347 / 370
魔王対策
おネェ様。
しおりを挟む
にこにこと愛想の良い笑顔で迎えてくれたのは。
黒い猫耳&猫尻尾を持つハーフ獣人。細マッチョでしなやかな体つきの美男子……なのだけれど。
「お好きなお席にどうぞ~! 今なら奥の窓側のお席がお勧めよ♪」
口調や仕草はまるで女性のようだ。
……これは、つまり。
「ネコミミ獣人の美形でおネェとか……属性盛り過ぎだろ」
ぽそりと呆れたように呟くカイル。
勧められた席に着くと、メニューをテーブルに置く。
「お決まりになりましたらそこのベルでお呼びくださいね!」
……語尾にハートマークが散ってそう。ウィンクがまた美形なだけあって決まってるのが何とも言えない。
こういうのに耐性の無いレイフレッド以下姉兄達は顔に出さないようにしながらも僅かに硬直していた。
取り敢えずメニューを開くと、青椒肉絲や回鍋肉の様な中華料理からパエリアやロースト肉各種といった洋食、和食としては鍋料理等が取り揃えられている。
そこで、鍋料理一つとパエリア、他に肉料理をいくつか注文する。
スープと飯と肉。どれもこってり系だけど、腹ペコな姉兄達のお腹にはこれくらいで丁度良い。
「は~い、おまたせ! ごゆっくりどうぞ♪」
料理がターンテーブルに乗せられると、早速カトラリーを手に姉兄達のバトルが開始される。
……普段は給仕役が居るからね。ウチでは珍しい光景だけど。
「おおっ、美味い!」
それでも彼らは王子と王女。食べ方は綺麗だ。
……そしてレイフレッドの子だけあって見てくれはかなり良い方だろう。
それが団体様で美味しそうに食事をしていれば――
「ねぇ、あの人たちが食べてるメニューを食べてみたいんだけど?」
「……いつも肉料理ばかり頼んでるが、たまにはパエリアってのも旨そうだな」
……なんて客も出てくる訳で。
「うふふふふ、売り上げに貢献してくれて嬉しいわぁ。あ、これデザートよ、サービスだから遠慮なく食べてね」
可愛くデコレーションされたパンケーキを置いていくおネェな黒猫。
……色んな意味で濃ゆいランチを終え、私達はホテルへと帰還する。
これで明日までゆっくり……したいところだけど、そうもいかない。
念のため留守番を交代で一人置いて、他は空間使って国に戻ってお仕事です。
私もレイフレッドやカイルと共に外交官からあちらの大陸の国々についてのお勉強。
魔道具の設置ついでに纏めて来れそうな案件については度々会議をしては意見を交わしあったりもしている。
夕食にはホテルへと戻り、ホテルで出される料理をいただく。
んー、味は悪くないんだけど。
街で食べた料理の方が美味しかったなぁ……。
黒い猫耳&猫尻尾を持つハーフ獣人。細マッチョでしなやかな体つきの美男子……なのだけれど。
「お好きなお席にどうぞ~! 今なら奥の窓側のお席がお勧めよ♪」
口調や仕草はまるで女性のようだ。
……これは、つまり。
「ネコミミ獣人の美形でおネェとか……属性盛り過ぎだろ」
ぽそりと呆れたように呟くカイル。
勧められた席に着くと、メニューをテーブルに置く。
「お決まりになりましたらそこのベルでお呼びくださいね!」
……語尾にハートマークが散ってそう。ウィンクがまた美形なだけあって決まってるのが何とも言えない。
こういうのに耐性の無いレイフレッド以下姉兄達は顔に出さないようにしながらも僅かに硬直していた。
取り敢えずメニューを開くと、青椒肉絲や回鍋肉の様な中華料理からパエリアやロースト肉各種といった洋食、和食としては鍋料理等が取り揃えられている。
そこで、鍋料理一つとパエリア、他に肉料理をいくつか注文する。
スープと飯と肉。どれもこってり系だけど、腹ペコな姉兄達のお腹にはこれくらいで丁度良い。
「は~い、おまたせ! ごゆっくりどうぞ♪」
料理がターンテーブルに乗せられると、早速カトラリーを手に姉兄達のバトルが開始される。
……普段は給仕役が居るからね。ウチでは珍しい光景だけど。
「おおっ、美味い!」
それでも彼らは王子と王女。食べ方は綺麗だ。
