師匠はうっかり転生しちゃった伝説の陰陽師!

彩世幻夜

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第二章 都に来た理由は

参話 明日の予定は?

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    「……お前達一体何をしていたんだ」
    呆れ顔で私達を眺める草治に、私達は反論の言葉もなく、もそもそと夕飯を口に運んでいた。
    あの後お喋りしすぎて逆上せてグロッキーになって……なんて間抜けすぎて笑えない。
    ああ、だけどこのご飯美味しい。
    ずっと山の中を来たからお刺身なんて久しぶり……っていうか施設でも滅多に食べられないご馳走だったから、脂の乗ったハマチやタイがとにかく美味しい。
    「ふふっ、酒も美味いしいい夜だね」
    「はぁ、頼むぜ華乃。しかし何の話をしてたんだ?」
    「ああ、それはね……」
    「あわわわわ、い、言っちゃダメです、華乃さん!」
    あわあわと慌てる優菜を私は生暖かい目で眺める。
    「何で陽彰はそんなに余裕なの!」
    「だってバラされても困らないもん、私は」
    「ええ!?」
    「……まぁいいさ。それより明日の事だ」
    「それよりって!    兄様酷い!」
    「あのな、華乃に言うなと言ったのはお前だろう優菜。それとも聞いた方が良かったか?」
    「よ、良くない……」
    「とにかく。明日どうするかだが……。取り敢えず寄合所本部での報告と……陽彰の住民登録をしないとな」
    「住民登録、ですか?」
    「そうだ。……一応身分証明書だけは作ったが、いざという時の為に異世界人は国に報告する義務がある。……が、実際は地方に現れた者は学の無い平民が拾う事が多くて、どこまで正確に把握しているかは分からないが」
    「ちなみにそれはどこで出来るんですか?」
    「……王城だ」
    「ええ!?」
    「――王や重鎮と会うような事はない。王城の役所の窓口で書類のやり取りをして終わりだ。……書類の数があるから面倒だが、お前は読み書きが出来るから、多少楽だろう」
    文字の読み書きが出来ない異世界は少なくない様で、代筆者の用意などが要って大変なんだそうだけど、私にはその手間が無い分所要時間は短くなるだろうとの事だった。
    「あまり長居すると緋川の者と接触する可能性もそれだけ増える。とっとと所用を済ませて旅立ちたいな」
    ……ああ。その懸念もあるのか。
    「ここまで山沿いの村にばかり立ち寄ったし、今度は漁村へ行くか?」
    新鮮な海のお魚は……魅力的だよね。
    「じゃあ、明日は陽彰の住民登録が最優先、終わって時間があったら寄合所、無かったら明日って事で良いか?」
    「了解」
     ――そして、翌日。
    大きな荷物は旅館の部屋に置いて、私達は身軽な格好で街を歩いていた。
    服屋に宝石屋、本屋に文具屋など、田舎の街には無かった店が多くある。
    そしてその道の先にあるのが――
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