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第一章
米どころ、レイクタウン
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「……あれ? もしかしなくてもあれだよね?」
それは、ようやく見えた大きな街。
取り敢えずの最終目的地に設定していた湖の町。
この国の一大米どころの中心街。
その街が、ようやく地平線近くに見えてきた。
湖に面したその街は港町でもあり、商業港と漁港の両方を持つ街だ。
広く、とてもにぎやかな街。
それが遠目からも分かる。
何せ街に向かう馬車、街から出てきた馬車があぜ道を次々行き交う。
荷物で一杯の荷馬車に乗合馬車。時に大商家の物らしい良い造りの馬車も見受けられる。
そして、貴族家の紋章付きの馬車も。……流石に主人格の方々の乗る馬車では無さそうだが、彼らの食卓に提供する料理の食材を見繕いに来た上級使用人の馬車だろうか?
近づく程に道は混み合い、人々の喧騒も大きくなっていく。
街に近づくにつれて米のみならず野菜の畑も見受けられるようになり、やがて獣避けの壁に囲われた街が間近に迫り、門をくぐるための手続きの為の馬車の列の最後尾につく。
手続き自体は簡単で、一人数分で済むのだが、いかんせん並ぶ人数が人数だ。どうしても待ち時間はそれなりにかかる。
大商人や貴族の紋章付きの馬車は顔パスで隣の門から止められることなくスイスイ出入りしてるんだけどね。
いつかあちら側に行ける日が来る事を願って、今は大人しく自分の番を待ち、そしてようやく街に入る。
門を抜けたその先は、まるで一種のテーマパークの様な。
遊園地的な乗り物なんか勿論何一つないけれど、その賑わいは某ネズミの国のお土産屋さんや飲食店の並ぶブースの様な……。
宝石やら服屋等の店は見受けられず。
……探せばあるんだろうけど、表通りに並ぶ店はどれもが食料品店。
扱うものこそ海産物や獣肉、野菜に加工品とそれぞれだし、店によって価格帯もまちまちだけど、とにかく食品や食材豊富な店に人が群がり、にぎやかな街、という印象。
そして真っすぐ伸びた大通りの先には水平線の見える大きな湖と、その手前に港が整備されているのが見える。
湖なので潮の香りはしないけれど、ふわりと適度に湿り気を帯びた風が常に髪を弄んでいく。
「素敵な街ね」
「港から観光の遊覧船も出ているぞ」
「運賃いくらかしら? そんなに高くないならせっかくだし乗ってみる? まぁその前に宿をとらないとだけどね」
これだけ食材に溢れた街なのだ。
飲食店も多そうだし、今夜の夕飯に自然と期待が高まる。
「荷物を置いたら街の散策をしましょう」
「賛成。さっき見かけたクラーケンの小さいやつみたいの焼いた串が反則級の良い匂いさせててな、ぜひ食べたいんだ」
そう、ちょっとした軽食を売る屋台も事欠かない。
「これは真剣にリサーチしないと、痛い目見そうね……」
それは、ようやく見えた大きな街。
取り敢えずの最終目的地に設定していた湖の町。
この国の一大米どころの中心街。
その街が、ようやく地平線近くに見えてきた。
湖に面したその街は港町でもあり、商業港と漁港の両方を持つ街だ。
広く、とてもにぎやかな街。
それが遠目からも分かる。
何せ街に向かう馬車、街から出てきた馬車があぜ道を次々行き交う。
荷物で一杯の荷馬車に乗合馬車。時に大商家の物らしい良い造りの馬車も見受けられる。
そして、貴族家の紋章付きの馬車も。……流石に主人格の方々の乗る馬車では無さそうだが、彼らの食卓に提供する料理の食材を見繕いに来た上級使用人の馬車だろうか?
近づく程に道は混み合い、人々の喧騒も大きくなっていく。
街に近づくにつれて米のみならず野菜の畑も見受けられるようになり、やがて獣避けの壁に囲われた街が間近に迫り、門をくぐるための手続きの為の馬車の列の最後尾につく。
手続き自体は簡単で、一人数分で済むのだが、いかんせん並ぶ人数が人数だ。どうしても待ち時間はそれなりにかかる。
大商人や貴族の紋章付きの馬車は顔パスで隣の門から止められることなくスイスイ出入りしてるんだけどね。
いつかあちら側に行ける日が来る事を願って、今は大人しく自分の番を待ち、そしてようやく街に入る。
門を抜けたその先は、まるで一種のテーマパークの様な。
遊園地的な乗り物なんか勿論何一つないけれど、その賑わいは某ネズミの国のお土産屋さんや飲食店の並ぶブースの様な……。
宝石やら服屋等の店は見受けられず。
……探せばあるんだろうけど、表通りに並ぶ店はどれもが食料品店。
扱うものこそ海産物や獣肉、野菜に加工品とそれぞれだし、店によって価格帯もまちまちだけど、とにかく食品や食材豊富な店に人が群がり、にぎやかな街、という印象。
そして真っすぐ伸びた大通りの先には水平線の見える大きな湖と、その手前に港が整備されているのが見える。
湖なので潮の香りはしないけれど、ふわりと適度に湿り気を帯びた風が常に髪を弄んでいく。
「素敵な街ね」
「港から観光の遊覧船も出ているぞ」
「運賃いくらかしら? そんなに高くないならせっかくだし乗ってみる? まぁその前に宿をとらないとだけどね」
これだけ食材に溢れた街なのだ。
飲食店も多そうだし、今夜の夕飯に自然と期待が高まる。
「荷物を置いたら街の散策をしましょう」
「賛成。さっき見かけたクラーケンの小さいやつみたいの焼いた串が反則級の良い匂いさせててな、ぜひ食べたいんだ」
そう、ちょっとした軽食を売る屋台も事欠かない。
「これは真剣にリサーチしないと、痛い目見そうね……」
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