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国王のお仕事

魔王とは?

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    「ああ、うん。誤解しないで欲しいんだけど。今現在のところ、まだ魔王は発生してない。……それと、魔王だからって何も魔族がなると決まったもんじゃなくて、人間も獣人も、下手するとドラゴンレベルの知能を持った魔物ならそれが魔王化する場合もある。どのフラグも全部君がへし折っちゃったから、まだ魔王は出現してない」
    「……え?」
    「――今だから言うけどさ、魔王の第一候補だったのってそこの君……レイフレッド君だっけ?    ――なんだよね」
    こら待て。そりゃ何の話だ!?
    「これは僕らの領分じゃないけど、未来視専門の子がさぁ、何通りもの未来を見てる訳。その一つにそこの彼が魔王化する未来があったって事」
    「そうそう。君が育ててる神竜も、君が拾って育てなきゃ邪竜として生まれて魔王化した未来もあったし……」
    「『神子』が魔王になった未来もあったっけ?」
    「頼んでもないのに、魔王出現フラグを次々折ってくれたお陰で今もまだ何とか世界は平和なんだけどさ」
    「世界がそろそろ限界なんだよね」
    「本当はさ、エルシーの神官あたりに神託下ろして片付けて貰えればそれが一番良いんだろうけど」
    「千年近く大きな戦もなく表面上は平和だったからね」
    「魔王を相手に出来る戦力になるかっていうと……」
    「まぁ、ムリだよね?」
    「……信仰自体は真面目にやってるけど、それ以上に権力闘争に力入れちゃったりしてるから、余計な思惑とか入って逆に混乱しそうだしー」
    「うっかりすると教会関係者から魔王が出たりして?」
    「……それが冗談で済まなそうだから、君達にお願いしたいんだよ!」
     ……それぞれが順々に話すので頭が痛くなりそうだが、とどのつまりは。
     この神界と私達が住む世界とは、砂時計のように細い道で繋がっているらしい。
    そしてその道を通って神々の力は私達の世界に降り注ぎ、その力を私達は神眼石を使って取り込みスキルや魔法を使っている、んだそうで。
    そして私達が生きている限りどうしても生まれてしまう負感情は逆に神眼石を通してある程度放出され、神界で浄化されるらしい。
    ――このバランスが正常な内は良いけれど、その天秤が負に傾きすぎた時、その依り代となってしまった者が魔王として顕現するんだそうで。
   「最近は、魔王がいつ現れるかヒヤヒヤハラハラしてるの!」
   「特にダムフールでその傾向があるんだよ……」
   「だから、本格的に魔王が顕現する前に何とかして下さい、お願いします!」
    この世界で神とされる五柱に泣き落としされましたけど。
    さーて、どうしようかなぁ……。
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