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魔族の国
10-9 とっておきのネタ
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「ぶくく、いや本当に、ここ最近のこいつは実に愉快なのだ、くくく」
と、未だにおさまらない笑いを堪えつつ王はそれを阻止しようと必死なイマルを適当にあしらいながら教えてくれた話によると。
何でも、その生まれや経緯から信頼して仕事を任せられる手駒が少ないイマルが、ある日から突然精力的に彼らを活用するようになったらしい。
で、その用途について王は教えてくれた訳なんだけど……。
「はぁ」
と、それがどうかしたのかと気の無い返事をしたのが王は気に入らなかったらしい。
「いや、なんだ。こんな話を聞いたら普通は笑うか引くか驚くかするだろう!?」
王は私のリアクション次第でイマルごと私をからかう気でいたらしく、それが不発に終わったのが面白くない模様。
けど……ねぇ?
「いや、なんとなく察してはいましたから」
イマルが居なくなって、代わりのメンバー探しに困っていたら、都合の良い能力と情報を持った人員が都合良く現れて。その直後に初の対人戦を経験し。
ダンジョン村を出てからの旅路だって、情報を得るため他のパーティーと話す機会も度々あったけど、正直運が良いだけじゃ説明が付かないくらい私達の旅は順風満帆過ぎたからね。
「イマルは意地悪ですしノルマは鬼畜ですけど、面倒見は良すぎるくらい良いですからね。まぁ、さもありなん、としか思いませんよ」
そう言ったら、王はあれだけ止まらなかった笑いの発作をぴたりと治めて真顔になった。
「お嬢ちゃん、君はコレの嫁になって貴族になる事の意味をどのくらい理解している?」
「……元村人のイマルが、元伯爵家のお嬢様が貴族目線で見ても文句無しの振る舞いが出来ているんです。私もこれからそういう事を学ぶ必要があるんでしょうし、それだけしてもイマルに信頼出来る臣下が少ないなら、まあ私もある程度の苦労は覚悟しとかなきゃいけないんだろうなー、位は察してますけど。……ただ、歴代の聖女に貴族に嫁いだ前例はあっても魔族に嫁いだ前列はありませんでした。――魔族の貴族に嫁入りするのに、私は人間のままで良いんですかね?」
どうせどこに嫁いだって異世界人の聖女で賢者なんて苦労するに決まってるんだし、そこはもう気にしない事にしても、だ。そこはやっぱり気になる。イマルが吸血鬼になった事情を話したがらなかったのも含めて――。
「人間と魔族の婚姻例ならある。平民の間にも、貴族間でも、人間のままだった例も、人間から相手の種族になっての例もある」
王は真面目な顔のまま頷き、王はそんな彼らの例を語り始めた。
と、未だにおさまらない笑いを堪えつつ王はそれを阻止しようと必死なイマルを適当にあしらいながら教えてくれた話によると。
何でも、その生まれや経緯から信頼して仕事を任せられる手駒が少ないイマルが、ある日から突然精力的に彼らを活用するようになったらしい。
で、その用途について王は教えてくれた訳なんだけど……。
「はぁ」
と、それがどうかしたのかと気の無い返事をしたのが王は気に入らなかったらしい。
「いや、なんだ。こんな話を聞いたら普通は笑うか引くか驚くかするだろう!?」
王は私のリアクション次第でイマルごと私をからかう気でいたらしく、それが不発に終わったのが面白くない模様。
けど……ねぇ?
「いや、なんとなく察してはいましたから」
イマルが居なくなって、代わりのメンバー探しに困っていたら、都合の良い能力と情報を持った人員が都合良く現れて。その直後に初の対人戦を経験し。
ダンジョン村を出てからの旅路だって、情報を得るため他のパーティーと話す機会も度々あったけど、正直運が良いだけじゃ説明が付かないくらい私達の旅は順風満帆過ぎたからね。
「イマルは意地悪ですしノルマは鬼畜ですけど、面倒見は良すぎるくらい良いですからね。まぁ、さもありなん、としか思いませんよ」
そう言ったら、王はあれだけ止まらなかった笑いの発作をぴたりと治めて真顔になった。
「お嬢ちゃん、君はコレの嫁になって貴族になる事の意味をどのくらい理解している?」
「……元村人のイマルが、元伯爵家のお嬢様が貴族目線で見ても文句無しの振る舞いが出来ているんです。私もこれからそういう事を学ぶ必要があるんでしょうし、それだけしてもイマルに信頼出来る臣下が少ないなら、まあ私もある程度の苦労は覚悟しとかなきゃいけないんだろうなー、位は察してますけど。……ただ、歴代の聖女に貴族に嫁いだ前例はあっても魔族に嫁いだ前列はありませんでした。――魔族の貴族に嫁入りするのに、私は人間のままで良いんですかね?」
どうせどこに嫁いだって異世界人の聖女で賢者なんて苦労するに決まってるんだし、そこはもう気にしない事にしても、だ。そこはやっぱり気になる。イマルが吸血鬼になった事情を話したがらなかったのも含めて――。
「人間と魔族の婚姻例ならある。平民の間にも、貴族間でも、人間のままだった例も、人間から相手の種族になっての例もある」
王は真面目な顔のまま頷き、王はそんな彼らの例を語り始めた。
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