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第二章
肉飯は正義!
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鍋に湯を沸かし、酢を入れ、生の全卵を投入し、蓋をする。
こうしてしばし待てば、みんな大好きポーチドエッグの完成だ。
……温泉卵って言っても良いけど、アレホントは半熟どころかかた茹で卵でも温泉で作ったなら温泉卵って、言って良いらしく、
逆に温泉を使わず作った半熟卵は厳密には温泉卵って言っちゃいけないらしい。
まぁ、罪になる程の話じゃないから、ついつい温泉卵って言っちゃうんだけどね。
……と。閑話休題。
丼に先程のチャーシューの炊き込みご飯を盛り、レタスを敷いて、角煮と味噌漬けの焼き肉に、チャーシューの残りを乗せて、最後に真ん中に卵を乗せる。
味噌汁とお漬物をつけて。
「はい、お待たせしました。肉丼です」
ご飯も肉、上の具材も肉。
山姥相手に大立ち回りしたばかりの若い男。
味の濃い肉は最高のごちそうのはず……
果たして。
「美味ぇ、これ猪肉なんだろ? なのに臭くないし、けど豚より旨味が強いし脂も甘え。何よりこの甘辛いタレが絶妙で。
しかも乗ってる肉、これどれも味付違うし、マジで美味ぇわ」
ふふふ、思った通り大絶賛ね。
美味い、美味いと二回もお代わりして……
「ふぅ、こんだけ美味い肉がたらふく食える飯なんざ初めてだぜ。美味い肉を出す料理屋はいくつもあるが、この肉丼はもはや正義だな!」
満足なのがひと目で分かる満面の笑みでそうのたまう自称勇者。
「もし旅の途中でまた見かけたら、飯を食わせてくれるか?」
「はい。その時によって出せるメニューは変わってしまうとは思いますが、それでもよろしければ、喜んで」
「おお、ありがたい。ぜひ頼む。
……それはそうと、最近魔王軍の動きがやけに活発化してきているようだ。
各国の王やそれぞれの領主には伝えてあるが、どうにも反応の鈍い連中も多くてな。
君たちも気をつけて旅をしてくれ」
そう言って彼はまたワイバーンに乗って飛び去っていく。
「……、取り敢えず今日はもう片付けて寝ようか」
「そうだな」
色々ありすぎた昨日今日、いや最初の茶屋と遭遇してからこっちとにかく大変だったからな……。
私達はもう、肉体的にも精神的にもくたくたで、満場一致で休む事にした。
「……確かにこの肉飯美味いわ。うん、確かにこりゃ正義だな!」
私達も肉飯でスタミナつけて、今夜はさっさと寝る。
今夜も無事に生きている事に感謝しつつ。
もう、魔王軍のなんて縁のないものに関わらないよう祈りながら、私は眠りに就いたのだけど……。
まさか、勇者と名乗った彼が各地でうちの話をしまくり、私達の知らぬ間に私達の名が売れ渡っているなど、勿論この時の私は知る由もなかった。
こうしてしばし待てば、みんな大好きポーチドエッグの完成だ。
……温泉卵って言っても良いけど、アレホントは半熟どころかかた茹で卵でも温泉で作ったなら温泉卵って、言って良いらしく、
逆に温泉を使わず作った半熟卵は厳密には温泉卵って言っちゃいけないらしい。
まぁ、罪になる程の話じゃないから、ついつい温泉卵って言っちゃうんだけどね。
……と。閑話休題。
丼に先程のチャーシューの炊き込みご飯を盛り、レタスを敷いて、角煮と味噌漬けの焼き肉に、チャーシューの残りを乗せて、最後に真ん中に卵を乗せる。
味噌汁とお漬物をつけて。
「はい、お待たせしました。肉丼です」
ご飯も肉、上の具材も肉。
山姥相手に大立ち回りしたばかりの若い男。
味の濃い肉は最高のごちそうのはず……
果たして。
「美味ぇ、これ猪肉なんだろ? なのに臭くないし、けど豚より旨味が強いし脂も甘え。何よりこの甘辛いタレが絶妙で。
しかも乗ってる肉、これどれも味付違うし、マジで美味ぇわ」
ふふふ、思った通り大絶賛ね。
美味い、美味いと二回もお代わりして……
「ふぅ、こんだけ美味い肉がたらふく食える飯なんざ初めてだぜ。美味い肉を出す料理屋はいくつもあるが、この肉丼はもはや正義だな!」
満足なのがひと目で分かる満面の笑みでそうのたまう自称勇者。
「もし旅の途中でまた見かけたら、飯を食わせてくれるか?」
「はい。その時によって出せるメニューは変わってしまうとは思いますが、それでもよろしければ、喜んで」
「おお、ありがたい。ぜひ頼む。
……それはそうと、最近魔王軍の動きがやけに活発化してきているようだ。
各国の王やそれぞれの領主には伝えてあるが、どうにも反応の鈍い連中も多くてな。
君たちも気をつけて旅をしてくれ」
そう言って彼はまたワイバーンに乗って飛び去っていく。
「……、取り敢えず今日はもう片付けて寝ようか」
「そうだな」
色々ありすぎた昨日今日、いや最初の茶屋と遭遇してからこっちとにかく大変だったからな……。
私達はもう、肉体的にも精神的にもくたくたで、満場一致で休む事にした。
「……確かにこの肉飯美味いわ。うん、確かにこりゃ正義だな!」
私達も肉飯でスタミナつけて、今夜はさっさと寝る。
今夜も無事に生きている事に感謝しつつ。
もう、魔王軍のなんて縁のないものに関わらないよう祈りながら、私は眠りに就いたのだけど……。
まさか、勇者と名乗った彼が各地でうちの話をしまくり、私達の知らぬ間に私達の名が売れ渡っているなど、勿論この時の私は知る由もなかった。
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