屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜

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第二章

カフェテリアか、バイキングか

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 「うわぁ、結構まんべんなく入ってきてるなぁ」

 ジーク君のツテで、この街で入手が比較的簡単で、安価な食材の一覧を見せてもらったんだけど。

 スパイスはカレーに必要なスパイスは問題なく近隣の港から取り寄せる事が可能。
 ……運送費が多少プラスされるものの、基本物価が観光地仕様で若干お高めだから、これを使ったカレーを売り出しても値段的には許容範囲に収まるんだけど。

 「小麦も米もある。肉もシーフードも野菜も手に入る。カレーを作るか。それが問題ね」
 「“何”カレーとはどういう意味なんです?」
 「カレーって、幾らでもアレンジ可能な料理なのよ。
 だから、鶏肉を使えばチキンカレー、海鮮を具にすればシーフードカレー。
 ついでに米にもパン……って言って良いのかアレは……その、ナンって言うちょっと独特なパンとも合う料理なんだけど。
 それぞれ地域とか振る舞う人達の好みでその辺りは調整するものなんだけど……」

 「成程、この地域の特性からその絞り込みが難しい、と?」

 「そうね、カフェテリアかバイキング形式でも取り入れられれば……。いや、でも……」

 「カフェテリア? バイキング? 何ですかそれ? カフェテリアというのはカフェとは違うんですか?」

 「あー、えっとね、カフェテリアってのは……」
 と、それぞれの説明をすると。
 「それは面白い! ……ふむ、それだと今回の料理にはカフェテリアよりバイキング形式の方が適していそうですね。……流石に食べ放題はしばらくノウハウを学ばねば難しそうですが」
 とアドバイスをくれた。

 「ふふふ、各食材を入れる容器についてはお任せ下さい、必ずや揃えてみせましょう!」

 ……と、そう言うので。

 主食はナンとライス。
 ルーは甘いのと辛さの程度の異なる物を全部で五種類。
 具は肉や野菜、魚介やチーズなどのトッピングも合わせて並べて好きに取って貰う形式に決め。

 「……何か前世の某カレーチェーンコ○イチみたいだな」

 まずは早速ルーの調理に取り掛かる。
 間違いなくこれが一番手がかかるからね。

 「え、バーベキューじゃ簡単に作ってなかったか?」
 「そりゃ先にルーを用意してたからね」
 小麦で固めた、日本でおなじみカレールウ仕様にしてれば、ね。
 「けど、店として客に出すのにそれはない」

 あのスパイスの良い香りのするカレー屋さんの食欲をそそる匂いはやっぱり挽き立てスパイスでないとね?

 「あ、マジだ。さっきと香りが全然違う!」
 ……入れてる食材のレパートリーも違うから、確実にさっきのカレーより美味しく仕上がるよ?

 「味見! 味見したい!」
 「はいはい、出来たら一口ずつあげるから」
 「いつ出来る?」
 「――明日」
 「は?」
 「もっと本格的にやるなら1週間は欲しいところよ?」
 「……まじかよ」
 がっくりとうなだれるロイスに私は少し笑ってしまうのだった。
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