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第一章
和のご馳走そのイチ。
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ロイスの勧めにより、うなぎを水槽二つ分、三十匹を購入し、まずは三日かけて泥抜きをする。
泥抜きをする間にタレを作り、また切れ味の良い新しい片刃の包丁を手に入れた。
刺し身も作れる刺身包丁。
やっぱり魚を捌くならいい包丁でないと……。
それでなくとも身を崩してしまいそうなのに、両刃の包丁では尚の事身が崩れやすいからね。
買った包丁で、練習がてらひたすら他の川魚の三枚おろしを作成し、フライと骨せんべいにしてテイクアウトで売ったらそこそこ売れました。
お陰でもし、うなぎで失敗してもしばらくの貧乏飯を我慢すれば良いレベルにまでリスクは下がった。
「さぁ、勝負よ……!」
泥抜きが済んだら、いよいようなぎとの勝負の時。
ぬるぬると滑るうなぎを水槽から掴み出し、その頭に杭を打って仮死させ身体を固定させる。
エラから包丁を入れて背開きにし、内臓を剥ぎ取り、縁と骨の処理をし、三等分に切り分ける。
言うは易しと言うが、いや文字通り。
杭を打つまでがまず大変だし、なんとか大人しくなっても、普通の魚より身が長い分、全部キレイに開くのって、かなり神経使う上にすごく難しい。
最初の5匹はやっぱり三等分のどこか一箇所は確実にくずれてて、崩れた分は最初からうざくにするつもりだったのだと割り切ることにして。
何とか捌ききったら今度は串打ち。
これは、多少不格好ながら何とか。え、専門家に見せたら? 当然怒られる出来だよ、当たり前でしょ?
その後身を蒸して、下準備は終わり。
ご飯を炊いて、焼鳥のときに使った焼き台を出して、丼風の器を用意して……、さぁ、いよいよ本番だ。
片手にうちわを装備して、片端からうなぎを並べて焼いていく。
既に蒸して一度火は通しているから、程よく焦げ目をつけ、タレと馴染ませるのが何より大事で、よってロイスに焼き係を任せる訳にはいかず、ロイスにはご飯をひたすら盛らせた。
一応、丼にご飯だけ残っちゃう失敗を懸念して、ご飯に予め少し多めにタレをかけておく。
そこに焼き上がったうなぎから串を外してご飯の上にダイブさせ。
「へぇ、これがうな丼、ねぇ……」
付け合せにうざくを付けて。
そのうざくの更に余ったやつを口にして、「へぇ、悪くないと思うけどな」とロイスが言う。
「それより何よりこの匂い、反則級だと思うんだけど?」
ははは。うなぎは匂いで食わせるって言葉があったくらいだからね。
匂いの攻撃力は半端じゃない。
けど、だからこそ期待して来たお客を満足させるにはハードルが上がるんだよね……。
さあ、いざ勝負!
泥抜きをする間にタレを作り、また切れ味の良い新しい片刃の包丁を手に入れた。
刺し身も作れる刺身包丁。
やっぱり魚を捌くならいい包丁でないと……。
それでなくとも身を崩してしまいそうなのに、両刃の包丁では尚の事身が崩れやすいからね。
買った包丁で、練習がてらひたすら他の川魚の三枚おろしを作成し、フライと骨せんべいにしてテイクアウトで売ったらそこそこ売れました。
お陰でもし、うなぎで失敗してもしばらくの貧乏飯を我慢すれば良いレベルにまでリスクは下がった。
「さぁ、勝負よ……!」
泥抜きが済んだら、いよいようなぎとの勝負の時。
ぬるぬると滑るうなぎを水槽から掴み出し、その頭に杭を打って仮死させ身体を固定させる。
エラから包丁を入れて背開きにし、内臓を剥ぎ取り、縁と骨の処理をし、三等分に切り分ける。
言うは易しと言うが、いや文字通り。
杭を打つまでがまず大変だし、なんとか大人しくなっても、普通の魚より身が長い分、全部キレイに開くのって、かなり神経使う上にすごく難しい。
最初の5匹はやっぱり三等分のどこか一箇所は確実にくずれてて、崩れた分は最初からうざくにするつもりだったのだと割り切ることにして。
何とか捌ききったら今度は串打ち。
これは、多少不格好ながら何とか。え、専門家に見せたら? 当然怒られる出来だよ、当たり前でしょ?
その後身を蒸して、下準備は終わり。
ご飯を炊いて、焼鳥のときに使った焼き台を出して、丼風の器を用意して……、さぁ、いよいよ本番だ。
片手にうちわを装備して、片端からうなぎを並べて焼いていく。
既に蒸して一度火は通しているから、程よく焦げ目をつけ、タレと馴染ませるのが何より大事で、よってロイスに焼き係を任せる訳にはいかず、ロイスにはご飯をひたすら盛らせた。
一応、丼にご飯だけ残っちゃう失敗を懸念して、ご飯に予め少し多めにタレをかけておく。
そこに焼き上がったうなぎから串を外してご飯の上にダイブさせ。
「へぇ、これがうな丼、ねぇ……」
付け合せにうざくを付けて。
そのうざくの更に余ったやつを口にして、「へぇ、悪くないと思うけどな」とロイスが言う。
「それより何よりこの匂い、反則級だと思うんだけど?」
ははは。うなぎは匂いで食わせるって言葉があったくらいだからね。
匂いの攻撃力は半端じゃない。
けど、だからこそ期待して来たお客を満足させるにはハードルが上がるんだよね……。
さあ、いざ勝負!
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