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国王のお仕事
エルシー大神殿へ
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「あ、フルーツ美味い」
私達以外の客が居ない船は、社交など気にしなくて良くて非常に楽だった。
迎えのエルシー国の人員は、大半は使用人で、代表のみ下級貴族であるらしい。
……どこまで見下せば気が済むのか分からないけど。
ウェルカムフルーツとして用意されていた果物を口にして、カイルがそれを気に入ったらしい。
本人は結構お気楽だ。
もう少し位は緊張感を持ってくれ……と言ってやりたくなりそうだけど……本番まで緊張しっぱなしでも疲れそうだしな……。
と、最初の一日目で私は諦めた。
他の姉弟達も、そんなマイペースな弟に釣られるように、好きに振る舞うようになった。
その一方で、レイフレッドのそわそわは日を追うごとに酷くなっていく。
レイフレッドは息子が心配でしょうがないんだろうけど、これではそれこそ到着する前に疲れてしまう。
私は夜な夜な外に連れ出し、温泉に無理やり放り込んで無理やり緊張を解かせてひたすら愚痴に付き合ってやって、取り敢えずは見守れと諭す。
本格的にヤバくなったら、その時は全力で助ければ良いんだから、しばらくは楽にしていた方が良いと。
時には仕事を積み上げて、余計な考え事を出来ないようにしてやったり。
「……済みません」
「レイフレッドがそうやって、私や子供達の事を真剣に心配してくれるのは嬉しいし、実際頼りにしてるからね。いざと言う時はよろしくね」
勿論レイフレッド一人に頑張らせるつもりはない。私だって今度こそ役立つために、こっそり秘密兵器を開発してきたのだ。
もうお荷物になるのはごめんだからね。
そして、ほんの数ヵ月前に見たばかりの景色が目に入る頃には私達も色々準備を整え何時でも戦う用意が出来ていた。――頭脳戦でも、肉弾戦でもどちらでも対応出来るように。
だけど、船を降りて見覚えのあるリムジンに乗せられたは良いけれど、海沿いのホテル群を抜けて車はどんどん内陸部へと進んでいく。
ホテル群を抜けると繁華街、商店街と続き、高級住宅街が並び始める。
すると、前方に二つの大きな建物が見えてくる。
片方は見覚えがある。
自国にもある、教会と同じデザインながら、遥かに大きく荘厳な建物だ。
……すると、あれが大神殿なんだろう。
ならばもう一つのあれは城か。
だけど、車はその二つのどちらにも行かぬまま、手前のビルへと入っていった。
ロータリーへと入ると人が待っていて、車のドアを開けてくれる。
どうやらホテルのようだ。
「ようこそいらっしゃいました」
私達は車を降り、改めてエルシー国の土を踏みしめたのだった。
私達以外の客が居ない船は、社交など気にしなくて良くて非常に楽だった。
迎えのエルシー国の人員は、大半は使用人で、代表のみ下級貴族であるらしい。
……どこまで見下せば気が済むのか分からないけど。
ウェルカムフルーツとして用意されていた果物を口にして、カイルがそれを気に入ったらしい。
本人は結構お気楽だ。
もう少し位は緊張感を持ってくれ……と言ってやりたくなりそうだけど……本番まで緊張しっぱなしでも疲れそうだしな……。
と、最初の一日目で私は諦めた。
他の姉弟達も、そんなマイペースな弟に釣られるように、好きに振る舞うようになった。
その一方で、レイフレッドのそわそわは日を追うごとに酷くなっていく。
レイフレッドは息子が心配でしょうがないんだろうけど、これではそれこそ到着する前に疲れてしまう。
私は夜な夜な外に連れ出し、温泉に無理やり放り込んで無理やり緊張を解かせてひたすら愚痴に付き合ってやって、取り敢えずは見守れと諭す。
本格的にヤバくなったら、その時は全力で助ければ良いんだから、しばらくは楽にしていた方が良いと。
時には仕事を積み上げて、余計な考え事を出来ないようにしてやったり。
「……済みません」
「レイフレッドがそうやって、私や子供達の事を真剣に心配してくれるのは嬉しいし、実際頼りにしてるからね。いざと言う時はよろしくね」
勿論レイフレッド一人に頑張らせるつもりはない。私だって今度こそ役立つために、こっそり秘密兵器を開発してきたのだ。
もうお荷物になるのはごめんだからね。
そして、ほんの数ヵ月前に見たばかりの景色が目に入る頃には私達も色々準備を整え何時でも戦う用意が出来ていた。――頭脳戦でも、肉弾戦でもどちらでも対応出来るように。
だけど、船を降りて見覚えのあるリムジンに乗せられたは良いけれど、海沿いのホテル群を抜けて車はどんどん内陸部へと進んでいく。
ホテル群を抜けると繁華街、商店街と続き、高級住宅街が並び始める。
すると、前方に二つの大きな建物が見えてくる。
片方は見覚えがある。
自国にもある、教会と同じデザインながら、遥かに大きく荘厳な建物だ。
……すると、あれが大神殿なんだろう。
ならばもう一つのあれは城か。
だけど、車はその二つのどちらにも行かぬまま、手前のビルへと入っていった。
ロータリーへと入ると人が待っていて、車のドアを開けてくれる。
どうやらホテルのようだ。
「ようこそいらっしゃいました」
私達は車を降り、改めてエルシー国の土を踏みしめたのだった。
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