……そしてレイフレッドの子だけあって見てくれはかなり良い方だろう。
それが団体様で美味しそうに食事をしていれば――
「ねぇ、あの人たちが食べてるメニューを食べてみたいんだけど?」
「……いつも肉料理ばかり頼んでるが、たまにはパエリアってのも旨そうだな」
……なんて客も出てくる訳で。
「うふふふふ、売り上げに貢献してくれて嬉しいわぁ。あ、これデザートよ、サービスだから遠慮なく食べてね」
可愛くデコレーションされたパンケーキを置いていくおネェな黒猫。
……色んな意味で濃ゆいランチを終え、私達はホテルへと帰還する。
これで明日までゆっくり……したいところだけど、そうもいかない。
念のため留守番を交代で一人置いて、他は空間使って国に戻ってお仕事です。
私もレイフレッドやカイルと共に外交官からあちらの大陸の国々についてのお勉強。
魔道具の設置ついでに纏めて来れそうな案件については度々会議をしては意見を交わしあったりもしている。
夕食にはホテルへと戻り、ホテルで出される料理をいただく。
んー、味は悪くないんだけど。
街で食べた料理の方が美味しかったなぁ……。
0
お気に入りに追加
1,081
あなたにおすすめの小説
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
悪役令嬢キャロライン、勇者パーティーを追放される。
Y・K
ファンタジー
それは突然言い渡された。
「キャロライン、君を追放する」
公爵令嬢キャロラインはダンジョンの地下100階にて、いきなり勇者パーティーからの追放を言い渡された。
この物語は、この事件をきっかけにその余波がミッドランド王国中に広がりとてつもない騒動を巻き起こす物語。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました
竹桜
ファンタジー
自動運転の試験車両に轢かれて、死んでしまった主人公は異世界のランガン伯爵家の次男に転生した。
転生後の生活は順調そのものだった。
だが、プライドだけ高い兄が愚かな行為をしてしまった。
その結果、主人公の両親は当主の座を追われ、主人公が10歳で当主になってしまった。
これは10歳で当主になってしまった者の物語だ。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
前世は婚約者に浮気された挙げ句、殺された子爵令嬢です。ところでお父様、私の顔に見覚えはございませんか?
柚木崎 史乃
ファンタジー
子爵令嬢マージョリー・フローレスは、婚約者である公爵令息ギュスターヴ・クロフォードに婚約破棄を告げられた。
理由は、彼がマージョリーよりも愛する相手を見つけたからだという。
「ならば、仕方がない」と諦めて身を引こうとした矢先。マージョリーは突然、何者かの手によって階段から突き落とされ死んでしまう。
だが、マージョリーは今際の際に見てしまった。
ニヤリとほくそ笑むギュスターヴが、自分に『真実』を告げてその場から立ち去るところを。
マージョリーは、心に誓った。「必ず、生まれ変わってこの無念を晴らしてやる」と。
そして、気づけばマージョリーはクロフォード公爵家の長女アメリアとして転生していたのだった。
「今世は復讐のためだけに生きよう」と決心していたアメリアだったが、ひょんなことから居場所を見つけてしまう。
──もう二度と、自分に幸せなんて訪れないと思っていたのに。
その一方で、アメリアは成長するにつれて自分の顔が段々と前世の自分に近づいてきていることに気づかされる。
けれど、それには思いも寄らない理由があって……?
信頼していた相手に裏切られ殺された令嬢は今世で人の温かさや愛情を知り、過去と決別するために奔走する──。
※本作品は商業化され、小説配信アプリ「Read2N」にて連載配信されております。そのため、配信されているものとは内容が異なるのでご了承下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる