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領主のお仕事
姉兄達の大活躍
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「来たわ! すぐに照会を!」
レイリアは待ち望んだ情報を得て、すぐに臣下達に命じた。
それは母が持っていた発信器の信号。その発信場所は――
「ドルトムント王国! 至急シリカさんに連絡して!」
ドルトムント王国王都の外れ。そこに敵と、両親と弟が居る。
「シリカさん、お久しぶりです」
「ああ。今兵を差し向けた。私も指示を終えたら出る」
「ウチの兵も小隊一隊の受け入れ許可をお願いします。弟達が指揮をとるそうです」
「……あの双子か?」
「ええ。本当は私が行きたいところですが、私は国を守らなければならないので」
「……了解した」
母が残した通路を使い、弟達は学校から直接ドルトムントの王城に飛んだ。
「「お久しぶりです、シリカさん。――よろしくお願いします」」
「おう。……では行くぞ!」
「「はい!」」
小隊一隊が双子に続いて歩き出す。
その隣をシリカの率いる騎士達が並んで歩く。
……勿論シリカと双子は魔馬の上だが、騎士達は徒歩だ。この速度だと王都の外れまで一時間以上はかかる。イライラするけど、そこは仕方がない。
可能な限りの速度で急ぐ。
……気の遠くなるような長い時間を過ごし、ようやく目的の建物が見えてくる。
それは、ちょっとした邸宅だった。
「ここは、ウチの元王太子の生母の実家の別宅だった屋敷さ」
王太子がやらかした事で失脚した一族は資金繰りに困り、この邸宅を手放した。
「欲しがる者も居らずに放置されていたはずだが……まさか闇ギルドに利用されるとは」
シリカは渋い顔をしていた。その彼女の命令で屋敷を囲んだ騎士達。それを待って、シリカが声を張り上げた。
「屋敷は包囲した! ――投降せよ!」
――が、屋敷はシンと静まり返ったまま。
が、地面の下から妙な振動が伝わってくる。地震にしては不自然な揺れが。
「連中は地下か」
「なら、とにかく地上を押さえよう。俺達が行きます。シリカさんはこのままここを囲んでて」
双子が魔馬を操り屋敷の敷地内へと駆け込んでいく。何人かの警備兵を易々と殴り倒し、彼らは玄関を蹴り開けた。
「出てきやがれ!」
「カイル、どこだ!」
雪崩出てくる者達を片端から片付けながら中へと押し進んでいく。それを彼らの兵が追う。
「お前ら、倒れた兵を捕縛しろ!」
シリカは自身の軍に命じる。
「流石、あの二人の息子と言ったところか。中々やるじゃないか」
しかし、出てくるのは雑魚ばかりで幹部どころか正規のメンバーすら居ない。
「階段を探せ!」
双子が殴り、兵達が倒し、シリカの騎士が捕縛し。
階段を見つけたのは、大半の兵が沈黙した後だった。
レイリアは待ち望んだ情報を得て、すぐに臣下達に命じた。
それは母が持っていた発信器の信号。その発信場所は――
「ドルトムント王国! 至急シリカさんに連絡して!」
ドルトムント王国王都の外れ。そこに敵と、両親と弟が居る。
「シリカさん、お久しぶりです」
「ああ。今兵を差し向けた。私も指示を終えたら出る」
「ウチの兵も小隊一隊の受け入れ許可をお願いします。弟達が指揮をとるそうです」
「……あの双子か?」
「ええ。本当は私が行きたいところですが、私は国を守らなければならないので」
「……了解した」
母が残した通路を使い、弟達は学校から直接ドルトムントの王城に飛んだ。
「「お久しぶりです、シリカさん。――よろしくお願いします」」
「おう。……では行くぞ!」
「「はい!」」
小隊一隊が双子に続いて歩き出す。
その隣をシリカの率いる騎士達が並んで歩く。
……勿論シリカと双子は魔馬の上だが、騎士達は徒歩だ。この速度だと王都の外れまで一時間以上はかかる。イライラするけど、そこは仕方がない。
可能な限りの速度で急ぐ。
……気の遠くなるような長い時間を過ごし、ようやく目的の建物が見えてくる。
それは、ちょっとした邸宅だった。
「ここは、ウチの元王太子の生母の実家の別宅だった屋敷さ」
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「欲しがる者も居らずに放置されていたはずだが……まさか闇ギルドに利用されるとは」
シリカは渋い顔をしていた。その彼女の命令で屋敷を囲んだ騎士達。それを待って、シリカが声を張り上げた。
「屋敷は包囲した! ――投降せよ!」
――が、屋敷はシンと静まり返ったまま。
が、地面の下から妙な振動が伝わってくる。地震にしては不自然な揺れが。
「連中は地下か」
「なら、とにかく地上を押さえよう。俺達が行きます。シリカさんはこのままここを囲んでて」
双子が魔馬を操り屋敷の敷地内へと駆け込んでいく。何人かの警備兵を易々と殴り倒し、彼らは玄関を蹴り開けた。
「出てきやがれ!」
「カイル、どこだ!」
雪崩出てくる者達を片端から片付けながら中へと押し進んでいく。それを彼らの兵が追う。
「お前ら、倒れた兵を捕縛しろ!」
シリカは自身の軍に命じる。
「流石、あの二人の息子と言ったところか。中々やるじゃないか」
しかし、出てくるのは雑魚ばかりで幹部どころか正規のメンバーすら居ない。
「階段を探せ!」
双子が殴り、兵達が倒し、シリカの騎士が捕縛し。
階段を見つけたのは、大半の兵が沈黙した後だった。
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