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魔王対策

おネェ様。

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    にこにこと愛想の良い笑顔で迎えてくれたのは。
    黒い猫耳&猫尻尾を持つハーフ獣人。細マッチョでしなやかな体つきの美男子……なのだけれど。
    「お好きなお席にどうぞ~!    今なら奥の窓側のお席がお勧めよ♪」
    口調や仕草はまるで女性のようだ。
    ……これは、つまり。
    「ネコミミ獣人の美形でおネェとか……属性盛り過ぎだろ」
    ぽそりと呆れたように呟くカイル。
    勧められた席に着くと、メニューをテーブルに置く。
   「お決まりになりましたらそこのベルでお呼びくださいね!」
    ……語尾にハートマークが散ってそう。ウィンクがまた美形なだけあって決まってるのが何とも言えない。
    こういうのに耐性の無いレイフレッド以下姉兄達は顔に出さないようにしながらも僅かに硬直していた。
    取り敢えずメニューを開くと、青椒肉絲や回鍋肉の様な中華料理からパエリアやロースト肉各種といった洋食、和食としては鍋料理等が取り揃えられている。
    そこで、鍋料理一つとパエリア、他に肉料理をいくつか注文する。
    スープと飯と肉。どれもこってり系だけど、腹ペコな姉兄達のお腹にはこれくらいで丁度良い。
    「は~い、おまたせ!    ごゆっくりどうぞ♪」
    料理がターンテーブルに乗せられると、早速カトラリーを手に姉兄達のバトルが開始される。
    ……普段は給仕役が居るからね。ウチでは珍しい光景だけど。
   「おおっ、美味い!」
    それでも彼らは王子と王女。食べ方は綺麗だ。
    ……そしてレイフレッドの子だけあって見てくれはかなり良い方だろう。
    それが団体様で美味しそうに食事をしていれば――
    「ねぇ、あの人たちが食べてるメニューを食べてみたいんだけど?」
    「……いつも肉料理ばかり頼んでるが、たまにはパエリアってのも旨そうだな」
    ……なんて客も出てくる訳で。
    「うふふふふ、売り上げに貢献してくれて嬉しいわぁ。あ、これデザートよ、サービスだから遠慮なく食べてね」
    可愛くデコレーションされたパンケーキを置いていくおネェな黒猫。
    ……色んな意味で濃ゆいランチを終え、私達はホテルへと帰還する。
    これで明日までゆっくり……したいところだけど、そうもいかない。
     念のため留守番を交代で一人置いて、他は空間使って国に戻ってお仕事です。
     私もレイフレッドやカイルと共に外交官からあちらの大陸の国々についてのお勉強。
    魔道具の設置ついでに纏めて来れそうな案件については度々会議をしては意見を交わしあったりもしている。
    夕食にはホテルへと戻り、ホテルで出される料理をいただく。
    んー、味は悪くないんだけど。
    街で食べた料理の方が美味しかったなぁ……。
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