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第二章
料理対決の下準備
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早速茶屋の前に、馬車を展開し屋台のキッチンの前に立つ。
必要な調味料をスキルで用意し。
レストの解体作業を横目にそれらを混ぜ合わせ、調味液を複数用意していく。
いやー、どんな時でも調味料に困らないってのはホント便利だわ。
……調味料だけじゃお腹は膨れないから、最低限の食材はある前提だけど、少なくともイモだけあって調味料が無い、ってな事には絶対ならないこのスキルのありがたみよ。
イノシシ肉って言うとついぼたん鍋ばかり思い浮かぶけど。
勿論それはそれで猪料理の定番中の定番だから作るけど。
……それだけだとさ、あの山姥姉妹に勝てそうにないんだよね。
年季の違い、っていうかさ。
山の中の一軒家、囲炉裏にかけた温かい鍋料理……って、イメージあるじゃない?
山姥の定番、鍋料理。猪肉の定番料理も鍋料理。
だから、一応鍋も作るけど、勝負どころは鍋ではなく。
味噌に生姜にニンニクで肉の臭みを消し。他酒やらみりんやらで味を整え。
隠し味に玉ねぎとりんごのすりおろしを。しっかり水気を絞りきってから混ぜ混ぜ。
その漬けダレに、解体の済んだロース肉を薄切りにしてぶっ込む。
これでまず一品、下拵えの準備が完了。
バラ肉は厚切りにして角煮にする。
今回は敢えて卵は入れず、肉のみ調理する。
まずアクを取り、肉を柔らかく煮込み、調味料を入れて味を染み込ませ、そのまま浸け置く。
これで鍋含め三品。
ここまでこってりだったりしょっぱいメニューが続く。
……ジビエだからね。
独特の臭みを何とかしようとすると濃い味付けになってしまいがちなんだよね。
お次はカレー、しかしカレーライスにするつもりはないけど。
今はまだ下準備、じっくりコトコトスパイスやお出汁の元となる野菜と一緒に煮込んでカレースープを作る時。
そしてその脇で、ロイスに粉からうどんを作らせる。
あ、ちなみに骨は豚骨ならぬ猪骨スープを作るべくグツグツ煮込み中。
ついでに角煮の一部はチャーシューに流用しています。
豚骨ラーメン……ならぬ猪骨うどん、いけるんじゃね? ……と、画策中でござい。
流石に博多豚骨ラーメンをいきなり美味しく作ろうなんてのは無茶だけど。
それっぽいアレンジ料理なら作れるんじゃね? と。
失敗したら私達の賄いって事にすればいいしね。
これで上手くすれば五品。
他にも色々夜遅くまで仕込み、一段落する頃には東の空が白み始めていて。
「ごめん、ちょっと仮眠する。後で叩き起こしてちょうだい」
私は疲れ切って眠りに就いたのだった。
必要な調味料をスキルで用意し。
レストの解体作業を横目にそれらを混ぜ合わせ、調味液を複数用意していく。
いやー、どんな時でも調味料に困らないってのはホント便利だわ。
……調味料だけじゃお腹は膨れないから、最低限の食材はある前提だけど、少なくともイモだけあって調味料が無い、ってな事には絶対ならないこのスキルのありがたみよ。
イノシシ肉って言うとついぼたん鍋ばかり思い浮かぶけど。
勿論それはそれで猪料理の定番中の定番だから作るけど。
……それだけだとさ、あの山姥姉妹に勝てそうにないんだよね。
年季の違い、っていうかさ。
山の中の一軒家、囲炉裏にかけた温かい鍋料理……って、イメージあるじゃない?
山姥の定番、鍋料理。猪肉の定番料理も鍋料理。
だから、一応鍋も作るけど、勝負どころは鍋ではなく。
味噌に生姜にニンニクで肉の臭みを消し。他酒やらみりんやらで味を整え。
隠し味に玉ねぎとりんごのすりおろしを。しっかり水気を絞りきってから混ぜ混ぜ。
その漬けダレに、解体の済んだロース肉を薄切りにしてぶっ込む。
これでまず一品、下拵えの準備が完了。
バラ肉は厚切りにして角煮にする。
今回は敢えて卵は入れず、肉のみ調理する。
まずアクを取り、肉を柔らかく煮込み、調味料を入れて味を染み込ませ、そのまま浸け置く。
これで鍋含め三品。
ここまでこってりだったりしょっぱいメニューが続く。
……ジビエだからね。
独特の臭みを何とかしようとすると濃い味付けになってしまいがちなんだよね。
お次はカレー、しかしカレーライスにするつもりはないけど。
今はまだ下準備、じっくりコトコトスパイスやお出汁の元となる野菜と一緒に煮込んでカレースープを作る時。
そしてその脇で、ロイスに粉からうどんを作らせる。
あ、ちなみに骨は豚骨ならぬ猪骨スープを作るべくグツグツ煮込み中。
ついでに角煮の一部はチャーシューに流用しています。
豚骨ラーメン……ならぬ猪骨うどん、いけるんじゃね? ……と、画策中でござい。
流石に博多豚骨ラーメンをいきなり美味しく作ろうなんてのは無茶だけど。
それっぽいアレンジ料理なら作れるんじゃね? と。
失敗したら私達の賄いって事にすればいいしね。
これで上手くすれば五品。
他にも色々夜遅くまで仕込み、一段落する頃には東の空が白み始めていて。
「ごめん、ちょっと仮眠する。後で叩き起こしてちょうだい」
私は疲れ切って眠りに就いたのだった。
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