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ざまぁの前哨戦

11-14 吸血鬼とは

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    御前会議の結果を受け、その数日後には各国に使者が送られ、その当該部署にて詳細詰めと調整を行った結果、会議は一ヶ月後。場所はこの国で行われることになったらしい。
    当事者の聖女の一人――つまり私がこの国に逗留している事が会場決定の決め手になったらしい。
    今回の会議にこの国から出席するのは王と宰相、当該省庁の長官。そして今回もまた参考人の名目で呼ばれることになった私達と、その保護者としてイマルがついてくれる事になった。
    イマルの執務の暇を見つけてはあれこれと準備をし、イマルが忙しい時には彼の使い魔を連れて城の書庫で勉強に励む。
    ――大抵は蒼夢かルミナがついてくれる。……ニールは毛が落ちるから、ザルマはその鋭すぎる手足の爪で貴重な本を傷付けるからとお供候補から外されている。
    ……そうして調べた結果として。
    人間の亜種だというこの世界の吸血鬼は、おおよそ地球で流布していた吸血鬼伝説の大半が当てはまらない生き物なのだと改めて理解する。
    夜行性の気はあるけれど、太陽の光でどうこうなるなんて事は基本無く、大半の吸血鬼は他種族の生活に合わせて暮らしている。……まあ、夜勤のある職に多く就いていたりはするみたいだけど、ね。
    十字架的なアイテムも無ければ聖水だの聖書だのも当然効かない。
    ……心臓に杭を刺せば当たり前だけど死ぬし、炎に焼かれれば普通に火傷するし、それも過ぎればやはり死ぬけど、そんなのは吸血鬼に限らず致命的だから、特に弱点とは言えないし。
    要は、人間よりちょっと頑丈で身体能力に優れてて、魔力もちょっと高めな種族、というだけの事。
    吸血鬼、と呼ばれる所以たる吸血行為は以前聞いた通り、求愛と生殖のため。
    ……求愛の意味合いは先に聞いた通り。
    それともう一つ。……今回私が人間だから一方的だったけれど、本来は互いの血を確かめあってお互いの相性を確かめる目的もあるらしい。
    そして生殖のため、と言うのも噛まれて吸血鬼に――なんて話ではなく。
     理由の一つ目としては、先の求愛での確認の後、互いの血に身体を慣らす為。そして二つ目としては……。あのとき感じた感覚が私の妄想でなかったことが証明された感じ……かな。
    イマルに噛まれても痛くなかったわけ。
    まあ、ざっくりぶっちゃけると、吸血鬼の牙には催淫効果があるそうな。ついでに子が出来る確率を上げるホルモン的な物質も、噛まれた傷口から送り込まれる。
    ……うん。先に調べておいて正解だった。こんな説明、イマルの口から直接聞かされるとかどんなプレイですか!
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