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国王のお仕事

会場入りします。

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    夜会を終えた、翌日午後。
    昨夜は夜会で遅かったからか、遅い朝食と早い昼食が一緒になったブランチとして出され、また迎えのリムジンがやって来た。
    今度は例の会場へと向かう車。
    それは、縦横は勿論、高さも周囲の建物とは一線を画す大きさの建物で、中央の高さのあるビルはまるで塔の様だ。
    その周囲を取り囲むようにある建物も、正面から見ると国会議事堂の様だし、趣のある造りになっている。
    その正面玄関のロータリーに車は滑り込んでいく。
   「ご案内致します」
     玄関には案内の係員が立っていて、車から降りた私達を中へと導いた。
    玄関を入ると広いエントランスホールが私達を圧倒する。エントランス各所に神々の姿絵や彫刻や像が飾られている。
    そのエントランスホール正面にある巨大な両開きの扉の向こうが会議室らしい。
    広い円形ホール。
    席は映画館のように段々になっていて、机と椅子がずらりと並んでいる。
    その広さと数は……東京ドームとは言わないけれど、国連の議会場を思わせる。
    ……どうやら私達の席は最後列の様だけど。
    まだ人の少ない会場は余計に広く感じる。円の中央には議長席らしきものもあるけど、今はまだ無人だ。
    だけど、この会場が人で埋まったら、いよいよ会議本番が始まるのである。流石にアンリもレイフレッドも緊張を隠せずにいた。
    席には一応飲み物が用意されていたけれど、今ここで飲んだら大事な会議中にトイレに行きたくなりそうで手を出せない。
     そんな葛藤中にも次から次へと人が案内されて来る。席は後ろから順に埋まっていき、最後の席が埋まると、初めて議長席と、その後ろの席に人が座る。
    ――どうやら、彼らがこの国の人らしい。
    カンカンカン、と小槌を叩く音がして、議長が口を開いた。
    「この度は我が国の求めに応じ、こうしてお集まりいただけたこと、誠に感謝する。そして本日付で国際会議を開始する事を宣言しよう」
    それに応え、各席から拍手が降り注ぐ。
   「それではまず、この会議に初出席を果たす新興国の紹介から始めよう」
    そして、国の名があげられる。
    どうやらこちらの大陸での新興国はウチだけのようだけど、あちらでは他にも三国新たに興った国があったらしい。
    それぞれの国の名を呼び、その国の代表を立たせる。
     ――広すぎる会場では顔も分からなそうだけど、そこはご安心。カメラと映写機があって、中央の画面に拡大映像が流れるから。
    ……私の顔のアップなんか写さなくて良いよ、とよっぽど言ってやりたかったけどね。トホホ……。
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