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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

夏祭りグルメを楽しみましょう!

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    「おじちゃん、たこ焼き頂戴!    八個入りの一つね!   (あ、ピックも一つで良いから!)」
    最後の重要ポイントだけこそっと告げて、ソースと青海苔に鰹節、とどめのマヨネーズのかかったたこ焼きの舟を受けとる。
    「あいよ!    毎度ありィ!」
    「ありがと!」
     うん、なかなか大ぶりのたこ焼きだけど……中身はどうかな?
    ピックに刺して一つ口に入れる。
    「うはっ、あつあつだけど……ふわとろカリっ!    タコ大きいし美味しい!    ほら、レイフレッドも!」
    ふふふふふ。デートの定番イベントその一、「あーん」 を繰り出す。
    「有難うございます、お嬢様。……ああ、タコの食感もしっかりしてますね」
    ……微笑みながらも照れた様子もなくぱくりと頬張り口をモゴモゴ動かすレイフレッド。残ったピックを次のたこ焼きに刺せば、今度は私への試練と化す。
    間接キスという、小中学生向けの少女漫画的一大イベント……なんだけど。
    流石に……これくらいじゃ私も怯みませんよ!
    ――唇にではなくとも、毎日の吸血がそもそもキスみたいなモノだし。間接でなく本番のキスだってもう何度かしてるし。
    ぱくりと一口で頬張る。
    うん、口の中で香る鰹節と青海苔が良い仕事をしている。
    交互に四個ずつなんて、食べ盛りの私達には全然足りなくて、あっという間に空になった舟をくずかごに捨てて次を目指す。
    醤油とバターの焼ける良い匂いに誘われて目をつけたのは焼きとうもろこし。
     二本買ってそれぞれ自分のにかぶりつく。
     おお、このとうもろこしすっごく甘い!
     糖度の高いとうもろこしに醤油とバターの香ばしさがたまらない。
     夢中でかじりついていたんだけど、ふと渋い顔をするレイフレッドに気付く。
     何というか……食べ方が……下手?
     私に仕える為に幼い頃にカーライルウチの使用人にしっかり仕込まれ、旅に出てからは自ら積極的に学んで、貴族になっても困らない綺麗な仕草を身に付けたレイフレッドらしくない食べ方で……。
    と不思議に思って眺めていると、すぐにその原因に思い当たる。
    ああ……。そういえば丸のままのとうもろこし齧るなんてこれまで無かったもんなぁ。
    まさか吸血鬼の牙がとうもろこしを食べる邪魔になるなんて、実体験無しには分からないよねぇ……。
    ほら、吸血鬼の牙って他の歯より長く鋭く尖ってるからね……。がっつり齧りつくと牙は芯まで埋まる。牙を芯の手前で止めると今度は前歯が粒に届かない。
    片方の牙だけ使ってチマチマと粒を剥がして必死に食べてる様が何だか可笑しくて可愛い。
    笑っちゃ可哀想と思うのに、我慢しきれずに吹き出せば。
    「……これは要改善を提案しておく必要がありそうです」
     レイフレッドは少し顔を赤くして顔を背けた。
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