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第一章 修行開始
弐話 五行とは
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魔法。
現代の日本では完全にファンタジー扱いされる物だけれど、物語などでは大抵は地、水、火、風という四大元素を基本としている事が多い。
だけど、陰陽道ではこれが木、火、土、金、水の五行が基本となる。
例えば水は湿潤で低い所へ流れる性質であるとか。
火は熱く上昇する性質だとか。
木は曲直して成長する性質だとか。
金は変化しやすい性質だとか。
土は万物を生み育て収穫を助ける性質だとか。
故に、春は草木が芽吹く季節だから「木」。
暑い夏は「火」で、逆に寒い季節の冬は「水」。
秋は草木が縮こまるから「金」とされたり。
南と北は季節同様暑さと寒さで「火」と「水」。
太陽が昇る東が「木」、沈む西が「金」。
――といった具合にあらゆる物が五行に分類される。
更に。
「木」は燃えて「火」を生み灰となって「土」を生み、その重みはやがて「金」となりその肌は「水」の滴を帯び、水は「木」を生む。これを相生と呼ぶ。
逆に。
「木」は「土」から養分を得る。
「土」は「水」をせき止める。
「水」は「火」を消し。
「火」は「金」を溶かし。
「金」は「木」を切り倒す。
これを相克と呼ぶ。
……つまりこれは、某ゲーム風に言うなら「タイプ」の「相性」であり、「効果は抜群」か「効果は今一つ」かの判断基準となる理論なのだ。
モンスターのタイプや技のタイプを知らずに適当に技を放っても、よほどレベルに差がない限りは勝てない。
――事実。
「火」に打ち勝つはずの「水」も「火」が強すぎると蒸発し、下手すれば水蒸気爆発にも繋がりかねない可能性だってある。
だから、何をするにもこれを覚えなければ始まらないと晴明が言うものだから、村を出て数日は歩きながら暗記に勤しむ毎日となった。
途中で理解が滞ればちゃんと説明はしてくれるんだけどね、やっぱり暗記は自分でやらなきゃ意味無いしね。
「ふむ、興味深い考え方だな。医術にも通ずる所のありそうな理論だ」
「あら、それを言うなら薬学もそうですわ」
「それはそうであろう。ワシの時代には我ら陰陽師は医者や薬師の役目も一部負っておったからの。無論専門にしとる者は別に居たが、さわりの知識くらいはワシも学んだぞ」
「――何より、この世界にある魔法元素とその『五行』とやらの属性がまるきり同じだ」
「……え?」
「魔力のある者は限られ、その力を使って実際に魔法を使うのは一部の者達だけだが、お前の努力次第では使えるようになるかもな」
え。陰陽道なんて……と、ちらっと思ったりもしなかった訳じゃないけど、魔法が使えるかもしれないってのは魅力的だ。
「頑張ります!」
現代の日本では完全にファンタジー扱いされる物だけれど、物語などでは大抵は地、水、火、風という四大元素を基本としている事が多い。
だけど、陰陽道ではこれが木、火、土、金、水の五行が基本となる。
例えば水は湿潤で低い所へ流れる性質であるとか。
火は熱く上昇する性質だとか。
木は曲直して成長する性質だとか。
金は変化しやすい性質だとか。
土は万物を生み育て収穫を助ける性質だとか。
故に、春は草木が芽吹く季節だから「木」。
暑い夏は「火」で、逆に寒い季節の冬は「水」。
秋は草木が縮こまるから「金」とされたり。
南と北は季節同様暑さと寒さで「火」と「水」。
太陽が昇る東が「木」、沈む西が「金」。
――といった具合にあらゆる物が五行に分類される。
更に。
「木」は燃えて「火」を生み灰となって「土」を生み、その重みはやがて「金」となりその肌は「水」の滴を帯び、水は「木」を生む。これを相生と呼ぶ。
逆に。
「木」は「土」から養分を得る。
「土」は「水」をせき止める。
「水」は「火」を消し。
「火」は「金」を溶かし。
「金」は「木」を切り倒す。
これを相克と呼ぶ。
……つまりこれは、某ゲーム風に言うなら「タイプ」の「相性」であり、「効果は抜群」か「効果は今一つ」かの判断基準となる理論なのだ。
モンスターのタイプや技のタイプを知らずに適当に技を放っても、よほどレベルに差がない限りは勝てない。
――事実。
「火」に打ち勝つはずの「水」も「火」が強すぎると蒸発し、下手すれば水蒸気爆発にも繋がりかねない可能性だってある。
だから、何をするにもこれを覚えなければ始まらないと晴明が言うものだから、村を出て数日は歩きながら暗記に勤しむ毎日となった。
途中で理解が滞ればちゃんと説明はしてくれるんだけどね、やっぱり暗記は自分でやらなきゃ意味無いしね。
「ふむ、興味深い考え方だな。医術にも通ずる所のありそうな理論だ」
「あら、それを言うなら薬学もそうですわ」
「それはそうであろう。ワシの時代には我ら陰陽師は医者や薬師の役目も一部負っておったからの。無論専門にしとる者は別に居たが、さわりの知識くらいはワシも学んだぞ」
「――何より、この世界にある魔法元素とその『五行』とやらの属性がまるきり同じだ」
「……え?」
「魔力のある者は限られ、その力を使って実際に魔法を使うのは一部の者達だけだが、お前の努力次第では使えるようになるかもな」
え。陰陽道なんて……と、ちらっと思ったりもしなかった訳じゃないけど、魔法が使えるかもしれないってのは魅力的だ。
「頑張ります!」
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