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領主のお仕事
ロイヤルな家族会議
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会談は何とか終了させた。
けど、王太子様が阿保な事言い出すから、ロイヤルな家族会議の開催が決定してしまった。
領地からシリカさんを呼ぶ以上、これ以上二人揃って領地を空けられないので、無理を言ってレイフレッドだけは領地に帰した。
で、ロイヤルな家族会議の会場はドルトムント国の王城だった。
参加者はシュミエル皇帝とドルトムント国王夫妻と王太子、そしてシリカと私だ。
……正直何故私が、というメンバーである。今でこそ辺境伯なんてやってるけど、元は平民なのに。
「……そもそもその様な話をしろとは、私は彼に命じてはいないのですよ」
ドルトムント王は、早々にまずそう言って困惑しながら口を開いた。
「……シリカの婚姻相手に頭を悩ませてはいましたが、むしろ仕事に励むようになってほっとしていた位なのです。それをどうして呼び戻そうなどと……。ましてや私達が見届け人となった二人の子供を奪おうなどと考えるはずが御座いません!」
うん。彼のこの言葉はまぁ信用できると思うんだよね。
もっと将来的に、この王太子の子供の嫁か婿にくれと言うならあったかもしれないけれど……。
まだ子供のうちに養子に取るメリットって……何かあったっけ?
もうシリカが居るのだから、既に縁はあって、実際何かと便宜を図っていたりもする。
「その通りです! 少なくとも成人するまでは親の元で育つのが一番です。政略での養子も、物心つく前か成人してからというのが一般的ではありませんか。言葉は悪いですが、何故半端な年齢の子供を養子に欲しいと思うのですか!」
王妃が王太子を問いただした。
「だって。ずるいじゃないですか、自分ばかり王族の義務から逃れて。嵌めようとしてもなかなか上手くいかないし。だから……」
王太子はそれにニヤリと嫌な笑みを浮かべて答えた。
「奴らの誘いに乗ってみる事にしたんですよ……」
途端に殺気が集中した。
マズイ、と思ってすぐに王太子を蹴り飛ばし、結界を張った。
と同時に黄と赤の閃光が見え――轟音が響き大量の粉塵が舞った。
幸い結界が間に合い、結界の中は無事である。
王太子にも一応別に結界を張ったので多分無事であるとは思う。
しかしこれは……。
――と。チン、と結界が何かを弾いた。
「……ナイフ、ね」
床に落ちたのは片手で握れる小刀だった。
それが飛んで来た方向へ適当に魔法を放つ。
「水鉄砲、からの雷撃!」
ガラガラビシャンと派手な音が鳴った。
と同時に水飛沫に粉塵が少しばかり落ち着き、ようやく辺りの様子が視認出来るようになってきた。
数人、ずぶ濡れの黒い人影が床に倒れ込んでいる。
「……話を聞く必要があるようだな」
場に、重々しく皇帝陛下の声が落ちた。
けど、王太子様が阿保な事言い出すから、ロイヤルな家族会議の開催が決定してしまった。
領地からシリカさんを呼ぶ以上、これ以上二人揃って領地を空けられないので、無理を言ってレイフレッドだけは領地に帰した。
で、ロイヤルな家族会議の会場はドルトムント国の王城だった。
参加者はシュミエル皇帝とドルトムント国王夫妻と王太子、そしてシリカと私だ。
……正直何故私が、というメンバーである。今でこそ辺境伯なんてやってるけど、元は平民なのに。
「……そもそもその様な話をしろとは、私は彼に命じてはいないのですよ」
ドルトムント王は、早々にまずそう言って困惑しながら口を開いた。
「……シリカの婚姻相手に頭を悩ませてはいましたが、むしろ仕事に励むようになってほっとしていた位なのです。それをどうして呼び戻そうなどと……。ましてや私達が見届け人となった二人の子供を奪おうなどと考えるはずが御座いません!」
うん。彼のこの言葉はまぁ信用できると思うんだよね。
もっと将来的に、この王太子の子供の嫁か婿にくれと言うならあったかもしれないけれど……。
まだ子供のうちに養子に取るメリットって……何かあったっけ?
もうシリカが居るのだから、既に縁はあって、実際何かと便宜を図っていたりもする。
「その通りです! 少なくとも成人するまでは親の元で育つのが一番です。政略での養子も、物心つく前か成人してからというのが一般的ではありませんか。言葉は悪いですが、何故半端な年齢の子供を養子に欲しいと思うのですか!」
王妃が王太子を問いただした。
「だって。ずるいじゃないですか、自分ばかり王族の義務から逃れて。嵌めようとしてもなかなか上手くいかないし。だから……」
王太子はそれにニヤリと嫌な笑みを浮かべて答えた。
「奴らの誘いに乗ってみる事にしたんですよ……」
途端に殺気が集中した。
マズイ、と思ってすぐに王太子を蹴り飛ばし、結界を張った。
と同時に黄と赤の閃光が見え――轟音が響き大量の粉塵が舞った。
幸い結界が間に合い、結界の中は無事である。
王太子にも一応別に結界を張ったので多分無事であるとは思う。
しかしこれは……。
――と。チン、と結界が何かを弾いた。
「……ナイフ、ね」
床に落ちたのは片手で握れる小刀だった。
それが飛んで来た方向へ適当に魔法を放つ。
「水鉄砲、からの雷撃!」
ガラガラビシャンと派手な音が鳴った。
と同時に水飛沫に粉塵が少しばかり落ち着き、ようやく辺りの様子が視認出来るようになってきた。
数人、ずぶ濡れの黒い人影が床に倒れ込んでいる。
「……話を聞く必要があるようだな」
場に、重々しく皇帝陛下の声が落ちた。
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