。
「そして、お前達騎士の生家は皆貴族であろう?」
そう、兵士と騎士の決定的な違いはそこだ。
「騎士は主に剣を捧げ、忠誠を誓うもの。私情で国からの命令に反するは重罪。故に騎士として直に動けなかったであろう事情は汲もう。……だが、お前達の実家を通じて懸念を伝え、国の考えを変えようとする努力は出来たであろうに、それをした者がどれ程居たか? ……かつてそれをしていた彼女――マリー殿は婚約者に裏切られ、実家に捨てられて尚祖国を案じておったのにの。――で、あるからして。その努力が認められる者とそうでない者とで処分を分ける」
そして、王は側に控えた侍従からリストを受け取り、そこに記された名を読み上げる。
「以上の者はその努力を認め、騎士爵の剥奪及び辺境での魔物討伐の強制任務十年を罰として命じる」
その後、再び名を呼び始める。……先のは割りとすぐに終わったのに、こちらは中々終わらない。
「――以上の者はただ唯々諾々と指示に従い自らの保身ばかりを考える者として処分する。本人の騎士爵剥奪及び実家たる貴族家より除名処分の上で魔物討伐の強制任務を騎士団勇退の歳……この国では五十だったな――まで務めるよう命じる」
前者は罰の任期を終えれば実家に戻れるけど、後者は働けなくなる歳まで酷使された挙げ句帰る家もなくなる。
その精神的な負担の差は大きい。
でもそれは、出来る力があるのにやらなかった分の代償。……あの子――聖女はあれを見て何も思わないのか、未だに私をチラ見してくるけど。
私も聖女の力を持ち、今後それを使う機会が増えるんだろう。イマルに嫁げば貴族としての義務ものし掛かってくるだろうし。
――それを面倒だからと疎かにすれば私もいずれはこうなる。それを肝に命じておこうと思う。
「――では、次」
陛下は彼らを座らせまた次の者を立たせる。
次は――
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