328 / 370
国王のお仕事
魔王とは?
しおりを挟む
「ああ、うん。誤解しないで欲しいんだけど。今現在のところ、まだ魔王は発生してない。……それと、魔王だからって何も魔族がなると決まったもんじゃなくて、人間も獣人も、下手するとドラゴンレベルの知能を持った魔物ならそれが魔王化する場合もある。どのフラグも全部君がへし折っちゃったから、まだ魔王は出現してない」
「……え?」
「――今だから言うけどさ、魔王の第一候補だったのってそこの君……レイフレッド君だっけ? ――なんだよね」
こら待て。そりゃ何の話だ!?
「これは僕らの領分じゃないけど、未来視専門の子がさぁ、何通りもの未来を見てる訳。その一つにそこの彼が魔王化する未来があったって事」
「そうそう。君が育ててる神竜も、君が拾って育てなきゃ邪竜として生まれて魔王化した未来もあったし……」
「『神子』が魔王になった未来もあったっけ?」
「頼んでもないのに、魔王出現フラグを次々折ってくれたお陰で今もまだ何とか世界は平和なんだけどさ」
「世界がそろそろ限界なんだよね」
「本当はさ、エルシーの神官あたりに神託下ろして片付けて貰えればそれが一番良いんだろうけど」
「千年近く大きな戦もなく表面上は平和だったからね」
「魔王を相手に出来る戦力になるかっていうと……」
「まぁ、ムリだよね?」
「……信仰自体は真面目にやってるけど、それ以上に権力闘争に力入れちゃったりしてるから、余計な思惑とか入って逆に混乱しそうだしー」
「うっかりすると教会関係者から魔王が出たりして?」
「……それが冗談で済まなそうだから、君達にお願いしたいんだよ!」
……それぞれが順々に話すので頭が痛くなりそうだが、とどのつまりは。
この神界と私達が住む世界とは、砂時計のように細い道で繋がっているらしい。
そしてその道を通って神々の力は私達の世界に降り注ぎ、その力を私達は神眼石を使って取り込みスキルや魔法を使っている、んだそうで。
そして私達が生きている限りどうしても生まれてしまう負感情は逆に神眼石を通してある程度放出され、神界で浄化されるらしい。
――このバランスが正常な内は良いけれど、その天秤が負に傾きすぎた時、その依り代となってしまった者が魔王として顕現するんだそうで。
「最近は、魔王がいつ現れるかヒヤヒヤハラハラしてるの!」
「特にダムフールでその傾向があるんだよ……」
「だから、本格的に魔王が顕現する前に何とかして下さい、お願いします!」
この世界で神とされる五柱に泣き落としされましたけど。
さーて、どうしようかなぁ……。
「……え?」
「――今だから言うけどさ、魔王の第一候補だったのってそこの君……レイフレッド君だっけ? ――なんだよね」
こら待て。そりゃ何の話だ!?
「これは僕らの領分じゃないけど、未来視専門の子がさぁ、何通りもの未来を見てる訳。その一つにそこの彼が魔王化する未来があったって事」
「そうそう。君が育ててる神竜も、君が拾って育てなきゃ邪竜として生まれて魔王化した未来もあったし……」
「『神子』が魔王になった未来もあったっけ?」
「頼んでもないのに、魔王出現フラグを次々折ってくれたお陰で今もまだ何とか世界は平和なんだけどさ」
「世界がそろそろ限界なんだよね」
「本当はさ、エルシーの神官あたりに神託下ろして片付けて貰えればそれが一番良いんだろうけど」
「千年近く大きな戦もなく表面上は平和だったからね」
「魔王を相手に出来る戦力になるかっていうと……」
「まぁ、ムリだよね?」
「……信仰自体は真面目にやってるけど、それ以上に権力闘争に力入れちゃったりしてるから、余計な思惑とか入って逆に混乱しそうだしー」
「うっかりすると教会関係者から魔王が出たりして?」
「……それが冗談で済まなそうだから、君達にお願いしたいんだよ!」
……それぞれが順々に話すので頭が痛くなりそうだが、とどのつまりは。
この神界と私達が住む世界とは、砂時計のように細い道で繋がっているらしい。
そしてその道を通って神々の力は私達の世界に降り注ぎ、その力を私達は神眼石を使って取り込みスキルや魔法を使っている、んだそうで。
そして私達が生きている限りどうしても生まれてしまう負感情は逆に神眼石を通してある程度放出され、神界で浄化されるらしい。
――このバランスが正常な内は良いけれど、その天秤が負に傾きすぎた時、その依り代となってしまった者が魔王として顕現するんだそうで。
「最近は、魔王がいつ現れるかヒヤヒヤハラハラしてるの!」
「特にダムフールでその傾向があるんだよ……」
「だから、本格的に魔王が顕現する前に何とかして下さい、お願いします!」
この世界で神とされる五柱に泣き落としされましたけど。
さーて、どうしようかなぁ……。
0
お気に入りに追加
1,081
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。
黒ハット
ファンタジー
前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる