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第二章

王都の街並み

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 「はぁ~、流石王都だな」

 「うん、どこもかしこも凝った造りの建物ばかり。
 ……金持ち御用達の商業港みたくキラキラしまくりの高級店も勿論あるけど、それだけじゃない。
 庶民向けの店も普通にあるのに、それもキラキラこそしてないけどやっぱりどこか凝ってるのよね」

 「物価も……他の街よりやっぱ割高だな」

 宿に荷物を置き、腹拵えを済ませた後。
 ロイスと街を散策する。

 「食材は……、やっぱり満遍なく揃ってるわね」
 「飲食店は高級店は勿論大衆向けのもオシャレな店が多いな。品がある、っつーか。
 飲んで騒ぐだけの店とかひんしゅく買いそうな感じ」
 「お魚も、海のものは加工品が多いけど、川や湖で漁れる淡水魚は新鮮な物が並んでるね」

 何でも揃う。
 また来たメニューを決めかねる要素。
 その上気軽に飲み食い出来るのが利点の屋台営業と正反対とも言えるこの街の飲食店の様子。

 「流石王都、一筋縄じゃいかないね……」

 いつぞやのエリート海軍様相手の商売みたく富裕層にばかりスポットを当てた商品では庶民には敷居が高いと思われそうだし。
 逆に庶民色を出し過ぎると富裕層にはそっぽを向かれそうだし。

 「うん、難しい……」

 流石に城のある湖に浮かぶ島の中の貴族街には入れなかったが、湖周辺の街は一通り歩いて回った。

 本当に、肉も魚も野菜もフルーツも、それなりに良いものが普通に手に入る。……多少値段は割高だけども。
 小麦と米の価格差も誤差の範囲内でほぼ同額で手に入る。

 王都には各地方から様々な特産品が流入して来るが、王都の特産品と言うのは、少なくとも食品関連ではあまり話を聞かない。

 アパレル系の流行では最先端を行く街だけあって、宝飾店や服屋は気合を入れて競っている様だけど……

 だけど、ある程度歩いて回ると、やはり人気店の噂は聞こえてくる。

 どのそこのスイーツ店の新作メニューの話とか。
 どこぞのお貴族様お気に入りの高級菓子店とか。

 「ふむ、ここではお食事系より間食系のスイーツとかお菓子とかの方が需要はありそうね」

 庶民には少し背伸びをすれば手に入る。富裕層には普段使いに出来る程度の価格帯のスイーツ……

 それも、庶民には気軽に食べられ、富裕層にはお上品に食べていただけるスイーツ……

 「何でも手に入る、……なら。異世界転生のテンプレを今ここで使うか」

 異世界転生、それもグルメ系の活躍をする系主人公が大抵手を出す某スイーツ。
 単体ならシンプルに安く売れるし、デコレーションすれば見栄えもする。

 「よし、決めた」
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