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ざまぁの前哨戦
11-10 婚約成立
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勝ち誇って笑うイマルに、当然ながら一瞬静まり返りポカンとしていた貴族達がハッと我に返ると、あっという間に蜂の巣を突ついた様に場が騒がしくなった、――が。
「聖女ご本人は既にこの話を受け入れ、話の決着は付いている。幸いというべきか、今回の事例ではもう一人聖女が居る。彼女はヒカルとほぼ同等の教育を受けていたそうだが、その後ヘルナイト王国で間違った情報ばかり与えられた為か、彼らが用意した仲間とあまり誉められたものではない事ばかりしでかしているらしい。彼女ならお前達の好きに操れるのではないか?」
と、さらりと酷いことを言い、
「では王よ、彼女はこちらの条件を飲んだのですから、勿論、彼女の願いは聞き届けられるものと考えてよろしいのですね?」
「無論だ。我ら魔族は約束を破れぬ。……そなたの憤り、存分に奴らにぶつけてやると良い」
こうして。欲しかった言質を取って、議会は無事(?)に終了し、私達は揃ってイマルの屋敷に戻った。
ケントは何故だか泣いてまで喜んでた。
「……おい、今夜くらい付き合え」
わざわざイマル一人誘って男二人でいそいそ飲みに出掛けて行くくらいに。
それを見送る私に、何故だかマリーな生温い目を向けてくるんだけど……。
「マリー?」
「うふふふふ、さすがにケントが少し不憫で……。でも、これでようやく私も本気で狩りに行けますもの、腕が鳴りますわ」
おほほほほ、と勝ち気に笑うマリー。
マジで何のこっちゃ? なんだけど……。
「だって可愛いじゃないですか、彼。いじり甲斐があって、でもいざという時は頼もしいとか、素敵でしょう?」
ああ……。うん。ここは聞かなかった事にして。
「この国での保証は取り付けられたけど、まだ次があるもんね」
「ええ。今度はイマルのサポートも堂々と受けられますし、時間的な余裕もありますから随分と楽ですけど、全て終わらなければ、お式の準備もままなりませんものね?」
ニマニマと笑むマリーにからかわれ、ついつい目をそらす。
そりゃ、事前に話があったからそのつもりではいたけど。私、元の世界で彼氏いない歴イコール年齢だったんだよ? それがいきなり結婚とか。
今さら逃げようとは思わないけどさ。からかわれてさらりと流せるような心の余裕は全くなくて。
今、ここにイマル自身が居ない事だけがせめてもの救いだった。
「まあ、貴女をからかうのはこのくらいにしてさしあげますわ」
マリーは以外にも早々に切り上げ、紙とペンを机の上に並べた。
「あの議会での様子を見るに、あなたの場合、結婚するまでより結婚してからの方が大変そうですもの。せめて準備はしっかりなさいな」
マリーは。あのスパルタちっくな笑みを浮かべて私を促した。
あ、これまた逃げられないやつだ。
……まあね。あの空気を直に感じた以上はマリーのスパルタなんて可愛いものだよね、と思えちゃうからね。
私は大人しくマリーに従い、お貴族様の教養を超特急で身に付けるべくお勉強に励むのだった。
「聖女ご本人は既にこの話を受け入れ、話の決着は付いている。幸いというべきか、今回の事例ではもう一人聖女が居る。彼女はヒカルとほぼ同等の教育を受けていたそうだが、その後ヘルナイト王国で間違った情報ばかり与えられた為か、彼らが用意した仲間とあまり誉められたものではない事ばかりしでかしているらしい。彼女ならお前達の好きに操れるのではないか?」
と、さらりと酷いことを言い、
「では王よ、彼女はこちらの条件を飲んだのですから、勿論、彼女の願いは聞き届けられるものと考えてよろしいのですね?」
「無論だ。我ら魔族は約束を破れぬ。……そなたの憤り、存分に奴らにぶつけてやると良い」
こうして。欲しかった言質を取って、議会は無事(?)に終了し、私達は揃ってイマルの屋敷に戻った。
ケントは何故だか泣いてまで喜んでた。
「……おい、今夜くらい付き合え」
わざわざイマル一人誘って男二人でいそいそ飲みに出掛けて行くくらいに。
それを見送る私に、何故だかマリーな生温い目を向けてくるんだけど……。
「マリー?」
「うふふふふ、さすがにケントが少し不憫で……。でも、これでようやく私も本気で狩りに行けますもの、腕が鳴りますわ」
おほほほほ、と勝ち気に笑うマリー。
マジで何のこっちゃ? なんだけど……。
「だって可愛いじゃないですか、彼。いじり甲斐があって、でもいざという時は頼もしいとか、素敵でしょう?」
ああ……。うん。ここは聞かなかった事にして。
「この国での保証は取り付けられたけど、まだ次があるもんね」
「ええ。今度はイマルのサポートも堂々と受けられますし、時間的な余裕もありますから随分と楽ですけど、全て終わらなければ、お式の準備もままなりませんものね?」
ニマニマと笑むマリーにからかわれ、ついつい目をそらす。
そりゃ、事前に話があったからそのつもりではいたけど。私、元の世界で彼氏いない歴イコール年齢だったんだよ? それがいきなり結婚とか。
今さら逃げようとは思わないけどさ。からかわれてさらりと流せるような心の余裕は全くなくて。
今、ここにイマル自身が居ない事だけがせめてもの救いだった。
「まあ、貴女をからかうのはこのくらいにしてさしあげますわ」
マリーは以外にも早々に切り上げ、紙とペンを机の上に並べた。
「あの議会での様子を見るに、あなたの場合、結婚するまでより結婚してからの方が大変そうですもの。せめて準備はしっかりなさいな」
マリーは。あのスパルタちっくな笑みを浮かべて私を促した。
あ、これまた逃げられないやつだ。
……まあね。あの空気を直に感じた以上はマリーのスパルタなんて可愛いものだよね、と思えちゃうからね。
私は大人しくマリーに従い、お貴族様の教養を超特急で身に付けるべくお勉強に励むのだった。
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